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「賢い医師生活」

ゴールデンウィークはずっと、韓国ドラマの「賢い医師生活」(シーズン1、2)を観ていました。
元々好きな俳優さんが出演していることと、「刑務所のルールブック」と「応答せよ」シリーズと同じプロデュサーによるドラマということで、Netflixで配信されてすぐに視聴していましたが、自宅療養中で時間だけはあるので、もう一回観て見ようと思いました。

あれ?
こんなにいいドラマやったっけ??
ストーリーは同じで知っていても、違うドラマに見える...

1回目に観た時と今回観た時と全く違うドラマに思えたのは何故か...

なるほど!
1回目は、医療従事者の立場で観ていたから。
「こんなに綺麗で、現実にはありえない有能な医師や、人間関係良好そうな病院で働きた〜い」
「チョ・ジョンソクめっちゃ面白い!めっちゃ歌うま〜い♡」と、面白いドラマ目線です。

そして、
今回は完全に、患者そしてその家族の立場で見ていたのです。

患者の立場でこのドラマを観ると、患者家族はもちろん、医師たち5人とそれを取り囲むスタッフたちが『真剣に真摯に誠実に命に向き合う姿』に心を打たれます。
生まれてくることが出来なかった命、生まれてくることが出来た命、治療を経て新たに生きて行くことになった命、終わりに近づいていく命、出演している人全てが命と向き合っています

劇中でこんなシーンがあります。
ユ・ヨンソク演じる小児外科医がある日、食道閉鎖症を持って生まれてきた新生児の手術をすることになります。
無事に生まれてくることだけを祈っていた若い両親は悲嘆にくれてしまいます。
そんな中、義母は息子(父親)に向かって、「うちの家系ではありえない。結婚前にちゃんと検査すべきだった」と罵倒します。
それを聞いた小児外科医はそっと言います。
『お嫁さんは何も悪くありません。これは誰かの過ちではなく、誰にでも起こりうることです。我々にとっては珍しいことではありません。早く回復するよう助けてあげてください。』と。

ある産婦さんが、何とか早産を免れようと絶対安静を続けますが、残念な結果になってしまった時、キム・デミョン演じる産婦人科医が自分を責める産婦にこんなメッセージを送ります。『時に悪いことは、いい人のもとに訪れる。Bad things at time do happen to good people.』

私はがん家系なので、何で私ががんに?とは思いませんでした。
むしろいつかがんになるとは思っていましたが、「今?!」「しかもこんなに進行してる・・・」「何で気付かんかったんやろう」「何で毎年ちゃんと検診に行っとかんかったんやろう」と数え上げればキリがないほど後悔し自分を責めました。
そんな中、特にこの2つのシーンを見て救われた自分がいました。
誰にでも起こることであり、誰のせいでもない・・・
がんは2人に1人がなる時代、乳がんは女性の9人に1人の罹患率など、頭でわかっていてもいざ自分が発症すると話しは別です。
治療で身体はしんどいのに、気持ちまで整理できるわけがない。
そんな時にこのドラマを観ました。

ここに挙げたシーンの他にも良いシーンがたくさんあります。
出演者それぞれが悩みながら成長していく姿や、誰もが他人を思いやり、お互いを助け合っている。
出演者のみならず、製作者側の命に対する向き合い方も伝わってくる最高のドラマです!

乳がんを発症してからは、完全に医療従事者の立場から患者の立場に逆転している私ですが、いよいよ来週は人生初めての入院生活を送ります(笑)
キイトルーダの副作用の精査目的です。
たった5日間ですが、思いっきり患者の立場で、少しは看護師目線で入院生活を体験してこようと思います!

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