母と話したい
母が入院して2週間経った時、
主治医の先生よりこのまま自立呼吸が回復しなければ、肺炎の危険性も感染症の可能性も高まるため、気管支を切開する手術を行わなければいけない、と言われた。
そして、手術するどうかの決断を迫られた術後3週間経った頃に、母は自立呼吸が出来るようになった。
病院から知らせを聞いた父からLINEで家族に連絡があったとき、出かけていた私と妹は声を上げて喜んだ。
母はそもそも、脳出血で倒れた時に実家に弟と父がいなければ、発見が遅れて病院に運べなかったかもしれないし、
母が入院した日曜日の夜勤が脳外科医の先生でなければ緊急の手術が、できなかったかもしれない。
そしてこのコロナ禍ということを考えると、そもそも病院の受け入れが決まらなければ、救急車の中で息を引き取ることもあり得た。
色々な偶然が重なり母の命が助かり、
自立して呼吸ができるようになったことは
本当にうれしかった。
私たちが日々当たり前のようにできている
呼吸をするということが、
当たり前ではなくて
すごいことなんだと改めて実感した。
欲張ってばかりはいけないのかもしれないが
早く母に意識を取り戻してほしい。
話したいこと、聞いてほしいこと
母から聞きたいこと、たくさんあった。
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ママが入院している間、私が付き合っている彼氏に
プロポーズされたこと。
お父さんがママの入院費を払うために6万円入れていたお財布を落とたけど、翌日工事中の現場の足場に落ちてたこと
家にあった玉ねぎが腐ってたこと(笑)
家族でよく見ていたNBAで
ママが応援していたサンズが勝ったこと
ママに1番懐いていた猫のはなちゃんは
寂しそうにしてるけど泣いたりせずに
いい子でママの帰りを待っていること
料理も家事も何もしなかったお父さんが、
毎日ウインナーと卵焼きを焼いて
自分でお弁当を持って行っていること
私や弟やお父さんは仕事を再開して、
妹も夏休みの期間、実家を手伝ってくれていて
アルバイトも始めたこと
みんなで協力してご飯を作るけど、
なかなかうまくいかなくて喧嘩ばかりしてること
みんな寂しいのを我慢して
今できることを頑張っていること
ママにみんな会いたくて寂しいってこと。
どれも会ってちゃんと話したいことばかりだった。