ショートショート 痛いの痛いの痛いの飛んで行け!
授業が終わって俄に賑やかになる教室で、彼は返ってきたテストの答案用紙を見つめました。ため息が漏れます。中学校では優等生。高校ではただの烏合の衆。両親のがっかりする顔が脳裏によぎって、胃が痛みます。
ふと隣に目をやると鼻歌を歌う友人が目に入りました。思わず聞きました。
「テスト、どうだった?」
「俺? まあまあかな?」
どこか上の空です。紙を折っているようでした。
「俺、上位なんて無理だー!」
ちょっとした探りをいれると、突然友人が席を立ちました。折りあげた紙。紙飛行機でした。右手に持って窓際まで歩き、窓の外に向かって叫びます。
「俺はぶっちぎりの赤点だー!」
友人は右手の紙飛行機を振りかぶりました。
「痛いの痛いの飛んでいけー!」と叫びながらグラウンドに投げます。
「今投げたの何?」
「……テスト。」もはや泣きべその友人が答えます。
「取りに行くぞ!」叫んで教室を出ました。お腹の痛みは飛んでいました。
今月はNovelberというTwitterのお題企画に答えるのと同時に、自分の文章の練習をかねて投稿しています。課題が残ってしまったものは(Novelber以外の時期に書いた過去作も含め)夜中にこっそりなおしていくつもりです。
手始めにショートショートNo.159。今月は独白形式の文章をなるべく書かないつもりだったのにいきなりの1人称。修正しようとしたもののうまくいかず、粘りに粘って、朝にいつも書いているせいで挙句会社に遅刻しました。3分くらいです。3分くらいよ。3分!
今は遅刻する心配がないせいでしょう。なおりましたね、3人称に。勢いが失われたので、1人称の方が面白いは面白いかも。形は綺麗ですが。それとも、勢いを失わずに3人称で書く方法を見出せていないだけだろうか。そういえばなんでもかんでも要素つめこんで勢いで突っ走ろうとすると必ず1人称で書いている気がします。面白い問題です。3人称で勢いで押し通せるか。ボケっぱなしの文になりそう。
本当に、あんまり需要がない企画かも…と思っておりますので、次回の描き直しは予約機能を使ってでも深夜に投稿しようと思います。今回は、右にある「課題」の棚はなんなのかの説明もかねて早めに投稿いたしました。
それではみなさま、よい休日を。
クジラ部屋の電気を消します。おやすみなさい。
書き直し前(ショートショートNo.159)