浜辺のふたり【革命機ヴァルブレイブ】二次創作
序章:1 いにしえのふたり
彼が夜空を見上げると、正に満天の星空という光景が頭上に広がっていた。
彼と彼の家族を含むコミュニティーが、環境が急速に変わりつつあった『母なる南の大地』を旅立ってから、幾日経っただろうか。
出立の頃まだ、連れ合いの子宮の奥はおろか、自分も子種どころか生殖に至る知識や感情すら芽生えてなかった。連れ合いは元は別の群れに属していた。
かつて彼が属していたコミュニティーは、飢えに瀕しており、集団内では、共喰いすら起こりうるくらい逼迫していた。