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NFTゲームのQ
Web3のゲームは他のゲームにない魅力がある一方で、Web2層のユーザーから怪しまれたり、嫌厭される要素もいろいろあると思います。今回は普段からふつうのゲームも嗜んでいる人間からみて実際のところその辺どうなの?みたいな内容です。雑談になりますが興味のある方は暇つぶしに見ていってください。
NFTゲームに対する疑問とその実態
Web3ゲームをやったことのない人がまず不安に感じるのは、以下のようなところではないでしょうか?
参入障壁が高い?
本当に遊んで稼げる?
本当に資産になる?
高額な初期投資が必要?
つ ま ら な い?
Web3にどっぷりの人の意見からだと見えてこない部分もあると思うので、ここからはこれらの疑問について、Web2寄りの立場から主観的意見も交えつつ回答していきます。
参入障壁が高い?
Web2ユーザーが最初にWeb3ゲームに興味を持ったとして、結局プレイせず終わる最大の理由です。Web3のゲームを最大限楽しむためには、仮想通貨とNFTを扱える環境をまず作る必要があります。
仮想通貨には取引所の口座開設、NFTにはウォレットの作成が必要で、この第一歩が大きな壁となってしまっています。ただ実際には、やってみるとどちらも難しいことはなく、少しの時間があれば本当に誰にでもできるようなことです。
この壁が高く見える最大の理由は、カッコつけた横文字の専門用語が羅列され、それを噛み砕くことからはじめないといけないから、コレに尽きると思っています。実際はそれらの用語を理解していなくてもゲームは遊べるので、まずはやってみて、触れていけば自然といろんな意味がわかってくると思います。
とはいえリスクを理解するのは大事ですし、少しでもわかりやすく噛み砕いて解説する場は増やしていかないといけないと感じています。もちろん自身で調べることはなにより大切ですが。
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本当に遊んで稼げる?
まず結論から言うと、稼げると言えるかどうかはゲームにもよりますが、少なくとも仮想通貨で収益を得ることはできます。ただしバイトやるのとどっちが稼げるかといわれれば、ほとんどの場合当然バイトです。そして初期投資している場合、原資を回収できずに終わるリスクもあります。短期的に大きなリターンを得られることはありますが、単純に稼ぎたいだけであれば、素直に仮想通貨投資をしたほうが効率的だと思います。
そもそもNFTゲームに興味を持った人は、多くが遊んで稼げるという「Play to Earn(P2E)」の部分に惹かれてはじめる場合が1番多いのではないでしょうか。確かにP2Eはゲームに新しい価値観を与えた魅力的な要素ではあります。
でもこれって本当にいいとこなんでしょうか。P2Eの概念がもてはやされた結果、ゲーム性ではなく儲かるかどうかが評価基準として定着してしまっていて、もはやゲームというより作業になってしまっているものも多いです。
そして稼げないとわかると大半のプレイヤーはすぐに離れていってしまい、サービスを維持できなくなります。理想は「ゲームを楽しみながらお金も稼げる」だったはずが、投機目的のユーザーが集まり過ぎた結果、後者に寄ったものばかりが注目されるようになってしまっています。
一部のポンジ的詐欺プロジェクトが目立つせいで風評被害を受けている面も少なからずありますが、現実問題今世に出ているWeb3ゲームの多くが「継続的にユーザーも運営もwin-winになれる仕組み」を構築できていないのは事実です。短期で利益を上げることはできても、現状のよくある仕組みではNFTやトークンを買い続けないと価値が維持できず、肝心のトークン価格が安定しません。そのためまったく稼げないとは言いませんが、一部を除きほとんどのWeb3ゲームで継続して「稼ぐ」を実感できるほどの利益を得ることは、今のところ難しいといわざるを得ません。これが短命に終わるWeb3ゲームが多い理由です。
本当に資産になる?
「あなたの手に入れたキャラクターやアイテムが資産になる」これもP2Eと同じくよく謳い文句になっているワードです。これは正確には「ゲーム内のキャラやアイテムが資産価値を持つ可能性がある」くらいに捉えてください。
当たり前の話ですが、そもそも資産価値が付くのはそのキャラやアイテムに価値があると思う人が一定数以上いることが前提なので、ゲーム自体に人気がないとそもそも価値なんて生まれません。もともと価値のないものにどう価値を持たせるかがゲーム開発・運営の方々の手腕が問われる部分です。
新しいWeb3ゲームをプレイするときにまずWeb2ユーザーが考えるべきは、普段プレイしているゲームと比較してそのゲームに課金する価値がありそうかどうかだと思います。普段プレイしているWeb2ゲームよりおもしろそうなら可能性はあります。プロモーションやSNS等の盛り上がりからみて人気が出そうかどうか、運営会社に問題はなさそうかといったところもチェックしておきましょう。
もちろんすでに実績のあるゲームであれば、価値下落のリスクはあるもののある程度この部分は信じても大丈夫です。ただし現在もちゃんと流動性があるのか、活発に売買されているのかは事前に調べておいたほうがいいです。買い手がいなければ当然売れませんからね。またサービスが終了した後もそのゲームのNFTが価値を保ち続けられるかはまた別の問題なので、過信はしないようにしましょう。
中にはしっかりプレイを続けていれば初期投資なしでNFTを手に入れられるものもあるので、挑戦してみる価値はあると思います。
高額な初期投資が必要?
ゲームによっては初期投資不要ではじめられるものもあります。稼ぐことが第一の目的でなければ、最初は無料で遊べるのもからはじめてみて、続けてみようと思えたらNFTを購入してみるといいです。初心者のうちから初期投資の必要なゲームをプレイするのはあまりおすすめできません。
今は基本無料でプレイできる「Free to Play」が当たり前の時代ですが、資金調達のためとはいえリリース前に高額なNFTの購入が必須なゲームも多く、それがWeb2ゲームユーザーを遠ざける要因にもなってしまっています。
他の投資と同じである程度のセオリーはあるものの、素人が安易に参入して稼ぐにはリスクのほうが大きいというのが現実。普段から株式投資や仮想通貨投資をしている人には当たり前の話ですが、投資で大きなリターンを得るには相応の軍資金がなくてはいけません。
そこが大きな罠で、多額の初期投資を求められた結果、ゲームが長続きせずNFT、トークンの価格が下落していき損失を被る人も多く、そこで利益を得ているのはゲーマーではなく投資家としての側面が強い人たちが中心です。Web3ゲームの負の側面についてはこちらでも少し触れていますが、要は「持続可能なエコシステム」を構築することはそれだけ難しいということだと思います。
初期投資として必要なNFTの価格が高すぎることも問題です。利益を得られる可能性があるとはいえ、明らかに投資家、投機筋に向けた価格設定なものが多いです。「稼げる」という謳い文句でリリース前から高額なNFTの購入を煽るのは、Web2ユーザーからするとWeb3ゲームに怪しい印象を抱く原因になります。資金調達の手段として必要なことではありますし、重要な宣伝兼収益源になるのもわかりますが、本当にゲームとして成功させたいならWeb2ユーザーにも興味を持ってもらえるようなプロモーションを行なってほしいところです。
最近は基本無料で手軽にはじめられるものが増えてきているので、まずはゲームに触れてもらうという意味でいい傾向だなとは感じています。
つ ま ら な い?
おもしろさの価値観は人それぞれではありますが、現状客観的にみてゲームとしてはつまらないものが多いのは確かです。そもそもWeb3のゲーム自体がまだまだ黎明期で市場規模もそこまで大きくないので、任天堂やホヨバースの大作レベルを期待するのはさすがに酷です。が、一方で2024年現在明らかにゲーム内容のクオリティーは上がってきており、今後には期待が持てると思います。
ただ今はゲームに限らずおもしろいコンテンツで溢れてるので、よほどの魅力がないとそもそもプレイしてもらえずプレイヤー人口が増えません。P2Eのところでも言いましたが、Web3では「稼ぐ」を重視しすぎた結果、取って付けたような残念な内容のガラパゴスゲームが未だにリリースされ続けています。
これはWeb3ゲームの多くがゲームづくりのノウハウが少ない新しいWeb3企業がリリースしていたり、そもそも法整備が整いきっていないジャンルであるため、上場企業にはリスクが大きくコストもそこまでかけられないということもあります。ハイクオリティで人気の出るWeb3ゲームを生み出すには、まだまだ障害が多いのかもしれません。
ただゲームである以上お金になるかどうかはあくまで付加価値で、まずはおもしろいかどうかが重要であるべきだと思います。つまらない作業に長時間従事させられるなら、それはもう仕事と変わらないですよね。
おもしろいかどうかもわからないリリース前の状態で資金を入れるのはリスクが大きいですが、実際リリースされて人気が出てコミュニティも盛り上がり、どんどん新規が入ってくるとなれば、普通のソシャゲやコンシューマーゲームでは実現しづらいゲーム内資産の取引ができること自体が大きな魅力になります。長く遊んでいるほど価値が高まる仕組みにできれば尚更いいです。これが本来Web3ゲームに求められる新しいゲーム体験じゃないかと個人的には思っています。
そしてこれまで挙げたネガティブな要素のほとんどは、ゲームがおもしろければある程度は解決します。ゲームをやりたい人、ゲーム内で強くなりたい人が増えればそれだけゲーム内の資産に価値が付きますし、プレイヤーの人口が増えていけばトークンの需給のバランスもある程度は改善されていくでしょう。ただし運営側としては、ユーザーに還元しつつ利益を出せる収益源をどう確保していくか、需要をどう維持していくかという課題は残りそうです。結果ゲームとして利益が出しづらくなるというのが根本的な問題かもしれません。ここをどう工夫し克服ていくかは今後のWeb3ゲームのひとつの見どころ?です。
「儲かりそう」ではなく「おもしろそう」で選ぶ
ともあれWeb3ゲームに興味を持ち一歩を踏み出したなら、まずは「儲かりそう」ではなく「おもしろそう」なゲームを探し、それを遊んで応援しましょう。お金が絡む以上、誰かが得をする裏で損をする人もいるというのはWeb3ゲームの世界でも変わりませんし、それを否定するのはナンセンスです。ただあまりにも投機対象としての側面が強くなってしまっているものも多く、ゲーム自体に興味はなくとも投機目的で参入してくる投資家やチーター、某国の業者のオモチャにされ、潰されていくゲームも少なくない印象で、そこがとても残念です。
誤解を恐れずに言えば、個人的にはゲームがおもしろければ稼げなくても問題ないと思ってます。おもしろいゲームであればその対価としてお金を払うのは当たり前のことです(もちろん常識の範囲内での限度はありますが)。実際ゲームはお金を払ってやるものだったし今でも一般的にはそれが当たり前です。実際ソシャゲに金銭的な見返りがなくても、多少の不満はあれどより楽しい体験を得るためにみんな継続的にお金を使っているわけですしね。
本来ゲームで稼げないことで不満が出るとすれば、それはお金を払ってまでつまらない作業に付き合わされた挙句に奪われた時間に対してです。はじめる前から初期投資が必要になるゲームはそれだけで不満の種になるリスクが大きく、だからこそ最近は基本無料ではじめられるWeb3ゲームが増えているのだと思います。
もちろんゲームが成功するためにはおもしろさだけでなく、製作やマーケティングにどのくらいのお金を投じれるかや運営の上手さにも依ります。ただひとつクリーンな形でヒットするタイトルが出れば、その仕組みをロールモデルとして応用することもできるでしょう。そこから続々と新しいNFT/ブロックチェーンゲームが開発される流れができていく可能性もありますし、そうなっていってほしいなと思うわけです。
幸いこれからも数多くのWeb3ゲームのリリースが予定されており、期待値の高いタイトルも複数控えています。みんなが楽しみながらゲームの価値を高めていくことができる、そんなWeb3ゲームがこの日本からもどんどん出てきてほしいですね。
それではまた!