転職(ジョブチェンジ)の条件を満たすために
「進化の歴史」という絵本を始めた時、最大の目標にしていたのは「ヘイヨーさんの画力を上げる」というコトでした。
そうすれば、誰にも注目されなかったとしても、「能力」だけは手元に残るからです。読者がゼロで、コメントもゼロになったとしても、最後まで完成させれば、能力だけは手に入れられるはず。
ヘイヨーさんは、こういうモノの考え方をするコトが多くて。「常にあらゆる事態を想定し、最悪のパターンに陥ったとしても、それでも何かが得られるようにしておく」のです。
それと同時に「1つの行動にいくつもの意味を持たせる」というコトもやります。
今回の目的の1つに「天職」というものがありました。
新しいスキルを手に入れることができれば、ロールプレイングゲームみたいに天職とかジョブチェンジできるのではないかと考えたのです。
「その為の手みやげとして、作品が必要だな」と考えました。いわば、ジョブチェンジ(転職)の為の条件です。
独力で絵本を1作完成させられれば、「その業界で生きていけるかどうか査定してもらうコト」もできるでしょう。
この時点で考えていたのは「絵本作家」「マンガ家」「アニメーター」でした。
でも、「上手く応用を利かせれば『ゲームクリエイター』にもなれるかな?」と考え直しました。
そこで、物語を「選択制」にして、読者のコメントによってある程度ストーリーが変化するような仕掛けを作ったのです。
これは「サウンドノベル」というジャンルのゲーム作品の原型になります。そうでなくとも「ゲームブック」のようなモノにはなるでしょう。
いわば、この絵本自体が「ゲームの企画書」にもなっているのです!
そして、もう1つ…
作家にとって作品を制作するという行為は「個人作業」に他なりません。
けれども、読者と交流をはかりながらストーリーを変えていけば、ある意味では「共同作業」になります。
人と協力するのが苦手なヘイヨーさんが、この点においても弱点を克服しようと考えたのでした。