病院に運ばれるまで。
救急で運ばれた後、実家へと帰ってきた。
そこで弟から、救急車で運ばれるまでの母の様子を教えてもらった。
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夕方ごろ自宅の三階にいた母が一階にあるリビングに降りてきた。
突然の頭痛・めまいに襲われ、椅子に座ったまま頭を押さえていた。異変に気づいた弟は、リビングの横にあるソファに母を寝かせた。
その後強い吐き気があり母は急に吐いてしまった。
また、トイレに行きたいと言い出したが、一人でトイレに行くことができず、父が付き添って行ったが、自分で排泄物の処理をすることもできなかった。
嘔吐や失禁の症状が見られ、異変を感じた父と弟は救急車を呼ぶことに決めた。
救急車が到着し、母はストレッチャーに乗せられ、弟が同乗した。救急車に乗り込むもなかなか搬送先の病院が決まらぬまま、30分が経過しようとしていた。コロナの影響で病院も受け入れが難しかったのだろう。
救急隊員の方から、
「お母様おいくつですか?」と聞かれたが母からの返答はなかった。弟が「59だと思います」と答えると、意識が朦朧としていた母が急に「58だよ!」とキレ出したりしたらしい。母は「ちくしょう、ちくしょう」「病気になんて負けてたまるか」と繰り返していたらしい。
時間が経つにつれて徐々に母の意識が朦朧としてきて目が閉じかけて行った。ストレッチャーに座っていたが、徐々に身体が傾き、姿勢を保持することが難しくなった。そして、血圧がどんどん下がり始め、救急車の中の機械が大きな音を出し始め、救急隊員の人たちが慌ただしくなった。
そして、ようやく決まった病院に母は運ばれることとなった。