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「この人生は初めてだから」

人生のどん底は何回でもやってくるし、底の深さも様々。
これ以上のどん底はもうないだろうと鷹を括っていると、まだ深いのがあったんかい!ってことに気付かされる。

9月初旬にステロイド内服治療が終わって、さぁ、仕事も探して本格的に行動開始するぞと意気込んでいたら、あっという間に2日後には微熱が出て、肺炎が再燃した。
はじめに放射線性肺炎が見つかった左肺はきれいに完治したが、今度は右肺に炎症が起こっていた。
放射線を照射していない方の肺にも炎症が起こることはあるそうだ。

ああ、やれやれ・・・
いつまで経っても治療が終わらない。
今度こそ、あともう少し、もうちょっと頑張ればと、この2年間何度も頑張ってきたのに。
やはり、生きることは本当に大変で、健康に生活を送れることは奇跡なのだとあらためて気付かされた。

乳腺の方の治療はもう定期的なチェックしかないため、今回から呼吸器内科に移ることになった。
今後は長期の治療になること、長期にステロイドを内服することによる合併症発症のリスクなどを聞いていると、今回のどん底の深さは思ったより深いなと落ち込んだ。

月末は広島に行って、先輩や友達に会う予定にしていたが、それも中止になった。
誕生月だったこともあって、バースデーカードやプレゼントが届いた。

『辛いことが続きますが、あなたには乗り越える力と、応援者がここにいる!』


『人生は、自分の意思に関わらず、大波、小波がやってくる。
なにくそ!ここは踏ん張りどころ、一緒に頑張りましょう!
また会いに行くからね。』


と励ましてもらった。

呼吸器内科の先生に、「一緒に頑張って行きましょう。」と言われた時は、
『いやや〜、私はがんばりたない、めそめそ。先生一人でがんばりなはれ。』と心の中で返事をしたけれど、このバースデーカードの言葉で

『そうか、私には乗り越える力があるのか!』

知らんかった、まだいけるのか、と前を向いた。

友達は、
『前じゃない上を向け!首が痛くなるくらい真上!』
と笑わせてくれた。
みんな、本当にありがとう!

先日は初めてがん患者会にも参加した。
治療がひと段落した人、現在治療中の人、再発が見つかった人・・・
それはそれはみんな大変な思いをされていた。
何度、「みんな大変!本当に大変!」と言ったことか。
自分もじゅうぶん大変やけど(笑)
でも、みんななぜかキラキラして見えた。

あんな治療して、こんな大変なことがあって、あの時は夜中に病院に電話して・・・などキラキラと話す姿に人間の素晴らしさと強さを見た。
みんな精一杯生きている。

治療を終えて数年たった女性が、できないことも増えたけど、

『あかんもんはあかんねん!!』


とケラケラ笑っておられた。
「でけへんねん!」と。
みんな笑って、「そう、そう!」

私はこの2年間、いや乳がんになる前から、あかんもんをなんとかできるようにしようと頑張ってきたのかもしれない。
真面目な性格だから、これからもまた頑張るのだろうけど今は、
『もうしょうがない、とりあえず治療を受けよう。』と思えるようになり、
どん底をちょっとづつ這い上がり中である。

表題の画像は、韓国ドラマの「この恋は初めてだから(日本題)」という恋愛ドラマで、原題は『この人生は初めてだから』である。

3組のカップルが、恋愛結婚以外にも、仕事、家庭、人生、価値観など様々な事柄にぶつかって、すれ違って、乗り越えてハッピーエンドになっていく物語。
おお! イ・ミンギのかっこよさに肺炎も回復していく♥️

みんな自分の人生に起こることは初めてだからこそ、悩んで考えて、乗り越えていくしかない。
私も、次々にやってくる体調の変化と治療を受け入れて、どうやったら前向きに乗り越えていけるかなんて、わからない。
だって、

『私の人生を、生きていくのは初めてだから』


乳がんになったのもしょうがない。
肺炎になったのもしょうがない。
治療を受けるしかない。

でも数年後、

『あかんもんは、あかん!』


と太陽のように笑ってやるのだ!



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