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衛星

こどもの声が響いてた
白い天井の下で
忘れた頃に思い出す
淡く端正な記憶
寝ている隙間をほじくり
さらに進行する病
ウエタンマットに敷かれた
毛布生温いかおり
ほとんど覚えてなどいないのに
なぜかあたたかい気持ちになれる
それは心揺さぶるわたしの中の
愛に似た何か

朝寝坊してもご安心
メトロポリスは遥か下
汚れたシャツを洗います
壊れかけのアライグマ
常設されてる窓から
覗く娯楽の星々
夕方過ぎから悩ましい
脳が悲しみに暮れる
心は冷めてしまうのに
どこか懐かしい気持ちになれる
そこは甘やかされ人たちが集う
愛の診療所



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