古代世界観にみる神様の愛 聖書の神様②
シャローム!
ホーリーランドツーリストセンターの平和です!
今回は聖書と水シリーズの第二弾です。
聖書時代の世界観について注目していきます。
大空רָקִיעַ(ラキア)
大空という言葉はヘブライ語でרָקִיעַ(ラキア)です。
このרָקִיעַ(ラキア)という言葉の語根ר.ק.עには
広げる
打ち延ばす
踏み鳴らす
などの「硬いもの」と関連する意味を持つ言葉として聖書で使われています。
古代の世界観では、רָקִיעַ(ラキア)という透明なドーム(板)のようなものがあって、その上(天空の水)と下(海)に水がある考えられていました。
(英語でfirmamentと検索いただくとイメージしやすい画像などがあります)
古代世界観シリーズに共通するように、
メソポタミア文明やエジプト文明にもרָקִיעַ(ラキア)という考え方がありました。
メソポタミア文明
バビロニアのエヌマ・エリシュを読んでみると、
バビロニアの守護神マルドゥクと海の女神であるティアマトが対峙する物語があります。
その中で、勝利したマルドゥクはティアマトの体を半分にさき、体の一部をרָקִיעַ(ラキア)にしたということが記されています。
エジプト文明
エジプトにおいてもこのרָקִיעַ(ラキア)というものが世界観の中にありました。色々な考え方があったようですが、一つのものとしては天空の女神であるヌトがこのרָקִיעַ(ラキア)として考えられていたようです。
神様が常に守ってくださるという世界観
大空רָקִיעַ(ラキア)がある世界観を考えながら、ノアの方舟と洪水について考えてみましょう。
天の水門が開いて40日40夜も雨が降り続けたと聖書に記されています。
透明なドームのようなものであるרָקִיעַ(ラキア)の上にあるお水が、水門が開かれることによって地上へと降り注いだと考えることができます。
このことが何を意味するかというと、
聖書において神様が創造されたרָקִיעַ(ラキア)は地上の生き物を守るために創られたということです。
聖書と水にて書きましたが、
神様は暗闇・混沌を象徴する水から人間を守られているということになります。
最後に
ノアの方舟において、神様はרָקִיעַ(ラキア)の水門を開き、暗闇・混沌の水が流れ落ちることを許されることに対して
「何が神様の愛だ」
と考えられると思います。私自身もそのように考えることがありました。
ただ、今回の記事にもあるように古代世界観の中でこれらの物語を読むことによって、聖書の著者たちが伝えようとしたことが理解できます。
ノアの方舟もメソポタミア文明の「洪水物語」と比較することによって、「神様の愛」を感じることができます。このことはまた別の記事で書きます!