『慰霊の日』に想うこれからのこと
沖縄では、日本軍の組織的な戦闘が終了した6月23日を『慰霊の日』とし定め、沖縄戦で亡くなったすべての命を慰める日としている。
沖縄生まれ育ったわたしは、幼いころから戦争の歴史を学んできた。
小学生のころ、ひめゆり学徒隊として実際に戦地へ赴いたことのある方の講演会が学校でおこなわれ、実体験から語られる生々しいことばに、恐怖を感じたことをいまでも覚えている。
戦争体験者が高齢化していくなかで、わたしたちの世代はなにができるのだろう。
正直なはなし、わたしは戦争をはるか昔のことだと思い生きてきた。
他国で戦争がおこっても、他人事だと思っている部分がある。
毎年テレビで流れてくる慰霊祭の映像には、『平和の礎』に向かって涙をながし、抱きつくようにして故人を想うおじぃやおばぁがいる。
戦後75年が経ってもなお、大切な人の声を聴きたい、もういちどだけでも顔が見たいと願い続ける人達がいる。
そういう人達の気持ちを考えるようになってから、沖縄の悲しい記憶を忘れるのではなく、後世につたえていく必要性を強く感じるようになった。
75年前、沖縄ではたくさんの人が死にたくさんの幸せが失われた。
その事実を風化なさせてはいけないし、これからの時代への教訓としていかなければならないはずです。