Fiori di ciliegio Wind Orchestra 後日談②
これの続きです↓
後日談②では、ねず吹全体の振り返りを書き記していきます。
(こっちの方が本編かもしれない)
②-1.プログラムの曲たち
最初に、今回の演奏会で出会った曲たちの感想戦です。
春の猟犬/A. Reed
ねず吹でやるべくして作られた曲(違います)。
リードの曲は各楽器の使い方が本当に「わかっている」。
これはリード作品をやるたびに強く思う。
そして今回は、コンクラ有コンファゴ有の大盤振る舞いで、フル編成で演奏できた。
やはり彼らがいると厚みが全然違う。
社会人になったらぜひ買ってほしい…。
個人的なEPではあるが、4年ぶりの影ちゃん先輩指揮の吹奏楽は、感動そのものだった。
なんかこう、音楽をしているという幸せを直に噛み締めた瞬間であった。
感動してる間に普段ミスらないところでミスってヒヤヒヤしたのはここだけの話。
優しい花たちへ/高昌帥
この演奏会の影のメイン曲。
自分で振りたがった割に全然まともにできず、最後まで影ちゃん先輩にやってもらえばよかったなと後悔しっぱなし(出したのも影ちゃん先輩だし)だったが、集中練二日目で化けた気がする。
ここでの「花」は、植物の花というわけではなく、女性的なものや概念全てを表しているが、個人的な解釈は「1人の女性に向けた讃歌」であった。
その女性の色々な面(かわいらしいところ、怒りっぽいところ、健気なところ、繊細なところ…)を、花に準えて書いたんじゃないかな〜なんて妄想をしていた。
テンポがコロコロ変化する、今までやったことないタイプの曲だったので、自分の指揮者としての経験値をさらに高められる曲だった。
とはいえ合奏はグダリまくってしまったので大反省である。本当まだまだ未熟な指揮者である。
桜華幻想/福島弘和
最もこの演奏会に相応しいといえる曲。
こちらもねず吹でやるべくして作られた曲(違います)。
5曲の中では一番とっつきやすい曲だったが、それでもエモいポイントがたくさんあったので、ある意味コスパが良い曲だった。
自分の中では「丘の上に咲く一本の桜の木と、それを見る人」というイメージがピッタリとハマって、ある回ではそれを熱弁しまくって合奏が押したこともあったが、なかなか他の曲の合奏に時間が取られてしまい、完成度を高めきれなかったのが残念である。
さらに、本番ではTpソロの前で振り方がバグる大戦犯をしてしまった。
ごめんね。
まさに「孤独感」を現す素敵なソロだった。
また何かの曲でリベンジしたいな…。
組曲「惑星」より木星/G. Holst
宇宙の音楽とのつながりを良くするためにやや強引に差し込まれた曲。
これも皆が知っている曲だったので、かなりとっつきやすい曲だったと思う(ただし連譜を除く)。
改めて影ちゃん先輩はスマートかつ冷静に曲作りをする方で、本番でも何があっても動じない。
あのかっこいい表情からたまに見せる柔らかい表情と👌に魅了された人も多いのではないだろうか。
(ん?木星の感想じゃなくないか?まぁいいか)
宇宙の音楽/P. Sparke
夢にまで見た宇宙の音楽の指揮は想像以上に難しく、自分の技量以上のものが求められていた。
ついはい3rdの時にチューバを吹いたのでそれなりに拍子感は掴んでいたものの、スパーク作品特有の小節線ガン無視フレーズ、3/4と6/8の共存、キメにくいキメポイント…。
普段楽譜は耳で覚えるタイプだからこればかりは読まないと到底太刀打ちできず、色鉛筆でグループ分けしながら交通整理をしていった。
この一本前で同じくグレード6のキリストの受難を振ったが、全然ベクトルの違う難しさだった。
♪t=0
ホルンソロ、最高。
自主性重視系指揮者なので、こうして欲しいという指示はあまりしなかった(逆に困らせたと思いますが)ので、彼が作り上げたソロである。
本番がどの回の練習よりも決まっていて鳥肌立ったし、これはいけるぞと確信した瞬間だった。
♪THE BIG BANG
「冷静に、キメ所はキメる」がモットー。
なんで6/8やねんと何回もツッコミを入れたくなる楽譜だったが、自分が冷静にならないと上手くいかないことが多かった。
大抵の指摘事項は自分の振りで解決できることが多く、ここでも何度かメンブレしかけた。
安定した棒が出せるようにとにもかくにも冷静に、でもキメる部分はキメる、キャラ変を大事に。
目立った事故がなくスムーズに進みここでほっと一安心。
♪THE LONELY PLANET
ソリストs Love Forever...
なんていってもエモいのが、ここでソロをしていた人のほとんどが同期だったことだ。
コロナ世代、苦楽を共にした同期がソロをしている、その時点でもう泣けるほど尊いことである。
目玉のソプラノサックスソロ、彼女にも特に何も注文していなかったのだが、なんかもう、5年の付き合いなので僕のイメージ伝わるのか(諸説あり)?言うことなしな最高の演奏でした。
宇宙一大好きなソロでした。
(もちろん他のみんなもですよ?)
♪ASTEROIDS & SHOOTING STARS
コロコロ曲の表情が変わるのでそれに対応していくことと、打ち込みが走りやすいのが難点だ。
だからこそ、ここも冷静に、集中。
後半の6/8チックな部分はcresc.の山を大いに魅せたかった。ドラとサス、最高だったね。
♪HARMONIA
宇宙の音楽の中でも一番好きな部分だ。
これをやるために指揮を振りたかったと言っても過言ではない(やや過言)。
メロディラインのフレーズと伴奏とのバランスを大切に、決めどころは決める、Tpのドーレミファソラシド…。
全てを大切にしたいところだったが、合奏時間も限りがあるのでやれる限り最大限のことはできたと思う。
本番は号泣する予定だったのに、僕より先に号泣する輩がいて泣けなかった。許しません(嘘です)。
♪UNKNOWN
精華女子の演奏をオマージュして、元気溌剌オロナミンCなつくりにした。
宇宙の未来はどうなるかわからないが、Es durで書かれてるってことはきっとSparke先生も明るいものだと思っているのでしょう。
そしてきっと、僕らの未来も明るいはずだ。
そんなことを信じて明るく終わらせた。
もっと極められた部分は多かったと思うけど、学生生活の最後に、中学生の頃から憧れていた曲の指揮をできて本当に幸せだった。
②-2.ねず吹大反省会
さて、ねず吹良かったねー!の話をする前に先に大反省会をします。
正直終始キャパオーバーを起こし首の皮一枚でつながっていたような出来事も多かったので、今後演奏会運営をすることになった時のための備忘録として残しておく。
1)統括としての立ち回り△
まずこれは述べておかないといけない。
はっきり言って統括深川ねずみは無能そのものだった。
自分の担当曲の合奏でいっぱいいっぱいになり、全然周りを見られていなかった。
そもそも指揮者が統括を兼ねるというのは、部活で部長が指揮者をしているようなものだ。
指揮者として音楽に一本集中したい状況下で、統括として楽団全体のことを考えて行動するという、ある意味真逆のことをしなければならないのだ。
特に、演奏会の直前はかなりバタバタしてしまった。
この原因は、当日運営系の仕事のほとんどを自分で請負おうとしすぎたためである。
今回は前日リハがあり、しかも運営に車を出せる人がいたので耐えたが、これが前日なしの土曜日昼本番だったら詰んでいた。
これに限らず、高校からのパーソナリティ「俺がやったら早いやん」を遺憾なく発揮してしまった場面が多く、ねず吹やらかしEPのほとんどは深川ねずみがしっかり仕事を振れなかったせいである。あぁ無能。諸行無能の響きあり。
もっと周りの人を頼って生きようね、僕よりも仕事できる人がたくさんいるんだから…。
こんなやつがトップにたちながらたくさん動いてやることをやってくれた運営のみんなには頭が上がらない…。ありがとうね本当に。
2)シンプル曲むずし
現在絶賛奏者アンケート中で、選曲難易度を聞いているのだが、皆さんの回答の多くはちょうどよかった〜とても難しかった(7段階評価でいう4〜7)だった。
安心してください、僕も難しかった(6)だと思います。
コンセプト重視で曲を選んだ結果、特にClやFl(やEuph)は連譜ばかりになってしまったし、いわゆる箸休めになるようなゆったり曲が少なかった。
特に優しい花たちへと宇宙の音楽は練習12回でやるような曲ではなかったし、他の曲ももう少し練習したかった。
奏者さんが練習日以外にたくさん個人練をしていただけた結果あの演奏ができたと思うので、本当に感謝するばかりである。
選曲段階でもっと理性働かせるべきだったし、本番も降り曲を設定したり、単純に練習回数増やしたり、セクション練を増やしたり…完成度を高める工夫が必要だろう。
3)ホールを妥協すな
ほんっとうにこれはもったいなかった。
ホール代でホールを選んでしまっており、結果あまり良い響きのしない演奏になってしまった。
一番妥協したらいけない部分だった。
次は絶対に参加費高くなっでも良いホールでやりたい。
4)奏者を繋げる仕組み△
あまりに奏者層が広すぎたため、どうやったら奏者間の仲を深められるかが難儀するポイントだった。
朝昼練の日なんかは、お昼ご飯を食べる時が一番仲を深めるチャンスなので、初回〜2回目はパートで食べてパート内の仲を深めようとしていたが、それ以降の3-5回目くらいはどう食べるかがなぁなぁにしてしまっていた節はあった。
意を決してランダム化して(無言すぎて気まずかったですという班もありつつ)結果としてよかったという声が多かった…のかな……?
ご飯くらいしか話す機会ないのだから、早いうちからどうすべきなのか考えておくべきだった。
てか初回練の日にレクリエーションやっても良かったよな。
音をまとめるにはまずは奏者をまとめよ。
出会いを謳った演奏会ながら、もったいないというか、配慮のたらなかったポイントだった。
5)演奏会乱立時代、参加率をどう上げる?
フェス系の参加率の低さはうちに限らずどこの団体でも議論になるべき話題だ。
3月はボンフェスクラフェスサクオケがあるのでそもそも激戦区だったし、それ以外にもいくつか常設団体の定期演奏会があったし、さらに似たような企画演奏会も出てきていた(企画演奏会競合を回避するために早めに情報公開したがなかなか厳しかった)。
となると考慮しないといけないのは「本番・練習日被り」である。
本番は団体間で競技しズラせたが、練習日程はどうにもうまくいかず、奏者の中にはハシゴする人も多くいた。
そして卒論・修論・国試の時期あったためB4, M2はしんどかったと思う。
なかなか参加率が上がらず、通常練習は参加率50%、集中練ですら75%程度であった。
フェス系とはいえ人がいなければ曲は成り立たないし、ある回に参加しなければその回で伝えた内容が共有されない限り再度伝えていかなければならない。
練習回数を絞った方がいいのか、はたまた増やした方がいいのか、議論の余地はあるが、おそらく縦軸:完成度、横軸:練習回数にしたら下に凸の放物線になる気がする。
そして何よりも「練習に来たくなる」楽団にしなければならない。
練習が義務ではなく目的に。
この辺は普段の合奏で心がけていることではあるが、なかなか難しい。
でもこれができれば自ずと参加率の上がる楽団になるよな。
②-3.ねず吹をやった今、何を思っているか
さて、反省会をやった上で、ねず吹を経て何を思っているのか、記していきたい。
まず、ねず吹ができたことは、奇跡に近いことだと思う。
影ちゃん先輩が指揮を振ってくれなかったらこの演奏会は存在しなかったし、
僕の身近にいる人たちが運営してくれなかったらこの演奏会は存在しなかったし、
奏者の皆さまが乗ってくれなかったらこの演奏会は存在しなかった。
当たり前だが、演奏会を開くということは1人ではできないことなのだから、こんなにもたくさんの人に恵まれ、支えられ、愛され、自分の夢を叶えることができたのだから、感謝しなければならない。
統括としてはダメダメだったし、
指揮者としても技量不足のところが多かった。
でも、皆さんが「楽しかった!」「第二回やってほしい!」「企画してくれてありがとう!」と言ってくれて涙が出るほど嬉しかったし、何よりもたくさんの人と出会えて、再会できて、吹奏楽ができて(、本番後に飲み会もできて)、コロナ禍でできなかったこと、そのほとんどをこの演奏会で取り戻せた気がする。
僕は本当に幸せ者です。
みんなと出会えてよかった。
吹奏楽が出来てよかった。
みんな、大好きです。ありがとう。
さて、いよいよ僕も学生生活の終わりが見えてきた。
僕は大阪で就職することになり春からも大阪に居続けることができるが、同期の中には関西外への引っ越しが決まっている人もいる。
出会いの数だけ、別れがある。
でも、吹奏楽を続けていれば、きっといつかまた会えるとも思う。
奏者の皆さまがねず吹という楽団に参加することで、人と人とのつながりを新たに作ったり、再構築したりすることができたのならば統括として嬉しい限りだし、何よりもこの繋がりはずっと続いていて欲しい。
正直ねず吹は1回きりで終わらせるつもりはなかったし、これからも、1年に1度(それよりも少ない頻度だとしても)みんなと会って吹奏楽をしたい。
それが、僕が吹奏楽を続ける理由なんじゃないかな。
83人の奏者の皆さまと出会い、こんなにも素敵な演奏会をできて、僕は幸せです。
本当にありがとうございました。
またいつか、Fiori di ciliegio Wind Orchestraとして桜の花を咲かせる日が来るまで…。
歴代の演奏会終演後noteに比べてかなりとりとめのない長文になってしまいましたが、ここまて。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました!
Fiori di ciliegio Wind Orchestra
統括・指揮者 深川ねずみ
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