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命を繋ぐ手術②

手術は緊急で運ばれた当日の夜中の12時から3時半まで行われることとなった。休日の救急の担当を脳外科の先生が担当していたことで手術ができるとのことだった。

緊急の電話がかかってくる可能性があったため、
父・弟・私の3人は自宅で待機し、
誰かしらが起きている状態で連絡を待った。

父はこんな状況でも仕事を休めなかったため、
手術開始後1時間ほどして、次の日のために休んでもらった。

夜通し私は起きていた。
遠方に一人暮らしをしている妹とビデオ通話をしなぎら、連絡が来るのを待っていた。

ちょっとでも気を抜けば、
悪い方へ悪い方へと考えてしまい、不安な気持ちの波が一気に押し寄せる。このまま二度と会えなかったら…手術が終わっても意識が戻らなかったら…母がいなくなったらこれからどうやって生活をしていけばいいのか…そんなことを考えてしまっていた。

その度に
「今は手術が成功するのを待つしかない」
「ママは病気なんかに負けない」
「絶対大丈夫」と
自分に言い聞かせていた。

手術をしている間の1分がものすごく長く感じた。

手術開始から4時間以上が経過し、
夜中の4時をすぎたころ、
父の携帯に病院から電話がかかってきた。
寝ていた父は着信音で飛び起きて、
みんなで電話の内容を聞いていた。

-------手術は無事に終わったこと。

血液をサラサラにする薬のせいで脳の中での出血が止まらずに、全ての血を取り除けなかったこと。

また再出血をしても手術をすることはできないため、血が止まることを待つしかない。

命の危険がある状態は続いている

------

私たちは無事に手術が終わりほっとしたと同時に
これからどうなるかわからない不安があった。

手術が終わったことを私の祖母や叔父に電話をした
みんなに電話をして一息ついた頃には、
夜が明けて外は明るくなっていた。

私は少し横になって眠ることにした。

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