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精神科医バク氏の貴重な貴重なアドバイスに常日頃思っていた懸念が現実化したなと感じた日
産む権利や精神疾患の話なのでしんどい内容になると思います。閲覧注意です。読み進める場合はどうぞご無理なさらず。
とりま事の経緯
どちらもメンクリ通いをしているアラフォー夫婦。その奥さんが「やっぱり子ども欲しい」と呟き、それへの反応が多数寄せられています→こちら
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反応の多くは「産むな」という意見です。確かに現実的に考えた際、【犠牲者を増やさないため】には、産まない方がいいんだと思います。
キツイ言葉が並ぶのを見て、理想的な、理論的な、倫理的な、正しさとしては止めるのが当たり前だとしても、この呟きのせいで彼女のメンタルの状態がまた悪化するんじゃないかな?とハラハラしながら静観していました。
ところが、これに対し、確か関西某所在住だったと思いますが(ご自身のツイキャスでカムアウト済。そもそも精神科医が配信やるって怖いことだとワタシは思うんですがね???)
本物の精神科医(開業医)でありADHD当事者でもあるバク先生がこんなポストをされています→こちら
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ワタシのケース
あまりまとめて書いて来なかったので整理しますが、ワタシ自身はアスペルガーであり、二次障害に解離性障害の診断歴がある被虐待サバイバーでもあり、レイプサバイバーでもあります。そのレイプをキッカケに2度閉鎖病棟に医療保護入院で入院したことがあり、今はPTSDと診断書には書かれています。
ワタシは「次の世代に虐待を引き継がせない」ために長く闘病してきました。つまり、子どもの頃のワタシは、当然に自分も将来は人の親になるのだと考え、このままではいけないと思ったわけです。
親の無理解で早期に医療に繋がることはできませんでしたが、初診日となる高校1年になる前からその意識でASD特有の空気の読めなさをなんとかしたいと自分磨きも頑張ってきたと思います。5年ごとに、会う人会う人に「変わったね」と喜んでもらえる一方で、そのことで嫌味を言われたりもありましたから、周りから見たらウザい優等生に見えたかもしれないですね。
25歳になった時、両親がようやくワタシが普通ではないことを認め、ある種ワタシの将来を諦めたこともあり、精神障害者保健福祉手帳の手続きをしました。地元函館の海に飛び込んだり、ODを繰り返したり、果てにはビジホで首を吊ってみたり、人様には迷惑ばかりかけてきたと思います。その節は助けていただいた皆様、また救急隊の方、医療関係者の方、本当にありがとうございました。
その時に一度、妊娠・出産、それ以前に結婚そのものを諦めました。自分に用意された道は他の人と違うのだと納得しようとしました。それ以来、ワタシは「メンヘラはどうせ虐待するんだから産まない方がいい」と考えてきました。パチンコ依存症があり未診断ですが明らかにADHDである母との関係に悩んできたこともあり、また生き別れた同腹の姉も「自分みたいになってほしくないから子どもは産まない」と言っていたこともあります。つまり、貴重なご意見をぶつける方々と同じ考えだったわけです。なので、やめとけと言う人の気持ちがわからないわけではないと思います。
現実に、身近で、とても大切な人たちに、今回の彼女と同様のことを言われ、何年経ってもそのことを思い出すだけでも涙が溢れて、いまだに深く傷ついていて、そもそも生まれ育った環境のこともあり、結果、現在はPTSD治療中です。主治医、カウンセラー共に、そのことは知っています。
子どもの話になると堰を切ったようになってしまい、ただただ赤子が泣くように泣くことしかできなくなります。
前々から、虐待を受けた子どもが亡くなるニュースを見ると、一瞬で目の前が真っ暗になって、そのまましばらく時間が経ってしまうことがあったので、やはりその間は解離しているんでしょうね。
そんなワタシでも結婚はできてしまいました。運命ってわからんなと思います。
やっぱ結婚したら、考えちゃうよね。子ども。欲しいよな。が、コロナ禍で不妊治療を本格的に始めようと思っていた矢先、通っていた市民病院が接収されてしまい、直接電話をくださった医師からは「今や医師会は積極的な不妊治療(体外受精など)はしていない状態である」と告げられました。
紹介状もご用意いただき、夫婦で行ったりもしたのですが、すでにその時点でアラフォーで、またワタシ自身が妊娠を望んでいると同時に躊躇する気持ちを抱えてもおり、そのままフェードアウトする形で、不妊治療に本格的に参入することなくワタシの妊活は終わりました。
やはり一番大事な人たちに「虐待するから産むな」「20代のうちに産んどくのがいいんだ」等と言われたことがとても辛かった。ワタシ1人間違いのない選択をしさえすれば、ワタシ以外誰も傷つかなくて済むのだと、必死に飲み込もうとしてはいるのですが、やはり、45になった今でも飲み込み続けることは難しく、自暴自棄になることもしばしばです。
もう自然妊娠率は5%を切っているので何も起こらないのはわかっているのに、生理が来るたびに、何もわからず健気に赤ちゃんのベッドを用意しては廃棄するワタシの子宮を切なくて痛々しくて悲しく思ってしまいます。世の中にはもっと産みたいけど病気で摘出しないといけないとか、誰ともSEXしたことないけど子宮脱で一度も使われなかった子宮を摘出した知人もいましたので、あってくれるだけマシなのかもしれませんが。
時々「あの忌まわしいレイプでさえ妊娠できなかったんだ」と、望んでもいないことだったのに、思い返して再受傷してしまうこともあります。たまたま、その時は最も妊娠しやすい時期だったので余計にそう思ってしまうんでしょうな。
当時住んでいた東京の郊外にある精神科だけの病棟で、婦人科の先生を呼んでいただいて診察を受けました。その後、無事に生理がきたのでホッとしましたが、あの時は、「もし万一妊娠してしまっていたら、メンタルの状態を考えても、状況的にも、とても愛せない。養育の義務も果たせないだろう。産んだ後に殺してしまうなら、せめて生まれてくる前に堕胎しよう。その罪を一生償っていこう」と考えていました。
ワタシはこんなのでもクリスチャンでして、堕胎は宗教上の罪です(自殺もです。事情によるけど葬儀出せない場合あり)。病床の塗油というのですが、司祭と、懇意にしていた今はイギリスでシスターになった方に閉鎖病棟まで来ていただき、胸に決めたことを2人には告げずに(だけど当時何があったかは伝えてあった数少ない人たちでした)一緒にお祈りいただきました。
それぞれの節目節目を思い返すとワタシは実に自らに抑制的に判断しすぎたのではないかと思わぬでもありません。もっと自分の気持ちだけを大切にすればよかった。こんな悲しい思いをするなら誰にも出会わずにあの時に死ねばよかったのに。と、そう、後悔し続けています。
他の人の場合。生き別れ、社会的入院、名家なればこそ
かつて住んでいた場所では統合失調症の母親と2人の子どもが母親の状態悪化で緊急入院となり、以後そのまま物件には戻って来ることなく、2人の子どもは祖母に引き取られたという生き別れ事情を垣間見たことがありました。
また、子どもの頃に骨折して入院した時、子ども病棟には不似合いなお姉さんがいて社会的入院をさせられていたことを知りました。どうみても何か悪いところがあるように見えなかったので、思い切って聞いてみたところ、お父さんが亡くなった後、お母さんが発狂してしまい、親戚中をたらい回しにされながら、児童養護施設に保護されることもなく、ただただ小児病棟に繋がれていると知りました。「私も頭おかしいからここに入れられてる」と語っていたその子は18になる年に退院させられた後、どうなったか探しているのですが見つけることができずにいます。
他にも、閉鎖病棟に入院中に何人か仲良くなった人がいました。入院中にカップルになった彼氏は統合失調症で総理大臣経験者を輩出した家系の方でした。彼女の方は確か統合失調症かうつ病だったと思います。とても才能のある詩人でした。2人は大人の落ち着いた関係ではあったものの、彼氏の方が「彼女の産む能力」を懸念し、結果破局しました。「男がメンタルの薬を飲んでいてもさほど影響はないが、女がその手の薬を飲んでいれば健康な子どもが産めない」と言って。もちろん、その時出会ったすべての女友達から絶縁されてました。ワタシも当然絶縁しました。名家であれば家と家との結婚の傾向が強いので「健康な男子=後継を産む能力」が強く懸念されるとはいえ残念なことだと思いましたね。
バク先生に限りませんが、「産むなと言ってるわけじゃない。ただ熟考しろと言ってる!感情的になるな!現実を見ろ!」と仰る方々には、ワタシたちが人生に一度だけそのような言葉を受けるわけではない現実も見ていただきたいのですよ。
あなたにとっては一生に一度の「よかれ」でしょうけど、ワタシたちにとっては何度もぶつけられるうちの一つでしかないのです。どう受け止めようと、いつかまたぶつけられる無責任な石礫。
どうして、本職の精神科医でありながら、バク氏にはそのことが思い出されなかったんでしょうね。幾度となく、同じような苦しみを吐いた女があなたの患者にもいたはずなのに。
わずかな希望
昔々、最初の仕事の先輩がふとこんなことを言っていました。「ねぇまきちゃん。失敗してもいいから結婚してみなよ。失敗してもいいからさ。失敗した私が言ってんだから間違いないよ。結婚には失敗しちゃったけど、娘産んで良かったと思ってる」と。
お互い深い話をしたわけでも無いので彼女はワタシの疾患のことを知りませんでしたが、しみじみと語るその姿に励まされたことは言うまでもありません。まぁその後ほどなくして精神状態はより悪化して仕事もできないほど狂っていくわけですが。当時19歳の自分にとって、それは希望ある言葉ではありました。結果はこんなことになってしまったけれど。
23歳から28歳になるまでが一番状態が良くなかった時期にあたり、その当時通っていた病院ではイソミタールという中枢神経を抑制する強いお薬を処方されていました。それがないと全く眠れず度々自殺未遂を起こしていました。解離がひどくて触感、痛み、味や、食べ物や飲み物の熱い冷たいなどの温度の感覚もなくなってしまい、生きてる実感を得るために壁に頭を打ちつけたり何度も腕を切りました。それでも痛いと感じられないと不安でたまらなく、自分は欠陥品だという考えから逃れることができませんでした。姐さん姐さんと呼んでくれた友が自死したことで自分の責任を感じていた時期でもありました。
メンタルが落ちているかどうかは身だしなみが整えられるかどうかに如実に現れ、歯を磨く、お風呂に入る、といった日常動作そのものがうまくできなくなる人が多いです。ワタシもそうです。今でも素人が自分の状態を確認するためには有効な指標だと思います。20代中盤から後半に至るまで具体的な行動目標として「歯磨きを習慣化する」を何回も繰り返し繰り返し訓練しました。
幼稚園児みたいに小さなことを必死にやろうとしていた時期で、「20代で産むのがいい」なんて言われても間違いなく妊娠すれば周りは堕胎しろと言ったはずです。そう放言した本人も同じことを言ったことでしょう。そもそもそんな状態では誰かと付き合いやまして性交をすること自体がおよそ現実的ではないと思います。実際無理だったし。
その当時、待合室である女性に話しかけられました。躁うつ病で通院しており、別途心臓病も抱えていると仰り、子どもの話になりました。今思うとワタシを見てなんだか励ましたくなってしまったんじゃないかなと思います。
「産んだのは賭けだった」と仰るその方は、医者からも周りからも難しいからやめとけと言われながらも産むことを選択し、見事健康な女の子を授かり、今も順調に成長していると言いました。
「どうなるかなんて神様でもない限り正確になんかわからない。だからあなたも思い切ってその賭けに飛び込みなさい」と。
きっと今ネットでそんな言葉を投げたら多くの人々に無責任だと批判を喰らうのでしょう。
でもそもそも論なのですが、責任責任責任言いますが、あなたがたにはなんの責任が取れるんですか?産んだ責任も産まなかった責任も、生まれた子どもが健常でなかったとして、その選択の責任を、なぜ外野のあんたらが取れると思ってるんでしょうか?
この点においては、たとえ精神科医のバク氏であってもネット上においてはそこらの過疎垢となんら変わりないはずです。あなたに産む産まないの選択に強い影響を及ぼした責任が取れますか?絶対に、100%、取れないと断言できます。だって自分の患者じゃないですからね。
ワタシがあの方の主治医ならこう言ったかもしれません。
「なに余計なこと言ってくれてんねん。おかげでせっかく安定していたのにまた薬の調整必要になったやんけ。俺の患者や。お前の患者ちゃうやん。ネットで正論吐いて責任も取れへんくせに、せめて黙っとけボケカス!ガチャン!(電話切る音)」
まぁこれくらい言われても当然じゃないですかね。あるいは、
「まぁねぇ。いやー。わかりますよー。本当そうなんですよねぇ。最初から福祉への依存ありきだと制度の維持がねぇ…。とはいえ、うちの患者さんなんでフォローはこっちでしますよ。すみません。バク先生、お手を煩わせてしまったようで。はい。いえいえ。貴重なご意見ありがとうございますー。はいっ、はいっ。ええ。はい。ええ。また宜しくお願いします。はい。失礼しますー(ガチャッ)。やれやれ。ほんっと、余計なことしてくれるわコイツ」
その先生の考え方次第ですし、Xを見る限り精神科医も身体科の先生も欠陥品の精神障害者なんか社会のお荷物としか思ってない方も多そうなので、ワタシにはあなた方の気持ちは分かりません。なんせ今でもシゾとか普通に言うし。
だけど全ての日本の職業の中で最も自殺率が高いのは医師です。あなたがたとワタシたちはそれほど違ってないかもしれませんよ?
ただ当事者の1人として言えば、まだ産める年齢だった時に、見ず知らずの精神科医にいきなりネットでプロであるという事実と正論で殴られたら普通に自殺未遂起こしてたと思います。それくらい、重たい連投でした。その後のフォロー一切ないのにアレは酷い。
バク氏が自覚なく踏み込んでしまった危険な領域。前から思ってたこと
きっとあなたは衝動的に、良かれと思って書いちゃったんでしょうね。でも、精神科医は精神疾患に関してはプロですから、ご自覚あるかは分かりませんが一般には権威ある存在です。
そのあなたが、自分がその発言の影響の面倒を見るわけでもない1人の当事者に、直接自分の意見をぶつけたことの軽率さを、軽い「すみません」の一言でどうにかなると思うのなら、あまりにも思慮に欠けると言わざるを得ません。
反省しろとはいいません。ポストを今更消したところでどうにもならない。あなたの本心であり、また現実的に疑いない「正しさ」ではある。社会全体の秩序を守るためのね。だけど、あなたはもう2度と、自分の手のひらにない、自分の患者ではない人に、正論をぶつけて良い気分になるのはやめていただきたい。
ワタシは相模原障害者施設殺傷事件が起きた時に、精神科医の香山リカが診察を経ずにテレビ等のメディアやSNSに犯人像について色々と自説を語ったことを精神科医として最低の行為であると断じた人間です。
その評価、とくに、大麻精神病であるとの判断は結果からいえば正しかったと言えますが、やはり精神科医がただの素人ではなく、特に措置入院経験のある「患者でもあった犯人」について、自ら直接の診察を経ずに色々と断定的に話すのはそもそもが医師としての倫理観に欠けていると思います。
本件も全く同様で、バク氏が自らの診察を経ずに断定的に次々と、相手の心にその言葉を受け入れる態勢が整っているかどうかも確認せずに正論をぶつけていくのは、たとえ「妊娠出産を否定するものではない」と後付けで追記しても、あまり効果はないと思います→こちら
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つーか、ワタシは医師という職業を敬愛しておりますのでいちいちこんなことは言いたくないのですが、以前キャス配信聞いた時から思ってたんですけど、あなたは割と他者依存的で、バウンダリーも薄いのではないでしょうかね。発達ちゃん同士、その点はすごく共感するのですが。相手の領域に土足で踏み込んでるのに気づかず連投したのは、既に通院歴が四半世紀を過ぎたキチガイババァのワタシとしては「え。それって精神科医としてレベル低くね?」と疑問に思いました。
啓発のつもりなら、後日、発言者が誰かを伏せた形で、あくまで一般論として書けばそれで済んだ話だったのではないですか?あなたのことを「優しい」と弁護してくれる意見があるのも見ましたが、1人の当事者としては、「なにこいつ勘違いしてやがるんだろ?責任負わないくせに」としか思えませんでした。せいぜい彼女があまり落ち込まずに主治医のフォローを早急に受けられるようこっそり祈っとけと思ってます。
あなたが診ているのでもない方の人生にかなり大きな影響を与えかねない言葉をぶつけたことの自覚もないなら、精神科医なんかやめた方がいいと思います。あ、もちろんただの感想なので従っていただく必要はありません。ですが、あなたみたいな人を見たことがあります。何時間も患者に向き合ってるつもりで不適切に依存させた挙句、自ら逆転移して何人もの患者を抱えきれずに投げ出した先生でした。ワタシのかつての主治医ですが。
まずご自身の問題を片付けてはいかがでしょうか?ADHDとのことですが、日頃相手の気持ちも考えずに衝動で正論ぶつけて、後で後悔することありませんか?
これは他の方にも思うのですが、SNSでわざわざ医師であることを表明する意味ってなんでしょうね?ほんとのところ、医師である自分を尊重して欲しいという気持ちありませんか?
どんな理由でSNSやってもいいと思いますよ。中には離婚でメンタルすっかり落ち込みTwitterに逃げたことで回復して元気にやってる病理医の先生もいますからSNSが生きる糧になる人もいらっしゃるでしょうね。だけどここではあなたもただの匿名のネットユーザーであって、看板振りかざせば上げ膳据え膳で大事にされるわけじゃないんですよ。そういうのは現実の論文とかでやってください。
最近よく見かける健康な子どもを産めないなら産むなという神でなけりゃわかりもしない無理筋の要求をする一般人について
他者の自己決定権に土足で踏み込んでも責任は取れもしないけど、限られたリソース=税金を「生きる価値がない」とあなたが思う障害者や障害児に使ってほしくないためにのためにそう仰るんでしょうか?と思ってしまうような稚拙な意見がここのところ歯止め効かなくなってんな。ってくらいよく見かけるようになりました。
障害児を産むこと、または、養育者が病気等で養育の義務を果たせないことは、憲法第13条に規定する「公共の福祉」に反するのでしょうか。まぁ大体この辺に反論している人はいません。それらの1人ではどうしようもない問題を社会全体で支えることこそが公共の福祉なので。
ちなみにYESと思った方、あなたのその考えは植松聖と同じ考えであり、ナチスドイツと同じ考えであり、全ての政党で全会一致した優生保護法と同じ考えであることはお伝えしておきますね。
そういえば最近、こんな議論がXで話題になりました。知的障害のある女性が自分を介護するために子どもを産んだというような文脈で、色々と意見が飛び交っていたのはワタシも見ていました。大抵が否定的な意見であり、あっけらかんと子を自分の世話役にしてもいいと思っているその人を見て子どもが不幸だなとワタシも思いました。日本では厳密には絶縁する手段がないのでね。
また以前から当事者と当事者親とは必ずしも意見が一致しないと考えているのですが、重度知的障害のある子を抱える親御さんが日々の苦労から優生保護法を復活して欲しいと発言しているのもたまに見かけます。
「そりゃそうだよな」と思うことも多いです。行動障害がガッツリ出てる子どもさんが隣に住んでいたのでよくわかります。先生の指を折るのも一度や二度ならず、付近の店のドアを破壊し、お母さんの両腕に真っ青な噛みつき跡が多数あるのを見た時はさすがに「この子は生まれてきた意味があったんだろうか?」と考えざるを得ませんでした。
でも、社会全体がそうした意見に飲み込まれていくのは正直言って怖いなと思います。自分は知的な障害こそありませんでしたが、79年生まれで80年代は極小数とはいえ優生保護法による強制不妊手術がまだ行われていました。なお、そのほとんどの犠牲者は女性で全体の70%ほどだと言われています。つまり生まれるのが10年早ければ発語より行動のほうが目立った幼少期のワタシもその対象でなかったとは言い切れないと思うのです。
ワタシは先に書いたように被虐待サバイバーでもあるため、日頃虐待事件においてはDV野郎と一緒に虐待に加担していた母親ばかり擁護するフェミに対して全く共感できません。「凍りつき」がどうのとか、「DV受けてて反抗できなかった」とか、それぞれ心理的な用語も用いて擁護しているわけですが、死んだ子どもの味方が誰もいなかった現実に目を向けるフェミがもう少し増えてもいいんじゃないの!?くらいには思っています。
死んだ子は誰にも守られなかったから死んだのです。
そのことを思えば「虐待するなら産むな」は正しいと思います。でも待って。ほとんどの虐待親は精神科や心療内科の通院歴がないんですよ。
これについては防衛医科大学校(当時。現在は民間の病院にお勤めの模様)の佐野信也先生が講演会でたびたび言われているようで、ネットで読める講演録もあるのでぜひ読んでみて欲しいです→こちら
虐待発覚時点では未治療の方は多くいらっしゃる。そうした方をどうやって治療につなげ複合的にサポートするか述べられています。
「支援ありきだと困る!(だけど産むなとは私は言ってないもん!熟考しろって言っただけだもん!)」なバク先生にもぜひご覧いただきたいですね‼️
むしろさまざまな支援がなければ虐待死は防げない。
「病気について言っただけだ!」との反論も想定しますが、そもそも1人で子育てできる人ってどれだけいんの?誰にも頼らず保育園や幼稚園や学童も塾も学校も習い事の先生も頼らずに育児できるスーパーサイヤ人っているの?
佐野氏は私見では養育者には神経症圏の方が多いと仰られている。心中による虐待死には精神科通院歴のある方が多い。というのは、実際に調べてわかっていることです。
まとめてみると、「精神科診断無し群」では「診断あり群」より、嗜癖的、依存症的、攻撃的、衝動的で感情不安定であり、養育能力が低いということです。先ほどの表と合わせてみますと、虐待で子どもを殺害してしまった人を調べると、精神科診断なし、精神科に通ったことがないという人の方がリスクが高いということです。これだけから言えば、精神科診断がある、すでに治療に通っている人は、むしろリスクが低い。これは実感と一致します。
-保健師、ソーシャル・ワーカーによる精神療法的接近-
防衛医科大学校 心理学科 教授 佐野 信也(2015)
ねえ、どうしてわたしだけ産んじゃいけないの?
ワタシは自分自身の経験を通して、今の日本には優生保護法はないけれど、社会的な圧力としての去勢はあるなと感じています。「社会的去勢」ととりあえず呼んでいますが、先人の例を見る限り、その言葉は別の用途で使われることが多そうです。
こうした気配は明らかに強まっているとも感じています。以前ならネット上でも大っぴらに議論されるのは憚られたと思いますが、現在では簡単に、より社会性が露出するSNSで、他人の自己決定権に介入しようとする輩が増えてしまった。
出生・生殖を巡ってはよく中ピ連の話が出てくるけれど、そんなに難しくフェミフェミする必要もなく、いやむしろ、フェミニストを名乗る者、あるいは女性の権利至上主義者とでもいうべき人々こそ、他人のそれに介入したがるのは本末転倒としか思えないわけですが。
ひとまず多くの人々が他人の生殖に小姑のように文句を言いたがるようになった背景には、コロナ禍で先が見えなくなったとか、GDP成長率がほとんど上がらない、給与が上がらない、そのくせ物価も税金も高い等の自分自身の生活不安が往々にしてあるのではないかと思うのです。
自分はこんなに苦しんでいるのに、どうして女ばかり、どうして男ばかり、どうして外国人ばかり…その「ズルい」の一つに、どうして障害者ばかり、もあるのが実際の意見として散見されている以上、暗数はより多いものと思っておくのが自然でしょう。
でも、どうして出生を厳密に管理などできるんでしょうか?100%健常児しか産まない約束は誰にもできないのに。たとえ健康で若い男女の間にも。
ワタシは時々思うんです。どうしてワタシだけ産んではいけなかったの?って。でもワタシに吐き捨てた人たちの誰1人として、その質問には答えてくれませんでした。結局は「お前が自分で決めたんだろ?」で終わりなのです。だから、そんなもの、受け入れなくていい。
ワタシより若い女性たちが同じ言葉をぶつけられているのを見るたびに思うことがあります。ワタシはこの言葉を許してはいけないなって。許してしまえば、まだ回復できる、まだ産める、まだ成長できる、そしてそれを望んでいる人々を社会的圧力で去勢することに加担してしまうなって。
誰かの苦しみを否定しても、あなたの苦しみがなくなるわけじゃないんですよ。それは公的扶助や社会福祉とは相反する考え方なのです。もちろん今回は女性の話ばかりになってしまったけれど男性にだって言えることですよね。
本当にそのアドバイスがユキさんに必要なのか、実はバク氏はなんの確認もせずにあの連投をしていると思われます。もしかしたら、主治医から同様の話を聞いた後で、それでも「やっぱり」と思っていたのかもしれないのに。
彼は直接、しかも多くを語るのではなく、まずは「主治医に相談されましたか?まだなら薬の調整もあるし、なるべく早めに相談してみてはいかがですか?」くらいでサッサと実際に診察にあたり処方もしているであろう主治医に話を振るべきでした。正論と看板でカバーしようとあなたのしたことは非常に無責任なことです。「精神科医として本当に正しいこと言ってんだから何も間違ってない」と思うなら、それはあなたに人の心がなんもわかってないってことしか証明しません。
繰り返しになりますが、あなたはもう2度と、自分の手のひらにない、自分の患者ではない人に、正論をぶつけて良い気分になるのはやめていただきたい。彼女には彼女のペースがあり、見知らぬ医者を名乗る男にズカズカと踏み込まれるなんの理由もありません。
言いたいなら一般論として別な時に名前を伏せて言え。約9万人のフォロワーを持つドラマの医療監修を行う自分の発言が時に凶器になる自覚を持ってください。
石女の気狂いメンヘラクソババアからは以上です。みなさまご清聴ありがとうございました。
※サムネイルの花
ツワブキ(石蕗) 黄色い花を咲かせるキク科の常緑多年草だそうです。花言葉は「困難に負けない」