初めてのキャビア組合会議
僕が椎葉に帰ってきてチョウザメを育て始めてしばらくした頃、社長から
チョウザメの組合の会議あるからお前行ってこい。
と右も左もわからない状態で突然会議に参加するよう言われ宮崎市へ向かいました。
そこで僕は当然知ってる人もおらず周りの社長たちを見ながらどんな人かな〜と分析していました
特に特徴的だったのがパンチパーマのヤクザみたいなおじさんと僕よりは年上だけどメンバーの中では若くチャラそうなおじさんでした
パンチパーマのおじさんは絶対同じ建設業だと確信しましたがチャラいおじさんはお金も持ってそうだし何してる人なんだろう〜っと考えてる間に会議が始まり
今期の販売実績と来期の経営方針の説明がされました
偶然にも僕が入った年は協議会が組合に切り替わった年でみんな1度2度会った程度で自分だけ初めてというほど疎外感もなかったです
こんな初めての会議だと発言して目立ちたがるのが建設屋の性なのかパンチパーマのおじちゃんがいきなり質問を始めました。
「あんたどんはよ〜、キャビア売るときもっと高くで売れって前の会議ん時いったとになんで値下げして売ったとかい?ニュースで見たけど1日で完売したっちゃろ?言わんこっちゃない」
見た目だけじゃなくて口調もヤクザのおじさんに僕は本当にこんな人もいるんだな〜と思いながら見てました
そして頃合いを見てチャラいおじさんが話し始めました。
「おじちゃん、ブランディングの仕方で即完売っていう方が高値で売れ残るより売れてますって見えるでしょ?」
この場でいきなりヤクザみたいな人におじちゃんって呼ぶチャラいおじさんに吹き出しそうになりながらシーンとなった会場を進行役の人が
「ではこの続きは懇親会で話しましょう」
とさえぎり次の議題にそして次の議題も議論になる前に同じように後送りへ
ほとんど会議では質問への回答や話し合いをしないまま懇親会へと移りました
よくよく考えると県庁の偉い人や地銀の担当者が来ておりそこで揉めてるところを見せたくなかったんだと思いました
そして懇親会になり偉い人や銀行の人がいなくなり会議再開
そこではさっき怒号を飛ばしたパンチパーマのおじちゃんではなくチャラいおじさんの独壇場でした
チャラいおじさんは大手養殖会社の2代目でかなり交渉が上手な人でした
その場でもうまくみんなをなだめて会議を進めたのですが、実は前日に弁護士を連れ組合の事務所へ行き自分の要求は先に伝え確約書を書いてもらってたそうで
後から組合の人からそれを聞いた僕は
みんなが騒ぐところではなだめる側にまわり、騒がないところでこっそりと実行する
大人の世界ってすごいと思いました。
そしてそんなこんなで結局何も決定しない会議は終わり僕はこの組合の概要も役割もよくわからないまま帰路につきました。
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