野党の政策実現のリアリティ
こんにちは、並立道です。
最近、やたらとニュースで代表選やら総裁選が話題となっていますが、私は一つ、気になっていることがあります。
というのも、記事のタイトルにしているような政策実現のリアリティというものです。
総裁選は政権与党のリーダーを決める選挙ですから、その政策議論がそのまま、新政権の政策になるという意味でリアリティがあると思います。
野党の政策実現のリアリティ
しかし問題は、野党の語る政策議論。
立憲代表選挙、各候補が政策論を語るなどして頑張っていると思いますが、支持者として、正直リアリティが無いなと思いました。
ただこれは何も、立憲に限ったことではありません。
例えば日本維新の会、国民民主党なども政策論を語る光景をよく目にしますが、立憲を始め、これらの野党は政権与党では無いわけですから、いくら政策論を並べたところで、それが実現するわけではありません。
要するに絵に描いた餅、まさにリアリティが無いわけです。
政策論の周知度や質は問題ではない
各党、様々な政策論を持っていると思いますが、いまいち野党に期待が集まらないのは、そこにリアリティが無いからではないかと思います。
政策論の中身以前に、その政策論がどれだけ認知されようと、どれだけ正しかろうと、そもそも実現する現実味が無いわけですから、そんな話を聞かされたところで「どうせ実現しないでしょ?」と感じられてしまうのではないでしょうか。
野党の政策が評価されないのは、政策論の認知度が低いとか質が低いだとか、それよりも以前の段階として、そもそも実現のリアリティが有権者に伝わっていないからではないでしょうか?
野党がリアリティを示す方法
しかしリアリティとは言っても、実際に政権に就いているわけでもないので、リアリティがないのは当たり前だとも言えます。
じゃあそれでも愚直に政策論を語り続ければ有権者は評価してくれるのか、否、リアリティ無き政策論に多くの有権者は耳を傾けないでしょう。
地方に首長を輩出し、リアリティを示す
そこでよく主張されるのが、政党として地方の首長を獲得して、そこで政策実現のリアリティを示すという手法です。
具体的に言えば、大阪における維新のアプローチです。
しかしこれには限界があると思っています。
というのも、地方行政はどこまで行っても地方行政でしかなく、国政イシューではありません。地方行政の経験をどれだけ積み重ねたところで、それが国政における政策実現のリアリティに繋がるかは私は懐疑的です。
地方行政とはあくまでも各論の世界。どこまで行っても国政という総論に優越することも無く、地方行政経験そのまま、それを国政における政策実現のリアリティとする考えには無理があるのです。
党制度改革によりリアリティを示す
ではどうすれば野党は政策実現のリアリティを示せるのか、それは党制度改革です。
与党ではないから政策は実現できない。地方行政経験も国政の政策実現のリアリティには直結しない。
となれば、野党として野党の影響範囲の中で変革できる部分に手を付ければいいのです。それが党制度改革です。
党制度とはまさに、国政における政策実現にも繋がり得るダイレクトな部分。この点を盛んに改革することによって、広く有権者に政策実現のリアリティを示すことができると愚案します。
党制度改革の一例
代表選挙立候補に必要な推薦人数
では具体的に、党制度改革とは何のことを指し示すのか。
例えば代表選挙立候補者の推薦人数です。
今回の立憲代表選挙、最終的には四人が立候補するに至ったわけですが、それは支持者の私から見ても綱渡りと言えるものでした。
推薦人の融通などを経てようやく四人が揃ったわけですが、今回はたまたま上手く行っただけの話であって、そこに再現性はありません。きわめて属人的に四人での立候補という形が成り立っただけの話です。
そこで今回、各候補は代表選挙の議論に際して推薦人数の引き下げの主張についても主張を戦わせる場面もあり、その点については実際に改革できるところから手を付けるという意味で、政策実現のリアリティを示すという観点から考えればとても好ましいことです。
ただ、正直言って微温的でもあります。
一人一票の代表選挙や途中参加可能なシステムへの改革
以前に以下の記事で書きましたが、例えば代表選挙を一人一票のシステムにして一般党員の意思がより通りやすくするだとか、代表選挙期間中に党員ではない人が代表選挙に途中参加できるシステムにするだとか、アプローチは色々あります。
立憲代表選挙、盛り上がらないとも言われますけれど、それは党員制度改革というリアリティのある議論の優先度がまだまだ低いことによって、有権者にとって自分事として受け止められない面もあるのではないでしょうか。
確かにどういうやり方を選んでも、実際に政権運営している自民党に政策実現のリアリティでは敵わないと思いますが、やりようによっては、もう少し国民を引き付けるような代表選挙にもできたと思います。
どの野党でも良いからやって欲しい
別にこれは、私の現在の支持政党である立憲がやらなくてもよく、例えば国民民主党、例えば日本維新の会などがやっても良いと私は考えます。
何はともあれ、各政党、頑張って党勢拡大をするだとか、政策論の良さが伝わっていないだとか、ズレたアプローチばかりをしていると思います。
これらのアプローチは所詮は精神論。従来のアプローチに甘んじている限りは、野党に政策実現のリアリティが生まれることはまずないと言えるでしょう。