見出し画像

ろくすっぽお化粧もしないような田舎娘のような人って最高!

あの人が毎日のように家にやって来るようになって、最初は凄くオシャレをして来てたんです。

服装はバッチリ決めて、いつもデートに行く時みたいな格好だし。髪型だってアイドルみたいな感じで。なんというか…形容しがたいのだけど。長いストレートの髪を鎖状に編んで、さらに頭の上で複雑に絡み合わせるような…

「この髪型、セットするのに毎日何十分かかってるんだろう…!?」

そんな風に青年が驚くレベルでした。

あえて言うなら、お化粧だけ薄かったかも?あまり濃いお化粧はせず、すっぴんに近い状態。口紅も淡い色の物をうっすらと引く程度で。でも、そっちの方が青年の好みでした。

いつもデートに行くような格好だと微妙に緊張しちゃうし、ケバケバしくお化粧品を塗りたくって、人工的な香りをさせる女性はあまり好きではありませんでした(少なくとも、この時は…)

常にすり切れたボロボロの服を着て、たらいで洗濯したり、牛の世話をしたり、「お化粧?なにそれ?」って思ってる田舎娘みたいなのが理想だったんです!

でも、現代において、そういうのって難しいでしょ?

だから、現代版田舎娘として青年が頭の中に描いていたのは「イオン系列のスーパーの2階の衣料品売り場で買った安物の服やスカートをセンス良く組み合わせて、かわいらしい格好をしてるような人」だったんです。

高校生の時に自分で編んだ手編みのセーターを、穴だらけになりながらも何年も着続けている人とか最高です!(もし、そんな人がいればですけどね…)


それが、いつからでしょうか?

あの人が、普通の格好をしてくるようになったんです。普段、家で過ごすような姿です。地味~な服を着て、毛糸の茶色いカーディガンなんか羽織って。それも毎日です!

「ああ~!そうそう!こういうの!こういう人、最高!」

別に青年が何か言ったわけではありません。

「その格好、緊張しちゃうから、もっと普段通りでいいんだよ」なんて一言も口にしたことはありません。なのに、自然に察して(?)彼女は地味な服装に切り替えてきたのでした。

たぶん、相手の方も緊張しなくなったんでしょうね。だから「普段の素の姿を見せても大丈夫だ」と感じて、自然に服装にも表れたのでしょう。

このコトにより、ふたりの距離はますます近づいていき、まるで本物の夫婦みたいになっていきました。


でも、ここで1つ問題が起きます。

浜田君の存在です。彼は別に朝の11時にやって来たりはしません。いろいろと他の用事があって、青年の家に来るのはお昼過ぎとか遅い日は夕方を過ぎてからでした。

2人が仲良くなればなるほど、浜田君の存在は浮いていきます。あえていうなら子供?青年とあの人が夫婦みたいに仲良くなるにつれ、彼は息子みたいな存在になっていくのです。いや、それもちょっと違うかな?

「弟」でしょうか?

そう!弟がピッタリの表現です!仲の良い夫婦にできた弟みたいな存在になっていったのです!

noteの世界で輝いている才能ある人たちや一生懸命努力している人たちに再分配します。