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BLを書く

BLを「書いて」います

でも「BLがすごく好きでBLしか読まない!」とか。
BLは年に何百冊も読む。タイBLドラマを網羅してる。韓国BLウェブトゥーンなら全部読んでる……みたいなことはないのです。
全然ないのです。
そもそも日本の商業BLすら、そんなにたくさん読めてません。

タイのBLドラマも中華BLドラマも面白いと思うけど、でもどちらかというとガチ刑事ドラマとかの方が好きだったりします。『インファナル・アフェア』とかさ。『13・67』とか。

じゃあ、なんでわざわざ「BL」よ? 
それも小説で?! と。我ながら問うてみる本日です。

まあ、ぶっちゃけ。
絵が描ければね(鍛錬すれば多少は描けるとか、そんなレベルではない絵の下手さなのである)……マンガ、描きたいです。それが夢です。
でもまあ、あれなので字書き。

でも「マンガを『字で』書くぞ! そのために色々頑張ってるぞ」って感じなのです。
むしろマンガでは使えない技法を駆使し、マンガよりマンガっぽい小説を書きたい。そんな感じ。

ではなぜ、ジャンル「BL」

うーん、なんでだろう……。
そもそも自分、男たちの恋愛自体は大好きですし。
基本、シブいオッサン、かっこいい男子は大好きなので、そういう人たちを見たり読んだりできる創作物には、目がありません。
でも「BLに限らない」んですよ、そういう殿方が出ていれば。

「水城さんは、別にBL書かなくても良くないですか?」と。
この前、ある作家さんに訊ねられました。うーん、仰るとおりかも。
たしかに「必然」はないかも。違うジャンルも書かないワケじゃなかったし。

今はどうか分からないのですが、かつて。
「ミステリというジャンルは、実はあらゆる文学のジャンルを内包できるのだ……ロマンスも私小説も(以下略)」みたいな話があったように思います。
新本格ブームの頃だったでしょうかね。
ミステリ作家さんが(当時新進気鋭、今は大ベテラン)、過去の海外作家の例を引き合いにして仰っていたかな、違うかな。

BLにも、そういう感じで、ジャンルをさらに上の次元でくくっているような懐の深さがあるような気がします。

ミステリにおける謎や事件と同じように、「男性同士の恋愛」を「要素のひとつ」として「話の柱」に立てるとですね……。
そこに絡まる人間関係やら色んな感情やら、社会で板挟みになる人間の切なさやらの、自分が描きたい「何か」が、すごく書きやすいなあと感じるのです。

そう。
「BLそのもの」のテンプレや「BLそのもの」にある特定要素に「萌える」というワケじゃない……感じです。

感傷とか郷愁とか、嫉妬とか絶望とか。愛しさとか切なさとか。些細な行き違いとか。もちろん謎――ミステリも。

そういういろんな要素を「いっしょくた」にして、描きたいものを、ガシッと掴みどりしやすいなあ……と思うのがBLジャンル。そう感じてきたから。

でも今という時代は、「ジャンル」の「テンプレート」の完成度を高め求めていくのが「世の流れ」なのかな? と思います。

テンプレートって……業務でもそうですが、これに則って仕事を進めると本当に合理的で完成度が上がりますよね。無駄がなく安心感が半端ない。
テンプレって、世の中を作ってると思う。

だから、テンプレをきちんと読み込み、それに従った小説を書いてみようと、折に触れ取り組んでみます。
ただ、自分の中でまだ「機が熟していない?」のか……描き上げられるまでの気持ちが続かないです。

「小説」を書きたいのか、「書きたいコト」を書きたいのか

文字にすると陳腐ですが、やっぱり後者なのですよね。出したいことを出せるのなら、先に言ったように小説じゃなくてもいいわけなので。

「放っておいても、キミは何かを書き続けるよ」と、呪いみたいなことを言われたことがあります。

中学校の時の先生に1回、恋人だったひとに1回。

「書くこと」が自分の「アイデンティティ」だと、そう長く誤解していましたが、今は違うと気づきました。そして、彼らに言われたことも「呪い」とは思わなくなりました。

書きたければ書く、書きたいことがなければ書かない。
それだけです。
書いていようがいまいが「自分」に変わりはなく、どちらの自分も等しく自分である。

書いたモノを誰かが悦んで読んでくれればうれしいけど、もし誰も読んでくれないとしても、自分が読んで・書いて楽しければ、それ以上の幸福って、究極的にはあり得ない。

逆に「他人に自分の幸福を預けてはいけない……」
他人の評価を気にすまいと、必死になってそんなことを自分に言い聞かせてたこともあったけども。
そもそも、幸福は「自分の中」にしかないしなぁ……自分の「外」には存在しえないよねと。
そんな当たり前のこと、長らく忘れていたなと思うこの頃。
それにたぶん最初から、人間って、個々人で普通に幸福なんだと思います。

今、連載しているBL、Dom/Subユニバース、歳の差もの。
最初のうちは、キャラクターたちの輪郭が、すこしだけあいまいだったかもしれないけど、最近、シュンと、キャラの脳みその中が出来上がった感じがしてきてます。
こうなると、彼らが勝手に考え始めるから、スゴイ楽しい。

子供の頃、「この先の人生、ずっと『この楽しさ(頭の中で奏でられるお話を見るコト)』のために生きていきたい」と思っていました。

その夢って、自分で、もうずっと前からとっくに叶えてたんだな。

PS
でも、次に書くなら久々NLがいいな……と思ってもいる。異世界転生がいいっすね。やっぱりまだ、いろいろ熟してない気もするけど。
自分的感覚で面白いと思える異世界転生モノに出会えれば、きっと!


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