【ファンキルオルタナ】2024年注目の国産NFTゲーム紹介
『ファンキルオルタナ』について
『ファントムオブキル-オルタナティブ・イミテーション-(ファンキルオルタナ)』は累計600万DLされた人気モバイルゲームタイトル『ファントムオブキル』のIPを活用したNFT/ブロックチェーンゲーム。東京ゲームショウ2023にも出展し、事前登録者数は30万人を突破するなどWeb3界隈では注目度の高かった作品です。2024年4月現在、リリースから約1ヶ月が経過したということで、実際のところどうだったのか、そしてNFT化のために投資するべきなのかについてみていきたいと思います。
基本情報
運営会社
株式会社gumiは東京に拠点を置く、モバイルオンラインゲーム事業とブロックチェーン等事業を展開する企業です。資本金は13,080百万円(2023年4月末時点)。
人気タイトルを複数持っていますが、NFTゲームとしては昨年リリース予定だった『ブレイブフロンティアバーサス』を延期。さらにはWeb2でも『サクライグノラムス』の超速サ終や、それを受けて嫌気された最新作『アスタータタリクス』の売上不振と最近は良いところがなく、決算は赤字転落し株価も下落傾向と向かい風が続いています。
売上
以下2024年4月のiOS&Androidでのランキング推移。
特にiOSでの初動売上は23位と期待値の高さが伺えるスタートでした。国産NFTゲームとしては大成功といっていいレベルです。待機していたWeb3勢も相当数いたということでしょう。その後早々に人気IP「TIGER&BUNNY2」とのコラボがあり、Androidではそのあたりから順位が上がっていったようです。ただしそこからかなりの勢いで右肩下がりなのは気になりますね。
とはいえ本作はキャラクターを前作から流用しており、ゲーム内容からしてもコストは抑えられていそうなので、利益はかなり出ているのではないかと思われます。4月に入ってからの上昇はGENESISガチャ(後述)実装の影響でしょうか。
こちらは仮想通貨HIMEのリリース後のチャート。後で簡単に触れますが、このゲームで扱う独自トークンになります。リリース後から2024/3/20前後まではなんとか1HIME=0.01ドル(現在の為替で1.5円程度)台を保っていましたが、それ以降下落が止まらず4/6時点で0.006ドル台となっています。トークンの価格はEarn力に大きく影響するので、この点は大きな不安材料といえます。
ゲーム内容
短時間でも手軽に遊べる放置系RPG
ジャンルとしては今流行りの放置系RPGで、戦闘はオートプレイ、ステージ探索によりアイテムを獲得しキャラクターを育成していきます。ゲームをプレイしていない間も自動で探索が行われ報酬を獲得することができます。育てたキャラクターでイベントに挑戦し、より上位の報酬獲得を目指すというのが主なゲームの流れになります。
ただストーリーはほぼなく、戦闘中の演出も地味なのでプレイ中のワクワク感もあまりありません。というかほぼ全部スキップできるので、あくまで効率を重視した作りになっています。なんだかんだWeb2で実績のある企業からのリリースだったのでゲーム内容自体にも期待していたのですが、個人的には少し物足りなく感じました。
ただこの手の放置ゲーはゲームシステム自体が確立されているので、そういう意味でのゲームとしてのおもしろさはある程度保証されています。Web2視点からみるか、Web3視点からみるかで評価がかなり変わってくるゲームだと思います。Web2ユーザーからすればゲームとしては一昔前のクオリティというのが正直なところなので、あとはキャラクター(イラストはすごくいい)の魅力とPlay to Earn要素に価値を見出せるかどうかになります。
稼ぐにはキル姫の「Earn解放」が必要
ゲーム内で入手したキャラクター(キル姫)は「Earn解放(NFT化)」することができます。ただし今のところ課金は必須で、1キャラにつき1万円相当の課金石(姫希石5,000個)を購入する必要があります。
この1万円という単価が妥当なのかどうかについては賛否あると思います。ひとつの指標代わりとして「MoneyGeek」で20代〜50代の1,000人を対象に行われた調査結果を参考にしてみると、ゲーム課金は月額平均2,337円とのこと。ただ1ヶ月の課金額が1万円を超えたことがあるのは全体の46%なので、ゲーム自体に魅力を感じなおかつ稼げる可能性があるのであれば、決して無理のある金額設定ではないのかもしれません。
そしてEarn解放したキャラクターは「Earn編成」に組み込むことでゲーム内通貨「姫札」を獲得できるようになります。この姫札はウォレット(メタマスク)を公式サイトと連携することでトークン(仮想通貨HIME)に変換できます。さらに分散型取引所(Uniswap)を利用することでHIMEを他のトークン(MATICなど)に変換し、国内取引所を経由して法定通貨に変えることができます。
例によってEarnで得た報酬を現金化するにはそれなりの手間が必要になります。Web3に慣れていない人にはハードルが高く感じられるかもしれません。ただUniswapはDEXと呼ばれる分散型取引所なので口座開設が不要で、アクセスするだけですぐに利用できます。日本語にも対応しているので初心者の方でも安心です。メタマスクの作成と国内取引所の口座開設さえできていればあとは慣れですね。
またEarn解放によってNFT化したユニットは、スカウトボードというゲーム内マーケットで取引できるようになります。ゲーム内で楽しむだけであればこの機能を利用することになります。さらにメタマスクなどの外部ウォレットに送れば、ゲーム外のマーケットで売買することもできるようになります。
ゲーム内通貨が複数あって少しややこしいので、まとめると以下のようになります。
姫石…ゲームプレイ、課金で入手。仮想通貨「HIME」で購入可能。
姫希石…課金で入手。Earn解放(NFT化)やEarn Lvを上げるのに必要。
姫札…仮想通貨「HIME」に交換可能。1姫札=1HIME(手数料除く)。
ちなみにゲームの進捗にもよりますが、現在のところ通常のNFT1体(Earn Lv1)で1日約50姫札前後獲得できるようです。原資回収にどの程度かかるのかはトークンのレートにも左右されますが、気になる方は各々のプレイ状況に合わせて参考にしてみてください。
GENESISユニットガチャの実装
2024/4/1(月)19:00〜4/6(土)18:59までの期間限定で、リリース後初のGENESISユニットガチャが実装されました。排出される可能性のあるGENESISキャラクターはEarn編成に組み込むことで、姫札の獲得上限を大幅にアップ(Earnボーナス1.5倍)することができます。このガチャを引くには姫希石が必要で、さらに全ワールド共通の排出上限があり、日毎に10体の合計50体が上限とのこと。
これはなかなかエグいですね。パブリックセールでの販売ではなく完全なゲーム内ガチャなので希少価値も相当高くなりますが、一体どれだけ課金すれば入手できるんでしょうか…。実際ガチャはかなり回ってるみたいなので、廃課金勢なのか投機筋の方なのかわかりませんが、幸運にも入手できたユーザーのためにも、ぜひ長く運営を続けてもらいたいところです。
まとめ
『ファンキルオルタナ』はNFT要素が必須ではないので、ふつうのアプリゲームとしても遊べるのは強みです。難しい操作が求められたり、長時間張りついてプレイする必要もないので、誰でも気軽にはじめられます。今の時代スマホゲーム自体が飽和状態なので、日課が軽めでスキマ時間に遊べるほうが新規で入りやすいですしね。
ただWeb2からWeb3への導線として機能するかというと、今のままの仕様では厳しい印象です。現状は課金が必須なうえ、Earnを重視するあまりPlay部分がややおざなりに感じられてしまい、もともとNFTゲームに興味のない層に参入を期待するのは難しいかもしれません。
そしてNFT化するべきかどうかについてですが、現状を総合的に考えると、初心者であればもう少し様子をみたほうがいい、というのが個人的な意見です。とはいえWeb3ゲームとしてのクオリティは低くないですし、Web2勢からの収益もあるはずなので早期終了のリスクは今のところ低そうです。引き続き今後のアップデートにも期待していきたいと思います。
それではまた!
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