料理人が高給取りの時代(「2121 ~100年後の未来~」 第8話)
ヤジさんが住んでいる村から、新鮮な食材が都会へと運ばれて…
大桃家へとやって来ました。
ここは、桃香様が家族と一緒に住んでいるお屋敷。
大桃家はお金持ちなので、毎日新鮮な野菜やお肉を食べることができるのです。
この時代、料理人は高給取り。
日本では、包丁は免許制になりました。なぜなら、中学生が通販で包丁を購入し、クラスメイトを刺し殺すという事件がよく起こっていたからです。
都会の大通りで人を刺し殺して回るという通り魔事件にも、包丁がよく使われました。
その上、食品業界の技術も進み、加工品や冷凍食品の味も格段に上がったので「じゃあ、もう一般家庭で包丁を握る必要はないよね」ということになって、「刀狩り」ならぬ「包丁狩り」が行われたのです。
なので、包丁1本購入するにも、厳しい審査をパスしなければなりません。
結果、この時代では料理ができる人自体が少なくなりました。学校で技術を学んだり、親方に弟子入りして修行している人。あとは、昔の人だけ。
桃香様「桃香おばあちゃんの時代は、まだ普通の女の子が包丁で料理してたんでしょ?」
桃香おばあちゃん「そうねぇ。私も昔はお母さんの手伝いで、包丁でジャガイモの皮をむいたりしたものよ。お友達と一緒にお菓子作りをしたり。最近の子は包丁も握らせてもらえなくなっちゃったけど…」
桃香様「へ~、ジャガイモって手作業で皮をむいてたんだ!全部機械がやってくれるのかと思ってた!」
桃香おばあちゃん「紙にエンピツで文字も書けない子も多いくらいだものねぇ。便利な時代にはなったんだけどね…」
「最近の子は、ナイフでリンゴの皮もむけなくなって…」なんて言われていた時代もありますが、今やエンピツ削りでエンピツを削れる子すらほとんどいません。それどころか「エンピツって何?」と言われてしまう始末。
桃香おばあちゃんの言うように、ペンを持って文字を書くことができない子までいます。全部、音声入力で事足りちゃいますからね。
noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。