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月が綺麗だから、性について話そうか

綺麗に見えなくても、これからは、もう少し話していこうと思う。大切なことだから。
月が綺麗ですね、は、英語教師をしていた夏目漱石が、生徒に I love youの訳として、日本人の感性を表した、有名な言葉。
そんな、奥ゆかしい表現は美しいけれど、日本には、もっとオープンにして良いところも、きっとたくさんある。

性に関心が高い友人は、幼稚園で目覚めたと聞くぐらい、環境もあるのか、早い子は早い。
私の記憶では、幼少期にアニメのらんま1/2にドキドキしたり、セーラムーンを親と見るのが気まずかったくらいで、目覚めとは言い難かった。
家では、アニメとニュース以外のテレビは禁止だったのもあり、情報が止まっていたかもしれない。友人と話すこともなく、とても疎かった。

子どもにも性の感覚はもちろんあって、極端に情報を排除されると、逆に興味が湧くこともある。
肉体的な意味ではなく、無邪気に楽しんでいた方が健全な気もする。
目の前で性器をいじっていたり(精神的な理由の場合もある)大人が困惑することはあっても、頭ごなしに否定するのではなく、伝えられたら。

私は疎いまま、異性への興味や好きな人が出来る感覚もなく、小学校高学年になり、初めて生理が来たときは、本当に落ち着かなかった。
毎日をのびのびと、元気に遊んでいて、知識もなく迎えたときの衝撃。
だんだんと、男の子に好かれることが出てきて、異変を感じ始めたのもこの頃。
喜ぶよりも、女の子の集団や友人関係に支障が出て、リスクに思ってしまった。

10代後半になっても、子どもみたいな感覚のまま、好奇心だけ旺盛になり、知らない人に声を掛けられたり、車に乗せてもらっても無邪気に送ってもらうくらい、無頓着だった。
危ないという感覚が、あまり無かったのが一番危険で、痴漢や変質者にあっても、恐怖以上に、何故そんなことがしたいのか不思議だったし、だんだんと夜道で追いかけられる前に、あらかじめ察して、避ける力は向上した。野生動物か。

環境的に情報が乏しかったのもあるけれど、もともとは、LGBTQのQに当てはまる要素が多く(性自認や、性的指向が定まらない)
母の育児ノートによると、4歳くらいの時に「今日はかわいい女の子で、明日はかっこいいお兄さんになる★」と宣言していたり、性別は自由なものだと思っていたらしい。
、、にも関わらず、いつからか私は、よし、女の子に振り切ろう!女性らしくなるぞ、と決めたのだ(╹◡╹)
おーい。何でそんな選択をさらっとしたんだよー!!

『ありのままで生きるよりも、振り切った方が生きやすいかも』
何となく決めたその選択により、逆に本来と違うような、不便さも抱えることになる笑

そのままで愛されたい、を、すっかり忘れたまま、男性を理解したいと願い、愛そうとし過ぎて、20代〜30代で悩むことも増えた。
目の前の人や好意、気持ちに真剣に向き合い、複数の関係性に発展したり、トラブルも体験させてもらった。
高齢や病気、精神疾患のある人ほど、求められることもあった。

性癖というか体質でいえば、相手や環境に共鳴しやすく、セックスを特にしたくなくても濡れたり、気持ち良くなりやすかったり、逆に急に気持ち悪くなることもある。
そのことで、好きな人に誤解されたり、断れなかったり、ホルモンバランスを崩して、性に対してしばらく抵抗があった。

悩んでいた時に、もういっそ風俗で働こうかと面接に行ったこともあったけれど、将来的に、教育のお仕事がしにくくなるかもしれないと、断念。親切な、担当の方のアドバイスも参考に。「うーん。おねーさんは、しなくていいんじゃないっすかね」
まだまだ偏見が強い世界だけれど、私自身は、AV女優さんや性のお仕事をしている方たちを女神だと思い、尊敬をして、ひっそりXを追っていたりする。
男性からの消費に負けない、逞しい美しさ。その精神が、眩しいのだ。

性に無頓着だった私が、性には存在そのものを傷つけたり、勇気付けたり、大袈裟ではなく、命にまで影響を及ぼしたり、様々な力があることを、身に染みて、体感をしていった。
それは、当然なのかもしれない。だって、性は、生命そのもの。私たちも、そこから生まれた。

平和にとっても、性暴力は重要なテーマだけれど、レイプや性犯罪、大人だけでなく、子ども同士が関わるようなニュースを目にすると、本当に胸が痛むし、それだけ今の社会で、命は歪みやすいかもしれない。
日本での、教育としての性や、いのちの教育の必要性は、ひしひしと感じながら、まだ具体的には、動けずにいる。
ちなみに、海外で平和関係のお仕事をしている人によると、風俗の利用は、性的搾取に当てはまり、禁止されているとのこと。なるほど。

去年再会をした、出会った当時の20代前半から、性の大切さを語り、活動をしている、みのりちゃんの存在も励みに。
性的なアカウントだと、SNSを停止されても、想いを持って続けている姿は、本当に志。
メタ社さん。性=排除で、AIにブロックさせているのなら、やめてほしい。
排除されれば、隠されれば、人間は知りたくなるもの。
本当のことを知れるのなら、死んでもいいわ。

※死んでもいいわ
ロシアのツルゲーネフ小説、片恋より。あなたのものよ、を、二葉亭四迷が訳したそう。

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