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あとがき『え、待って。「おすわり」って、オレに言ったんじゃなかったの?!』

え、待って。「おすわり」って、オレに言ったんじゃなかったの?! - 小説投稿エブリスタ (estar.jp)
え、待って。「おすわり」って、オレに言ったんじゃなかったの?! (syosetu.com)
同pixiv版
のあとがきです。



お礼

ほんとうに、ありがとうございました。
ここまでいらっしゃった方、どうもおいでませ。

ちょっとマズいレベルの歳の差カップルで始まったこともあり、Dom/Subのプレイなども、そこまで重たかったりエロかったりは踏み込みにくかった部分もありました。

少しでも、ふんわりほのぼの……にできたかなと。(自分としては、相当「ほのぼの」です)
誰もがストレスなく楽しめるお話に、すこしでもできていたら、自分の執筆力も成長したのかなと思います。

最終話は、ある意味「後日談」的なポジションではありましたが、ふたりのキモチの行きつく先を、これまで読んでくださった方にキチンとお渡しできればと、本編最終話とさせていただきました。

歳の差

何で歳の差? 思う存分エロできないのに。
別に自分、ショタはそこまで性癖ではなかったのです。
ただ、旗手君のコトを考えた時、相手は隆督しか出てこなかった。
中学生のイヌへのcommandに翻弄される……そんなゲンなので。

隆督(たかまさ)のこと

最初は無自覚だったとしても――
勃起だ陰茎だなんだ。
隆督なりに一生懸命、旗手ことを「ずっと誘ってた」のかなあと。
年相応の可愛らしいあがきみたいに。

たぶん最初の公園では、若干引いてたはず。
キッカケはおそらく、旗手のカラダを見たこと。相当にグッときたのではないかと。
幼心に、よきガタイに悩殺されたと思われます。
自分が思春期で揺らいでただろうし、見た目の逞しさとか気になるお年頃。自慰の仕方とかも自信がなかったくらいだし。

そんな旗手が、さらに自分のcommandで「コテン」と言いなりになってしまった……となれば、思わず嗜虐心みたいなものに火がついたんだろうなあ。
つづけて、表向きは明るくてあけっぴろげなのにDropしてしまって弱り切ってしまう落差。そこで「庇護慾」がかき立てられて。

となると。どう考えても、隆督は本質が「Dom」なんだろうなあ……。
でも、いわゆるDomとしての診断は、たぶんなかなか下りないのではないかと思います。
でも旗手にとっては、隆督こそが運命のDom。

その後は、旗手の頼りがいのあるあたたかさや男気に、グングン惹かれていく隆督。
大人なのに、どこか隙があって可愛くて、面倒見もよくガタイもいい。
そんな旗手君が、カッコよくて可愛くみえてどうしようもないんだろうな。
いつも真っすぐな旗手に、言葉を尽くしてピアノを誉められたのも嬉しかっただろうし。

ミツのこと

たぶんメッチャ嫌われていると思いますが、ミツはこの話の超重要人物。キーマンです。
ミツがいないと、旗手のキャラ付けもこの話も成り立たない。
もっとネチネチ描写したい気もあったのですが、たぶんこれ以上やっちまったら「光誠ヘイト」がすごかったかも……。
とはいえ、それなりに「ドクズっぷり」を書けたので満足。
ドクズ、大好きです。実は。
作者としてはミツって、ギリギリ憎み切れない(いや、犯罪者だけどさ)男です。でも幸せにしてやろうとは思えないくらいのクズ。「僕澁」の曾地原クラスです。

とはいえ。
チラリと盛り込みましたが、ミツもたぶん、ゲンに一目ぼれだったんだと思います。
自信満々に口説いてはいたけど、たぶん不安で。
彼も色々と、心に壊れやすいモノを持っていた人だと思う。
親が外交官。たぶん名門のおうちの「傍流」(大叔父……が、たぶん本家筋)。帰国子女。
なにか、間違えた生き方しかできなかった男。

彼も彼なりにゲンの虜で。
実はそれくらい、Subとしてのゲンは魅力的なんだろうなと思って書きました。

ミツも子供ぽい独占欲とプライドに拘らなければ……Domとしてゲンにキチンと尽くして溺れていられたのにね。
とはいえ、隆督と比べればDomの器量の大きさは一目瞭然かも。

「ざまあ」の溜飲は読者様的には足りないのかなあと思いつつも、ミツは、自分自身が変わらない限り、愛は得られず、そして自分がそれを得られていないコトにすら気づかぬままに生きていくだけなので。ある意味、寂しい人生だと思いますよ。

ゲンとミツの大学時代って……IF世界としては、それはそれとして、イイ感じのDom/Sub・BLになりえるのかもしれない。一人称ではなく三人称で(たぶん書かないけど)。

NTR

そう。この話。すごく、イイ感じで終われたと思ったのだ。
反倫理的展開も薄く、読むかたにストレスを感じさせすぎず。
ラブラブ両想いを遂げる……「匂わせ」なしの大ハッピーエンド。

って思ったら、寝とられてたわ、隆督。
なんか、スゴイキモチヨク書けてると思ったのよ、自分。
息をするように性癖が盛り込まれてました。

スイマセン。小説サイトに、これからタグ、追加してきます。

thanks 表示

完結に行きつけると、どうしても最後にこれを書きがちです。
一時代前の「楽屋オチ」というか、ドンくさい趣味だなと思うのですが。
ひとつの作品を書いている時は、エンドレスで決まった曲(たいていの場合は1曲)を聴き続けてます。(長い話だと数曲のこともある)
なので、その曲を聴くと条件反射で、その小説の人物などを思い出してしまいます。番外編なんか書く時、意外と便利です(そのためにやってるのではないですが……)
恥ずかしくなって、後から曲名を消した話もありますが、後で見返してみると、ちょっとした日記っぽくて面白かったりするので、これからは残したままにしておこうかなと思っています。
今回は以下の2曲

・(making love) out of nothing at all, Air Supply
・the last tune of "春光乍洩"
which is Danny Chung mimicing Frank Zappa's "Happy Together (Live At Fillmore East, June 1971)"

どちらも最終話のタイトルにしています。
Air Supply………さすがに、さすがに、彼らの全盛期は同時代ではないですが。今は全然流行ってませんし、若人はきっと知らないオッサンたちだろうなあ。
「out of nothing at all」は、まあド迫力ポップソングです。一聴の価値はあると思いますよ。
Air Supplyの最後のヒット的なものって、たぶん……「ゴーストバスターズ」(オリジナル1作目)の挿入歌「I can wait forever」かな。
これはギリギリ、リアルタイムだったかも。
わたしは、このコテコテのポップス大好きです。
オーストラリアのグループなんですね。Sixpence None the Richerのカバーによる「Don't Dream It's Over」が素敵なCrowded Houseもオーストラリアでしたっけか。関係ないけど、Sixpence……何十年もずっと推してたのに、日本ではそれほど……だったのに最近やっと人気の萌し?
(同じようにMatt Nathansonもそんな気配?)

"春光乍洩"
これは王家衛(ウォン・カーワイ)の映画「ブエノスアイレス」の原題。
英語のタイトルが「Happy Together」。字面としてハピエンの話にふさわしく……まんまだとあれなので、春光乍洩としました。
この映画自体は、もう語り出すとちょっとアレなので……置いときます。
クリストファー・ドイルのスタイリッシュな映像と王監督のコンビは時代を席巻しました。
そうそう。クリストファー・ドイルといえば、香港人が勝手に英名を名乗るのはデフォルトなのですが、この人(オーストラリア人…かこの人も)、自分で勝手に「杜可風」と中国名を名乗っている逆バージョン人なのです。
王監督のことはクエンティン・タランティーノも気に入ってた(タランティーノも若人には響かない名前かな……)。
以後、雨後の筍のようにウォンカーワイ・フォロアーが出たけど、なかなかどうして。王監督はやっぱ、一種の天才とも言うべきセンスがあるんよな。

で……。
王監督はエンディングにはどうしても、どうしても! 
フラック・ザッパがライブでカバーした「Happy Together」を使いたい!と思ってたらしいのだが(どんな限定)。
ライブ盤だからなのか、タートルズの曲をザッパがコピーしたという展開がマズかったのか、どうにも権利関係が処理できずに使えなくって。それでもあきらめきれずに、ダニー・チャン(陳百強)に「完コピ」を依頼したとか(この話、ネットを今見ても見つからないんだけど……映画パンフで読んだのか、映画雑誌で読んだのか)

聴き比べれば、ホントに完コピで。
ライブの客の歓声まで再現されてます。たぶん、この完コピ版は「ブエノスアイレス」のサントラ盤でしか聞けないのでは……ないかな。

PS あとがき『マージナル:「平凡ベータ」のいびつな三角』|水城 (note.com)

もあります……。

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