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ロマンス

ただただ ただただ
刻むだけの僕らは老人かな
ただただ ただただ
遷すだけの僕らは聖人かな

嘘も真実も同じ筆致で綴れば
全てが尊い
皮膚をさらりと撫でるあなたの手が
いつの日か風に溶けて消えてしまっても
企てた瞬時に交わした笑みや
綻びはわざと捨てずに残してあるのさ

紫色の記憶が今は心地よく扇ぐ
風を



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