未来世界の受験・資格(「2121 ~100年後の未来~」 第38話)
未来世界の受験や資格についてもお話しておきましょう。
22世紀の世界では、学校の試験や受験は自宅で行われています。
あらゆる資料や機材の持ち込みが可能で、インターネットにつないでの受験が当たり前となっています。
そもそも、この時代では暗記力など問われません。必要なのは「応用力」
与えられた道具(あるいは与えられていない道具も含めて)「それらをどう使うのか?」が問われる世界。
暗記力ではしょせん人間はコンピューターには勝てはしません。何万倍・何億倍という記憶容量とスピードを誇っているコンピューター相手に勝負を挑んでも、何の意味もないのです。
そうではなく「機械は友達」であり、人間とコンピューターがタッグを組んで効率化を目指し結果を出す。そういう社会。
そんな社会において、試験もまた「いかに結果を出すか?」が問われます。
たとえば、他の人の手を借りて解答を導き出す。
100年前なら「ズルい!」とか「カンニングだ!」と思われていた行為が、この時代では「賢い!」とか「その手があったか!」と褒められたりする。完全に価値観が変わってしまっているのです。
資格においても、それは同じです。
「一生懸命に勉強して資格を取得するのが美徳」とされていた時代もありましたが、それはもう古い考え方。22世紀の世界において、資格は目安に過ぎません。
「あればあったで雇用する時に参考にするけれど、なければないで構わない。どんなに立派な資格を取得していようとも、現場で役に立たなければすぐにクビを切られる」
そういうやり方です。
学歴も資格も、21世紀までに比べると随分と価値が落ちてしまいました。
優先されるべきは「いかに実戦で役に立つか?」であり、名目上の地位や名誉ではありません。どんなに素晴らしい肩書きを持っていたとしても、戦場で役に立たなければ意味はないのです。