母に明日はくるのか
母が救急で運ばれた2日後、
母のその後の経過を聞くべく、病院に行くこととなった。
父、私、弟、妹、そして母の兄である叔父や叔母、私の祖母も朝の10:00に病院に集まった。
手術を担当してくれた先生より、
術後の経過を聞いた。
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脳の中の出血が引かずにいて、
まだ命の危険があり、集中治療室にいること
手術の際の麻酔は切れているが、
まだ意識が戻らず、人工呼吸器をつけていること
仮に万が一意識が戻ったとしても、
重度の後遺症が残り、
自立しての生活はほぼ無理に等しいということ
過去の脳梗塞の影響で
血液サラサラの薬を飲んでいたことで、
もしも万が一再出血があった場合は
もう手術ができないこと
そして血液サラサラの薬を飲めないことで
脳梗塞になった場合は
もう助からないことを伝えられた。
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手術が無事に終わりホッとしたのも束の間、
色んな情報が一気に押し寄せ
不安な気持ちでいっぱいになり胸が苦しくなった。
そして、先生より
「もしも命の危険があった場合、
延命治療を望みますか?」と聞かれた。
私たち家族は迷わず「はい」と答えた。
しかし、母はまだ元気だった頃、
「死ぬときは家族に迷惑をかけずに
ぽっくり死にたいわ〜」と
冗談混じりに話していた。
母はこの後、延命治療を受けて、
長いリハビリと治療を受け続けることになっても、
重度の障害を持つことになっても、
もう二度と歩けなくなっても、
家に戻ってこれなかったとしても、
生きることを望むのだろうか。
母の意思とは関係なく、
ただまだ一緒にいたい一心で
決断した家族の選択を母は喜んでくれるのだろうか
それは誰にもわからなかった。
でも家族が決断しなければならなかった。
母がどんな状態であっても
生きることを望んでほしいと願うしかできなかった
コロナ禍ということもあり、
本来は面会はできない予定だった。
しかし、命の危険があるため、
特例として面会を認めてもらえると主治医の先生から許可がおりた。
母の意識が戻っていないものと
退院するまで家族は会えないと思っていたこともあり、母に会えるのだと思うとすごく嬉しかった。