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穏やかな活気の中にあるもの【FF11】

この文章を書いている私(ヘコヘコボタン)自身は
「ヴァナ・ディールの星唄」までクリア済み。
課金を切らせたことこそないけれど、現状ではログインから遠ざかっており、もう引退したプレイヤーと言ってよい。

そんな私がでんさくさんの動画投稿をきっかけに、
FF11にログインをする機会がまた増えた。
なぜか。

そもそも動画投稿をしているでんさくさんと、私はそれぞれ離れたところに住んでいるフレンドだ。
だから、こういった記事に添える画像などは、私自らFF11にログインして撮影することが多い。

私がでんさくさんの動画を通して見たヴァナ・ディールは、
一緒に遊んだことこそないものの、見知った名前もちらほら目にするし、思ったよりもプレイヤーがたくさん残っているな……という印象だった。
そして、実際にログインしてみたその世界は、
「意外と活気があるな」と感じることができた。

さて、ある日も記事用のSS撮影のためにウロウロとしていた。
自己視点でキャラを走らせながら、どういう風景を切り取ろうかと移動していたとき、フレームの右側からプレイヤーがモンスターに追われながら走りこんできた。

(えっ!?)

滑り込むように倒れるそのプレイヤー。
追い込んだモンスターたちは満足気に持ち場にかえってゆく。
成熟したキャラが多いヴァナでは、ここ最近ではなかなか見ない光景だ。

しかもその人は私の目の前で倒れっぱなしである。
単独行動でピンチになったときには、余裕があれば人通りのないところで
こっそりと倒れ、ホームポイントに戻ろうとする人が多いと思われるヴァナ。やっぱり人前で散ってゆくのはどこか気恥ずかしいものだ。

倒れたままのその人を見て、元白魔道士はレイズを飛ばした。
レイズを受けて起き上がったその人は「ありがとう」という言葉と同時に走り出すくらいの勢いで、私の前から去っていった。
多分、この人は真の新規さんだったのかな。

改めてサーチしてみると、思った以上に低レベルだったり、サポもつけていないプレイヤーがヒットする。その中には多くの複垢(たまに業者)もいるのだろうけど、でも確実にこういった新規さんもいる。

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また別の日にダボイにいった。
さほど広くもないエリアで、特別に人気のある場所でもないのに、サーチすると4人ものプレイヤーがいた。
そのうちひとりはとあるNMから入手できるアイテムの名前をサチコメに書いていた。それはかつて私も狙いにきたことがあるアイテムだった。

良い撮影場所はないかとエリア内を走り回る。
ひとりはトカゲを狩っていた。
ある人はおそらく魔晶石ミッションを進めようとしていたと思われる。
そして、そのサチコメの主はNMのPOP地点に佇んでいた。

いや、本気?
今ならそのアイテム、買ったほうが早いし、安いよ?
ベテランもどきプレイヤーの私は思った。

でもその人はそこにいた。
きっと早い、安いなんて関係ない。自力で取りたいのだろう。
そばを通るとその人が私にターゲットを合わせたのが分かった。
顔がこちらを向いたのだ。
あぁ、ちょっとした緊張の瞬間。
そもそも用事がなければこんなところめったに人は通らない。
それが分かっているからこそ緊張が走るんだよね。わかる、わかるよ。

うまく言葉にはできないのだけれど、なんだかうれしい。
新規さんもいて、旧世代のNMであっても張り込む人もいて、
レイズをして「ありがとう」という言葉とちょっとした気恥ずかしさ。
「ライバルが来た?」と気の引き締まるあの感じとか。

ヴァナ・ディールはまだまだ元気だ。

そういえば、先日アップしたでんさくさんの動画の中で、とあるNMをみつけるシーンがある。
その瞬間、でんさくさんのボルテージが少しあがり、走り出す。
そして、実際のNMを目にすると、指先はもうNMに対して攻撃をしかけていた。彼もまだどこかで熱いものを残しているようだ。

NMを発見した瞬間 (「【FF11】過程を楽しむヴァナ生活 #008」YouTubeより)

まだまだこのようなプレイヤーさんたちがいること。
この世界をほんの少し歩いただけで味わえた。
すでに落ち着いた世界の中での穏やかな活気が
驚きであり、うれしくもあったのだ。

……私も今度は久しぶりにアンバスケードにでもいってみようか。

文:ヘコヘコボタン

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