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ネコ戦記(10月分)
8月から「公募に出すことします、というか、公募に出して(落ちて)いることを、あけすけに公表します!」ということで、その月のnote以外での応募の報告などをしています。
とはいえ、10月は9月の疲れが出てしまってあまり出せていないので、ちょっと裏話? でもしようかなと思います。
7月に「テレビ塔」、8月に連作「SUPER BUG MAKER」、10月に「ねこと殿様」と名古屋の話をずっとnoteに書いています。名古屋推し、というより、知っている土地を舞台にした話というのに興味があるんです。
小さい頃、「○○のむかしばなし」のような、地域の昔ばなし集のようなものが家にあって(そういえばなぜ家にあったのろう…。)、そこに出てくる切り絵が好きで、毎日飽きもせずに眺めていました。
地域の昔話集ですから、当然そこに出てくるのは近所の寺社やお地蔵さん、大きな松の木や岩なんかです。ありふれて、ちょっと地味な景色に、狐が見え隠れして、力持ちが追いかけて、弘法大師が登場して、水が沸いたり雨が降ったり、空から石が降ってきたり。とにかくはちゃめちゃなことが起こる。
『近所の喫茶店に、野球選手が来てたよ!』みたいな感じで、『あそこの地蔵、昨日歩いてたよ!』みたいな話がされていたのかな、と、古びたお寺のお地蔵さんなんかを見て思ったりします。刺激的で眠れなくなるほど面白くはないかもしれないけれど、毎日そこを通るたび、見るたびに、いつも一緒にいてくれる身近な物語です。
一方、テレビなんかで見聞きする物語はたとえ現実的な物語だとしても、東京やNY、パリなど、どこか遠くで起こる物語たちでした。これは私の捉え方だけれど、こうした「現実的にある遠く」はファンタージエンや中つ国みたいな、完全に架空の土地と、受け止める脳の中ではあまり変わりません。魔法も勇気もヒーローも、どこか遠くにいて、自分のところまで降りてきてはくれないのです。
大人になってからは、そうした遠くの物語にすっかり慣れてしまって、むしろ身近な物語と遊ばなくなりました。
それでも子供の頃の一緒にいてくれたお話たちの雰囲気を覚えていて、通勤や買い物で変なものを見つけては勝手にお話を作って楽しんだりしていました。
身近な物語は、毎日にほんの少し魔法をかけてくれます。(それがいいことなのかどうかわかりません)。ついてない日の帰り道の横をモノクルをかけた怪盗が駆けて行ったり、路地の隙間からネコのようなバスのようなものがのぞいていたり。特に誰かに迷惑をかけるわけでもないし、そうゆう街に住んでいたっていいわけです。
元来引きこもりがちの人間で、ちょっとしたきっかけですぐに家から出なくなっちゃいますが、街に出れば人がいて、みんなそれぞれ一生懸命生きていて、へんてこな商売をしたり、個人的な問題解決に奔走したり、何にもしてなかったり、すれ違ったり衝突したり、ぐちゃぐちゃに混ざってなんだかよくわかんない物ができたり、できなかったり、何にも見つけられなくても、お馴染みのお店の人が「やあ」と声をかけてくれたりして、ああ、外に出てきて良かったなと思うわけで、要するになんだかんだ、自分の住んでいるところが好きなんだなと思います。
私の書く話は半分くらい日記のようなもので、身近な人や物の好きなところや、不思議なところを、しげしげと眺めた結果できてしまったものがほとんどです。
だから、街について書いたっていい。
ばらばらでぐちゃぐちゃで、うるさかったり冷たかったりもするけれど、へんてこで面白い、そんな街を書けるといいなと思いました。
一連の作業で集めた資料や、没シーンをもとに(フォロワーさんに紹介されて)書いた公募がコトノハなごやさんの一次選考を通過しています。ありがとうございます。
びっくりしました。とても。(紹介くださって本当にありがとうございます)
10月はweb光文社文庫「Yomeba!」さんのショートショート公募に出しています。400文字から6000文字のショートショートを定期的に募集している公募です。
まずは出すところから。少しづつ、安定してかける文字数を増やしていこうと思っています。
さあ、今月も、頑張りますか!
エッセイ No.015