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ただの日記#50(2024.11.03〜2024.11.09)

ハニワとキティちゃんを眺めるねこの中の人のただの日記
last week

2024年11月03日(日)

川越市のスタンプラリーに行く。雨が降ったり止んだり。川越市に行くのがそもそも初めてなので、街並みに驚く。こんな街があるのか。来てよかったと思う。歩き回って、イベントにも参加して、たくさんの人と話して、ホテルで友達に電話して、疲れ切って眠る。体が溶けそうだと思う。このまま溶けて無くなってもいい。

2024年11月04日(月)

挂甲の武人 国宝指定50周年記念特別展「はにわ」を見に行く。長い行列に並ぶ。後ろの列のご夫婦が「はにわと、キティちゃんと、無料開放と、どの行列だと思う?」という話で盛り上がっている。はにわの特別展とハローキティの特別展と常設展示の無料開放が重なった日であったらしい。「はにわ!」と心の中で答える。
ようやく順番が来て中に入るとキティちゃんの展示のある場所にはさらに長い列ができていて、当日券は売り切れだと表示が出ていた。キティちゃんが最有力行列要員であったらしい。建物の2階から巨大なキティちゃんの人形が下を見下ろしていて思わず写真を撮る。「はにわとキティちゃんって、なんか似てる」と思いながらはにわ展の会場に足早に移動する。こちらも入場にまた行列ができていた。

2024年11月05日(火)

仕事でトラブルが起き、走り回る。誰が悪いとかいう前に、事態を進捗させるために頭を下げ続けないといけない日がたまにある。板挟みというか。
板挟みの辛いところは両方から攻められるところだろう。へとへとになって帰宅し、なんとかしたけど、頑張ったことを労われるあてが特にないなと思って眠れなくなり泣く。

2024年11月06日(水)

さあこい。トラブル上等じゃ!
という勢いで出社し、しおしおになって帰宅する。一向にトラブルが解決する気配を見せない。

2024年11月07日(木)

社内研修の時間を一部受けもち、終了後呼び止められる。「小さい頃お世話になりました」と言われ、焦る。誰だ。話しているうちに父の友人の娘さんであることがわかる。小さい頃、一緒にキャンプに行ったことがあった。「お父様にもお世話になって」と言われ、父にいい印象を持っている方もいるんだよな、と複雑な気持ちになる。うまく言えないのだけれど。全方向に悪人の人ってきっといないのだ。それはきっと救いだろうな。「あの人にお世話になって」と思ってくれる人がいる分だけ、晩年の父が幸福であったらいいなと思う。彼女の名前のメモをとり、つぎは自分から声をかけようと思う。私はこういうことが苦手で、少しずつうまくなったらいいと思っている。

2024年11月08日(金)

帰宅。荷物をまとめて実家に帰る。実家に帰る頻度を増やすつもりでいる。母親がコロッケを作ってくれていたのでたらふく食べ、「おいしいおいしい」と声に出していう。実際に美味しいし、母と一緒に暮らした晩年の父は母の作るものを貶すしかしなくなっていたから、その分だけ、私は母の料理を褒め続けようと思う。多分、残りそういう回数もあんまりないだろうから。困っていることややる仕事がないか聞き、居間の電灯の傘を洗うミッションを仰せつかる。高くて背が届かないらしい。了解しました。

2024年11月09日(土)

居間の電灯の傘を洗う。高いところが苦手なので、脚立が本当は怖い。力仕事が引き受けられるよう、ちゃんと丈夫であろうと思う。あと、ご飯がいつでももりもり食べられるようにしよう。
帰宅して本づくり学校の和装とじをする。学生時代に文庫の古本修復のボランティアをしていたので懐かしい気持ちになる。恩師が古書の研究をしていた方で、文庫調査の時になぜ人は本なんか残すんだろうとずっと考えていたそうだ。ここでの「本」はほとんどが写本を指していて、書き写してまで残す情熱に打たれた、というか奇妙に思ったらしい。「人はいずれ死んでしまうから」がその時の恩師が出した結論で、それってどういうことなのかを書こうとすると長くかかるのだけど、私はまだ、その話が心に残っていて、時折みんなの話についていけない時がある。
夜に実家から持ってきた残りのコロッケを平らげる。ひとりで食べるときは「おいしい」と口には出さない。

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