過去に戻って母に問いたい事
「ヘルストロンの説明書、どこにしまってあるの?」と、遺影に向かって言ってしまった。
なんでもキチキチしまいこむ人だった。
部屋は恐ろしく整頓されていたけど
戸棚の引き出しや押し入れの中は、パズルのようにピッタリと物が詰められていた。
母はとにかくきちんとしていた。こんまりさんもびっくりの整理魔だ。
整理とは違うか?整理とは不必要なものは潔く手放して無駄な物を持たず身の回りをスッキリさせる事だから
「整頓は出来るけど整理は出来ない」と言うべきか。
ともあれ、毎日の掃除にも手を抜かずキチンキチンとしていた母から私は物心ついた時から嫁入り前、ひいては嫁入り後、離婚出戻り後も言われ続けた
「あんたって子はひとつたりともきちんとしたところがない。だらしない、汚い。誰に似たんだか」
母が来る前には突っ込まれないように必死で片付けをして床まで磨き上げてお迎えしても母の感想は
母「まるでゴミ溜めのような部屋‥」
どうしていいのかわからなかった。
家の中のものは所定の位置に並べ、服や鞄は出しっぱなしにせず、小中学生の子供が2人居る家なら平均的、というか別段ひどく雑然としてるわけではないと思ってた。
正直いうとどれが正解かわからない 片付け方が分からない
「全くあんたは子供の頃から何も変わってない。だらしないまま。」
と、母は言うけれど
私は片付け方を教えてもらっていない
なので娘達にも上手くアドバイスできない。
娘‥特に長女は放っておくと3日くらいで常軌を逸した汚部屋になる。よくテレビ番組に出る「ゴミ屋敷」さながらだ。私が子供の頃は学習机を散らかしただけで父にボコられたのでありえなかったが、もし注意されなければ同じだったのだろうか(ADHDなのは確実)
私(ナキゴト)に似たんだと勝ち誇ったように母は言う。そして長女にもチマチマ嫌味を言う。
長女が中学生で登校拒否の時、実家に1週間程預けた事があるが、その間、悉く家事のお手伝いにダメ出しされて泣きながら電話かけてきた。
何をやらせてもダメだ、下手だとしか言わない。自分なりに頑張ったことも褒めてくれない。
料理も縫い物も結果途中で取り上げて母がやってしまう。未熟な状態で完成させてるのが許せないらしい。
そうなのだ。全てにおいてダメ出しはしておいて、正しいやり方はこうなのだと根気よく教えてくれなかった。テストの間違った答えに×をつけて正解の答えを教えてくれないままだった。
何故?
母は習字の先生の資格があるくらい達筆なのに、 私は今でも自分の悪筆に苦しんでいる。
私の字の汚さに呆れ果てていたのに、一度たりとも字の練習に付き合ってはくれなかった。当時うちの兄をはじめ周りの子達がこぞって通っていた習字教室にも行かせなかった。
1人でひたすら書き取りをしてノートを見せ、母から悪態をつかれて終わり。余計に字を書くことが苦痛になって行った。どこをどう直せば良いか、綺麗な字のコツなど一切教えてくれなかった。習字の先生になりたかったと言っていたのに。
今となっては知る術はないがもし聞いていても私の話は基本スルーなので生きていても同じか‥
私が娘たちに対して思うような「この子がこのままだと将来困るから」という観念が皆無だったんでしょうね。むしろ困る事を望んでいたなら大いに納得出来る。
今思うと怖しいけど
冠婚葬祭に伴う事、貯金や保険の事、何もかも無知で存在すら知らない事が多いまま結婚した私。
今ならネットで検索チョチョイなのに。
生まれる時代を間違えたんだね。今から生き直すしかない。もう折り返し地点だけれど。