【後編】仁藤夢乃の炎上劇その②:温泉むすめ リアルに有馬に行って現地調査してみた(ヒアリングもあるよ!)
おわびとおねがい
毎年この時期は繁忙期で後編までに間が空いてしまってごめんなさい。なんだか新年早々波乱の幕開けで既に人々の関心も薄れたのかもしれないですが、しかし、キッチリ書ききりますね。
前編はこちら
前編で頂いた反応の多くは好意的なものでした。感謝します。
一方で前編の記事を「害悪エロコンテンツの擁護」と判断された方もいらっしゃったようです。本当にお読みになってのご批評なのかはツイート本文からは断定できませんでしたが。
この記事は前編も後編も現地に行って、ヒアリングを行い、自分が見たこと、聞いたこと、そしてそこにどのように自分が感じたのか。そういう内容です。
良いと思うか悪いと思うかは勝手に判断してくださって結構ですが、現地のお店様に嫌がらせをするような行為はどちら様もお止めくださいますよう心よりお願い申し上げます。
ワタシはこの記事を通して、実際にお話を伺ったお店様の存在を知った皆様が、温泉むすめに対してどのようなスタンスであったとしても、
おいしいご飯を食べていただいたり、
すてきなお土産を購入してただけたり、
そこにある文化を知ってもらえたり、
など、地域が活性化することが一番いいなと思っています。
これをエンパワーメントといいます。
温泉むすめは本来エンパワーメントを目的とするコンテンツというのがワタシの認識です。
混雑する店内で垣間見た光景
さて、前編に引き続いての温泉むすめの目撃スポットは「和菓子工坊ありま」さんです。店頭ではかりんとうや温泉まんじゅうを、中では炭酸せんべいも販売しています。実は後に紹介する三ツ森さんの別店舗です。
【和菓子工坊ありま】
住所:兵庫県神戸市北区有馬町1198
電話番号:078-903-1995
営業時間:09:00 AM – 18:00 PM
店内コミコミだったので、お客様にはぼかしをいれました。一応撮影には一声かけております。(感染者数も少なかった)
手前に子どもちゃんがいるので、子どもちゃんは更に重ねてぼかしをいれました。ここだけ切り抜いて削除することもできましたが、それはそれで事実の隠蔽や改ざんにあたるでしょう。
この状態でも充分肌の色からわかると思いますが、顔と身体の向きは温泉むすめに向けられています。じーっと見てましたね。泣き出したり怒ったりショックを受けているのではなく、普通に「なんだろな?あれ」くらいの表情でした。
客足が途切れなかったため(いいことだ!)こちらのお店様でのお話は伺えていません。
右側奥に製造工場があり、その手前に商品が陳列されています。こんな感じ。製造工程みたいですねー。こういうの大好き。
この手前の右側には柱がありその奥に休憩スペースがあるのです。これがなかなか良くてですね。というのは坂道を上り下りするのでちょっとした休憩ができるのはとっても有り難いのですね。
女性客、子どもさんも普通にいました。ベビーカーには赤ちゃんも。当たり前ですが誰一人温泉むすめを避けていたり、眉をひそめるなどの様子はありませんでした。ちなみにこの商品棚上の右側はハガキみたいです。変形ハガキってもらったことないので今度誰かに送ってみようかな。
もっと言えばあまりにも店内レイアウトになじんでいるので、あんまり意識もされていなかったのではないでしょうか。
前編で触れたようにヒアリングなどを重ねて掲示方法等を模索したという証言もありました。温泉娘Ver以外の炭酸せんべいも陳列されているのですが、他の商品と一緒に並べても違和感が出ないようなパッケージングになっているのも、そうした努力の賜物なのかもしれません。
インタビューその2:竹中肉店さん
さて、前編でお話を伺いましたSABOR(サボール)さんの他にも地元のお店の方にお話を伺うことができました。全員が女性店員さんです。
そのうちのお2人からお話を伺えたのが竹中肉店さん。
以前はビニールシートで囲ってある、外でやってる居酒屋さん?みたいな感じだったのだけど、今はきれいな建物ができて、中のイートインスペースに有馬の温むすちゃん2人がいます。
見てくださいね。これがお店の外からの様子です。ね。ちゃんと温むすちゃんたちはお店の中にいるでしょ?
※余談ですが、ワタシはこの2人の温むすちゃんの名前をいちいち調べないと言えない程度には温むすをわかっていません。でもそれくらいのスタンスの人間がこの記事を書くことに意義があると思いますので気にしませんが。
撮影許可はばっちり頂いております。
店内にはご覧のように普通に女性客もいますね。
こちらのパネルの奥にはカレーが並んでいます。
もう少し寄りましょう。
こんな感じで等身大かな?特大パネルがあり、その奥にカレーが陳列されています。
もちろん買いましたよ!
ここはいつもこんな感じです。
右にずらっと人が並んでいましたが、カレーを購入したころには丁度お客さんが途切れていたので少しだけお話が伺えました。ご協力ありがとう!
我「炎上は知ってる?」
店員A「もちろん知ってますー」
我「影響ありました?」
店員A「全くないですっ(2021年12月初旬当時)」
店員A「実際影響はないので気にせず遊びに来てほしいです」
まぁそうだよね。うん。
なにせ人気店ですからすぐにまた列になったら困るだろうと思い、早々に引き上げようとお礼を言ってお店を出るとき耳にしたのがこちら。
店員B「炎上って何?」
店員A「最近なんかウマ娘とか温むすなんかを性的だとかいって叩いている人たちがTwitterにいて・・・」
店員B「あー」
一切ワタシからは「こんなんでーあんなんでー」などという説明はしておりません。店員Aさんはすらすら起きたことを説明していたので、炎上はリアルタイムでよくご存じのようでした。てか、あなたウマ娘もわかるのですね。ワタシはウマ娘と温泉むすめをよく間違えます。
何かの行き違いで妙な言いがかりをつけられて炎上しているというのが店員さんの理解と説明でした。相手がフェミニストだとか学者だとかいうことまではご存じないようでしたが補足はせずそのままお店を後にしました。
店員A&B「ありがとうございましたー」
我「こちらこそありがとうございました。また来ますっ!」
こちらの竹中肉店さんはワタシが有馬温泉に来たら必ず立ち寄るお店です。初めて来たときにもこちらのコロッケを食べました。
その日は本当に寒くて、みぞれが降っていたんだったかな。寒かったから何か暖かいモノを食べたくて、当時は豚汁みたいなものもあったんじゃなかったかな。記憶違いならごめんなさい。ただとても暖まったのを覚えています。
そのことを覚えていて次の年も次の次の年もという感じで今に至ります。いつのまにかきれいな建物になって昭和ノスタルジーな思い出は遠くなりましたが、それでも好きなお店さんです。
こちらの揚げたてさくさくのコロッケは有馬温泉の名物となっています。食べ歩きグルメの定番です。有馬温泉に来られた際には是非見逃さずに召し上がってくださいね。
【竹中肉店】
住所:兵庫県神戸市北区有馬町813
電話番号:078-904-0293
営業時間:10:00 AM – 17:30 PM
目撃近くのこんなポスター
行った道を引き返す際に、ようやく街中に掲示された温泉むすめポスターを見かけました。白飛びしていて恐縮ですが写真の全体をよく見てください。
すぐ近くに「子ども100番」やトイレの位置を示す表示など、他の有益な情報も目に入るように配置されています。
掲示位置もかなり低めに貼ってあることで、関心のある人にだけ目に留まり、関心のないに人は気にならないようになっているのです。
単純な排除ではないゾーニングの仕方をこのポスターの掲示方法は教えてくれます。デザインやる上でめちゃくちゃ勉強になりました。
そうですね。考えてもみれば目の前から取り除き、あるいはパーテーションで区切るだけがゾーニングではないです。人の認知や行動を活かしたゾーニングだってあるはずでした。ちょっと目から鱗でしたね。
聖地巡礼の意味がわかったインタビューその3:三ツ森本店さん
そして、こちらが三ツ森本店さん。炭酸せんべいのお店さんですが、おまんじゅうなども販売されています。
こちらでも店員さんにお話を伺えました。その前に。
お店に入って遭遇した彼女。
一カ所をすんごい見ているさっきとは別の女の子がいます。
一体何を見ているのかしらん?と思った視線の先を見るとずらーっと並んだキーホルダーを見ているのです。まさにガン見。
「?」と思った光景がありました。これです。
なぜか我が地元北海道(でっかいどうなので)の層雲峡ちゃんがいる。
「あれ?有馬には層雲峡ないよね?なんでだろう?」と思ってたのですが、この原因が後に判明します。
この子はめっちゃ一個ずつ一個ずつ見ていました。(下記はまだ見ている女の子。外の人が動いていたり、本人の足の形から時間が経過していることが分かるはず)
遠巻きに後ろから覗いてみたのですが、「あれ?なんか見たことない女の子もいるぞ?」
この時点ではワタシはこれがなんでここにあるのかを知りません。
「彼女もそれぞれの温むすちゃんの違いは気になるのかしら?」なんて考えましたが、さすがに声はかけませんでした。
どのあたりに注目したのかは気になります。特に不快感のあるような表情ではなく(当然)、純粋に興味を持っているようでした。
「キーホルダーは販売してるんですか?」と店員さんに訊いたところ、「販売はしていないんです」との答えが。
裏側の奥にいた店員Xさんが教えてくれました。
店員X「これはファンの方が持ってきてくださって、ここに飾っていってくださるんです」
我(心の声)「え。マジ?それ本当に聖地巡礼じゃん」
聖地巡礼っていう表現ってもっとまじめなモノだと思ってる人まだまだ多いと思うんですが、ワタシの脳内にはエルサレムやポタラ宮殿だとかそういうものが思い浮かばれました。
やっべぇなほんまに聖地巡礼なら確かにキーホルダーを「奉納する」感覚はめちゃくちゃわかってしまう。
おそらくここに来ると全部見られるのかな?どうなんでしょう?
さながら三十三間堂だ。そうかこのキーホルダー群は現代の三十三間堂か!?
我々観光行っても多くの人はあの仏像の一体一体にまで関心を持たないでしょう。でもその一体一体がいつ誰によって掘られたどんな仏さんなのかまで関心を持ってしまうのがオタクということなのかもしれない。なんだよそれなら昔からいるじゃん。オタク。
オタクの生き様をちょっとだけ理解した気がする、まきまきです。
もちろんこちらの店員さんたちも「炎上による影響はない(2021年12月初旬当時)」とのお話でした。
この棚の上の段には温むすパッケージの炭酸せんべいがあります。
さっき街中でみたポスターもありました。こちらはサイン入りですね。等身大パネルちゃんにもサインが入っていました。
入り口近くに設置のこちらのパネル。限定で配られたカードを口に近づけたら喋るらしいのですが、どうやらちょっと不調らしいです。
「あーこの子は今は喋らないんです」って帰り際に伺った店員さんが言ってらしたのがなんだか妙に面白かったです。意志があって喋らないみたいに聞こえてね。
【三ツ森本店】
住所:兵庫県神戸市北区有馬町290-1
電話番号:078-903-0101
営業時間:08:00 AM – 19:00 PM
全体を通してみたまとめ。多様なゾーニング
前後編2回でお伝えしましたが、この通り温泉むすめのことは「知る人ぞ知る」って感じです。興味ない人には普通に素通りしちゃうかも。逆に興味ある人は「どこにおるんやろな」と探す楽しみがある。
ご指摘にあたるような「エロ設定なんだ。それを公衆に晒すのがいけないんだー」なーんていうそんな展示のされ方は全くされていませんでした。
全体的に見て女性客は多いです。2月にコスプレイベントあると言いましたが、実は我々有馬温泉は毎年行っておりまして。秋冬は繁忙期なので2~3月に行くことが多いのですね。
それを聴いて記憶を辿りましたが確かに数年前に遭遇していますね。コスプレ好きそうな女の子に。ファンはいると思うし、その日も「ぽか女将(温泉むすめの女性ファン)」も来ていると思いますが、当たり前のことながらイベントの日でもないのにコスプレしてふらついているなんてこともなかったです。
もちろん当時の展示の仕方が派手だったということもないです。
毎年来ている自分でも印象に残っていませんでしたので。
果たして最初に燃やした人は【本当に街を歩いたのでしょうか】
ワタシら毎年来てるのでね。信ぴょう性は断然自分の方があると思います。それにこうやって現地調査しましたからね。
確かに温泉むすめの炭酸せんべいの写真を撮っている今時の男の子も見かけましたよ。特に誰も問題視してません。当たり前ですが。
見ての通り、興味深く長時間じっと見つめているのはワタシの遭遇した限りどちらも女児でした。周りの大人が止める気配もなく、そして実際気にもならないほど無害でした。
「そんなん俺はみたことはない」
「見たことないんだからそんなに人気ないんじゃないのか」
そんな意見もTwitterで目にしました。
でもこれが計算された配慮された掲示方法であるならば、それは偶然でもなんでもなくて、ご当地の皆さんとコンテンツ製作者の皆さんの努力の表れですよね?違いますか?
最初から気に入らないと思う人の目に刺さる必要はないのです。
人の目は興味のあるモノをよく見つけやすいという性質があります。逆に興味がないものにはそれは目に映ってもそれと認識されないんですね。
キャラクターのパネルもちょっと店の奥にあって「お邪魔します」と店内に入らないと見られない。
写真だけ撮って帰るのも忍びないし、元よりファンだから何かしら貢献したい。となれば商品にも手が届くでしょう。
温泉むすめに限らず、そうやってオタクの皆さんは売上に貢献をしてきました。買い支え、コンテンツの継続をサポートしてきました。
商業主義といわれればそれまでですが、しかし、資本主義のルールに乗っ取って、彼らは愛すべきコンテンツを守っているのです。
もちろんマナーのわからない人(通称「やっかい」)もいますが、一部の人間をしてオタク全体をバッシングするのはあまりにも主語が大きく集団心理に流されすぎではないでしょうか。
外に出すものは小さく。あるいは目立たない貼り方で。色味は控えめに。街中の景観に合わせた背景のイラストは実際の店舗をモチーフに描かれています。実在のお店を背景にしているだけあり違和感も限りなく薄い。
コンテンツの製作者側も、コンテンツを受け入れる地元温泉街も、双方の努力で今のやり方を作り上げてきたのだなということがひしひしと感じられます。
批判する人たちは実際に来て実際に調査をしてみればいいのです。そこだけが目立って主張することはなかったということが自分の目で見てわかることでしょう。
「観光庁とのタイアップがどーの」と仰る方々はこのコロナ禍に喘ぐ地域の皆様になにかご貢献なさったのでしょうか。
仁藤夢乃が(熱海温泉に)現れた!
熱海温泉に仁藤夢乃が立ち寄ったことが問題になりました。
これについての所感は「別にいいんではないかい?」です。
そこであの方がいつものような振る舞いで地元のお店に迷惑をかけることをしたのなら厳重に注意されるべきでしょう。
しかし、我々には内心の自由があります。
同様に仁藤夢乃にも内心の自由があります。
そしてこの国は一応は資本主義と民主主義のルールに基づいた社会運営がなされています。彼女は特別のサービスを受けたわけでもなく、資本主義に守られて、単に自分が払った分のサービスを受けただけに過ぎないのです。
どうやら仁藤氏は現地調査も行わず、もちろん温泉むすめへのご不満を垂れ流すこともなく、楽しく花火を見てさっさと帰ったようです。いいんじゃありませんか?
ちょっと調べれば彼女の燃やしたい欲望を満たせるネタなんていくらでもありますがね。温泉街の歴史を知らないのでしょう。そこに生きる訳ありな女のことも。
ワタシの母も最初の結婚が上手くいかず同腹の姉を半ば産み棄てるようにして婚家を出た後、ある他市の温泉街でしばらく仲居をしていたと聞きます。
事情がある女性でも根堀り葉堀り身上を探られることもなく働くことができた。それが温泉街の一側面でもありました。
前編でご紹介した有馬芸妓は堂々とそのルーツを湯女であるとアピールしています。なぜでしょう。それは有馬芸妓が全国のそれと違い、当時の国家権力である豊臣秀吉、徳川家康、秀忠、家光までの間、禄高(公務員の給料に当たる)を与えられた実に希有な存在だったからです。
有馬の湯女は、名誉ある女の仕事であり、全国に先駆けた自立した女たちでもありました。
そうしたことをおそらくあの日温泉むすめを叩いた人たちは今も知らずにいることでしょう。前結びの帯を結んだキャラクターが何を意味しているかも。
冒頭で、温泉むすめは本来エンパワーメントを目的とするコンテンツというのがワタシの認識です。と語りました。
地元の方がどうすればこの苦境を乗り越えられるのか。
そのことを考えれば同じ土俵に乗る必要さえないとわかるでしょう。
表現の自由を守りたいという人は正々堂々としたカタチで表現の自由を守ればよろしい。
温泉むすめを守りたい人は、改めて温泉むすめの良いところ、その価値をアピールしていきましょう。
このコロナ禍を乗り越えるのに無駄なエネルギーを使うことは大変もったいないと思います。傷つくことはないのです。だって彼女たちが本当の意味でコンテンツを傷つけることなどできやしないのですから。
あんな浅はかな言いがかりですべてが崩れてしまうほどお手軽なコンテンツ作りも掲示の仕方もしていない。それがワタシのみてきたものです。
また有馬温泉行きますね。そして母との旅行の思い出が懐かしい熱海温泉も。ワタシの地元函館の湯の川温泉もどうぞ皆様よろしく。
そして新型コロナが一日も早く収束すること、罹患された方々のご回復を祈ります。
では。皆さん。これからの一年をよい一年にしていきましょう。
祈りを込めて。
注記
※1 子どもちゃんの特定を避けプライバシーを保護する最大限の配慮は行いました。これ以上どうにかしてくれというのならあなたが画像加工してください。よろしくお願いします。
※2 記事の信憑性そのものに関わりますのでご本人とご家族および地元関係者の方からの画像取り下げ要請以外には応じません。その点もご留意ください。