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竜に口輪をするイエス・キリスト 竜と蛇⑤

シャローム!
ホーリーランドツーリストセンターの平和です!
今回は過激的なタイトルとなっていますが、
キリストが嵐を静める・水の上を歩くことが表す一つの解釈に注目していきます。

暗闇の象徴としての水

竜と蛇シリーズ、聖書における水とは?でも触れましたが、

聖書において川や海は暗闇・混沌の恐怖をあらわすメタファーとして使われます。

  • ヨナが大きな魚に食べられる(詳しくはこの記事

  • ダニエル書の四頭の大きな獣がから上がってくる(ダニエル書7:3)

  • 黙示録にてから出てくる獣(黙示録13:1)

  • 新しい天と地にもはやはない(黙示録21:1)

キリストが嵐を静める・水の上を歩くという記述もこの暗闇の象徴としての水と関連しているように感じます。

つまり、
自然をも治めるキリスト
暗闇に打ち勝つキリスト

の二つのメッセージが読み取れるのではないでしょうか?

キリストが嵐を静める場面のギリシャ語に注目

καὶ διεγερθεὶς ἐπετίμησεν τῷ ἀνέμῳ καὶ εἶπεν τῇ θαλάσσῃ· σιώπα, ⭐️πεφίμωσο. καὶ ἐκόπασεν ὁ ἄνεμος καὶ ἐγένετο γαλήνη μεγάλη.

Mark 4:39 (NA28)

イエスは起き上がって風を叱りつけ、湖に「黙れ、⭐️静まれ」と言われた。すると風はやみ、すっかり凪になった。

マルコの福音書 4章39節
聖書 新改訳2017

なぜキリストが嵐を静める・水の上を歩くという記述が暗闇の象徴としての水と関連しているように感じるようになったかというと

ギリシャ語のπεφίμωσο(ペフィモソ)という言葉に「口輪をする」という意味があるからです。

このφιμόω(フィモー)が使われている他の聖書箇所を見てみると

λέγει γὰρ ἡ γραφή·* ⸂βοῦν ἀλοῶντα οὐ ⭐️φιμώσεις⸃, καί·* ἄξιος ὁ ἐργάτης ⸄τοῦ μισθοῦ⸅ αὐτοῦ.*

1 Timothy 5:18 (NA28)

聖書に「脱穀をしている牛に⭐️口籠をはめてはならない」、また「働く者が報酬を受けるのは当然である」と言われているからです。

テモテへの手紙 第一 5章18節
聖書 新改訳2017

実際に口輪(口籠)をするという意味で使われることがあると分かります。

暗闇に打ち勝つキリスト

過去の記事にもあるように、聖書にはよくことば遊びがあります。

海(ガリラヤ湖)を
海の獣 תַּנִּין(タニン)→詳しくはこの記事
として捉えた場合

キリストが海の獣に口輪をしているということが連想できないでしょうか?

また、キリストが水の上を歩く(沈まない)ということもこの海の獣(暗闇)に対する勝利として読むこともできるのではないでしょうか?

自然を治めるキリスト

言わずとも自然をも治めるキリストの姿が見れます。
実際に弟子たちは以下のように言っています。

彼らは非常に恐れて、互いに言った。「風や湖までが言うことを聞くとは、いったいこの方はどなたなのだろうか。」

マルコの福音書 4章41節
聖書 新改訳2017

キリストの「叱りつけ」に注目するとさらに気付くことがあります。

イエスは起き上がって風を⭐️叱りつけ、湖に「黙れ、静まれ」と言われた。すると風はやみ、すっかり凪になった。

「叱りつけ」
ギリシャ語ἐπιτιμάω(エピティマオ)

ヘブライ語גְּעָרָה(ゲアラ)
に注目してヘブライ語(旧約)聖書を見てみると

וַיֵּ֤רָא֨וּ׀ אֲפִ֥יקֵי מַ֗יִם‬ וַֽיִּגָּלוּ֮‬ מֹוסְדֹ֪ות תֵּ֫בֵ֥ל ⭐️מִגַּעֲרָ֣תְךָ֣‬ יְהוָ֑ה מִ֝נִּשְׁמַ֗ת‬ ר֣וּחַ אַפֶּֽךָ‬׃

Psalm 18:16 (BHS OT)

こうして水の底が現れ地の基があらわにされた。主よあなたのとがめによりあなたの鼻の荒い息吹によって。

詩篇 18篇15節
聖書 新改訳2017

מִן־⭐️גַּעֲרָ֣תְךָ֣ יְנוּס֑וּן מִן־קֹ֥ול רַֽ֝עַמְךָ֗ יֵחָפֵזֽוּן׃

Psalm 104:7 (BHS OT)

水はあなたに⭐️叱られて逃げあなたの雷の声で急ぎ去りました。

詩篇 104篇7節
聖書 新改訳2017

מַדּ֨וּעַ בָּ֜אתִי וְאֵ֣ין אִ֗ישׁ קָרָֽאתִי֮ וְאֵ֣ין עֹונֶה֒ הֲקָצֹ֨ור קָצְרָ֤ה יָדִי֙ מִפְּד֔וּת‬ וְאִם־אֵֽין־בִּ֥י כֹ֖חַ לְהַצִּ֑יל הֵ֣ן ⭐️בְּגַעֲרָתִ֞י אַחֲרִ֣יב יָ֗ם אָשִׂ֤ים נְהָרֹות֙ מִדְבָּ֔ר תִּבְאַ֤שׁ דְּגָתָם֙ מֵאֵ֣ין מַ֔יִם וְתָמֹ֖ת‬ בַּצָּמָֽא׃

Isaiah 50:2 (BHS OT)

なぜ、わたしが来たときだれもいなかったのか。わたしが呼んだのに、だれも答えなかったのか。わたしの手が短くて贖うことができないのか。わたしには救い出す力がないというのか。見よ。わたしは⭐️叱って海を干上がらせ、多くの川を荒野とする。その魚は水がなくて臭くなり、渇きのために死に絶える。

イザヤ書 50章2節
聖書 新改訳2017

ヘブライ語(旧約)聖書の神様ご自身が水に向かって叱っているということにキリストが重ね合わされていることに気付きます。

最後に

今回の考察もなかなかマニアックなものとなっていますが、一つの解釈としていかがでしょうか。

古代ギリシャ語と古代ヘブライ語をみてみながら辿り着いた考察でした。

竜と蛇シリーズまだまだ続きます!

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石田平和 Heiwa Ishida
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