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夢なら覚めて

母の手術が終わった後、私は疲れ果ててベットで寝たが1時間おきに目が覚めてしまい
7時には寝ることを諦めた。

起きるたびに、悪い夢でも見たんじゃないか。
現実で起きてることじゃないんじゃないかと思って
昨日の記憶を何度も思い返していた。

私以外の家族も、私が起きる頃には起きていた。
きっとみんな眠れなかったのだろう。

父はいつもと変わらずに仕事に行った。
父は母が入院した日も、少し時間が経った今になっても泣いているときを見たことがないし
いつも通り仕事に行き続けていた。

弟と私はそれぞれ仕事を休んだ。
弟はせかせかと普段はしない部屋の掃除をしてみたり、洗濯をしていた。何かをすることで気を紛らわせたかったのかもしれない。

長女の私は、目が覚めてからもしばらく呆然としていた。体が痺れ全身に力が入らなかった。頭が思考停止していて、何もできずにいた。

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しばらくして、父に頼まれた入院手続きをしに
弟と母が運ばれた病院に行った。

母の無事を願った待合室、救急車、処置室。
昨日のことを鮮明に思い出し、現実に起きたことなんだと突きつけられた気分になった。

待合室には、退院した元気な赤ちゃんとお母さんや
退院したおばあちゃんを笑顔で出迎える家族の姿が
やけに眩しく見えて、なんだか辛くなった。

入院手続きを終え看護師と母の容態について話している時、人目も憚らず弟は泣き出していた。

母はこれからどうなるのか。
私たちはどうしていけばいいのか。
突然の出来事に頭が追いつかなかった。

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