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あるおじいさんの物語

ヘイヨーさんが、生まれて初めて最後まで書き通した長編小説。タイトルは「あるおじいさんの物語」となっています。

内容は「少年が急いで小説を完成させなければならず、アイデアが必要になります。締め切りまで残り10日。そこで、小説のネタにするため、汽車の中で出会ったおじいさんに自分の体験談を話してもらう」というものです。

で、実は、おじいさんは波瀾万丈の人生を歩んでいて。マハラジャのもとで働いて大金持ちになったり。いきなり破産したり。刑務所に入れられたり。女優と恋仲になったり。その女優が麻薬中毒になったり。老人ホームに入って大暴れしたり…と、めまぐるしくストーリーが展開していきます。

ま、内容はどうでもいいんですよ。とにかく「1人で小説を書き始めて、最後まで完成させた」って部分が重要なだけで。どうせ、1作目なんてこんなものです。


それよりも重要なのは何かというと…

「執筆ペース」なんです。

この小説って、最初につけていたタイトルが「始めてから10日で完成させる物語」と書いてあるので、10日間で完成させるつもりだったんでしょうね。

結局、10日では完成せずに、12日かかってるんですけど…

原稿用紙210枚。文字数6万5000文字。長編というには、ちょっと短いけれど、これを12日間で書き通したわけです。


当時の資料が残っていたので、ちょっと見てみましょう。

※枚数は、20文字×20文字の400字詰め原稿用紙で数えています

初日:13枚
2日目:0枚
3日目:5枚
4日目:7枚
5日目:10枚
6日目:0枚
7日目:20枚
8日目:10枚
9日目:20枚
10日目:30枚
11日目:45枚
最終日:50枚

案の定というか、なんというか、最初の方は執筆ペースが上がらないんです。1日に5枚とか7枚とか。0枚って日もありますw頭をひねっても全然書けなかったんでしょうね。

ところが、終盤は怒濤の執筆ペース!3日で125枚書いてます!(しかも、全210枚の内、175枚をわずか6日で執筆してるっていう…)

人間、本気を出せば、なんでもできるんですね~

※ただし、この後、無理がたたって熱を出して寝込み。さらに半年くらい何も書けなくなりました…(無理はよくないです)


ちなみに、当時のヘイヨーさんが「執筆の反省点」を書いてるので、それも見てみましょう。

◆今回の反省点
さて、続いて、今回の反省点。

●何といっても、内容を詰め込み過ぎたコト!!(※ただし、それは利点でもある)それにより、ほとんどあらすじのような感じになってしまった。ひたすら、あらすじを40本くらい書き綴ったようなもの。
次からは、もっと丁寧に具体的に描写していく。

●料理をもっと具体的に、そして美味しそうに描く。
食材に何を使ったかとか、どういう下ごしらえをしたかとか。

●キャラクターを生かし切れていない。
せっかく、おもしろいキャラクターをガンガン生み出しているのに、それらをうまく生かし切れていない。完全に使い捨て状態。今後は、同じ登場人物を何度も再登場させ、物語に深みを出していくように!!

●総合評価
今回の物語、たとえるならば「食べ放題のバイキング」みたいなもの。
いろいろな料理が並んでいるけれど、どれも味に深みがない。ただし、冷凍食品のような感じはしない。シッカリとした手作り料理であり、その辺は大いに評価できる!!

反省点を残してるのは偉い!

これに加えて「短期間に無理をして執筆したので、完成後に疲れ果ててしまった。今後は計画を立てて、ゆとりを持って毎日コンスタントに執筆しよう!」といったところでしょう。

それにしても、今になって振り返ってみると、上記の反省点、あんまり生かされてないですねwこの後、何作もの長編・短編を書き上げるのですが…

相変わらず内容は詰め込み過ぎだし。料理なんて、全然具体的に書かないし。ヘタしたら、何食べてるのかサッパリわからないコトも多いし。アイデアもキャラクターもいっぱい出てくるバイキング方式の書き方だし。

ただ、それを上手く生かせるようにはなってきましたね。状況描写は簡素にして、必要最低限しか書かないようにしておいて。どんどんキャラクターが登場し、ポンポンお話が進んでいく。そういうタイプの書き手に成長できたと思います。

要は、欠点も長所に変えられるってことなんです。必死に書き続けてれば(一番マズいのは「何も書かないこと」なので…)

毎回、「今回は、この部分を成長させたい!」という課題を決めたり、反省点を洗い出したりしながら、継続して書き続けていれば、確実に腕は上がります。

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。