クラシックを作曲するように
「進化の歴史」は、全8章からなっていて…
第6部の「現代編」では、わざとゆったりとしたテンポにしてみました。
…というのも、それまでがあまりにもテンポが早過ぎて、いろんなコトが起こり過ぎていたので、「この辺で1つ緩急をつけてみよう」と思い立ったからです。
クラシック音楽の手法の1つとして似たような技法があります。
たとえば、ベートーヴェンの「月光」という曲は全3楽章からなっていて、最初の2つはゆったりとしたテンポの曲なのですが、最後の第3楽章は突然激し曲調に変わります。
「悲愴」にしても「熱情」しても同じで、非常に緩急がつけられています。それにより、ゆったりとした部分がよりゆったりと。激しい部分がより激しく感じられるようになっているのです。
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「進化の歴史」という作品は、あらゆる意味で大実験作であり、思いついた手法が片っ端から放り込んでいき、「これでもか!これでもか!」といろんなコトを試しまくりました。
たとえ、それが今回失敗したとしても、今後の創作においていい影響を与えると考えたからです。
マエソンやサルが姿を変え、時代を変えながら再登場したり。「モモとカボチャとスイカ3つの勢力がどの時代でも争い合っている」のも実験の1つです。
個人的にこの手法を「フラクタル」と呼んでいます。
フラクタルというのは「自然界に存在するあらゆる風景は、元は全て単純な図形の集合体である」という考え方です。
それと同じように「同じコトを繰り返しながら世界を表現しよう」と試みました。完全に同じだと読者が飽きてしまうでしょうから、毎回アレンジを加えながらね。
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