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流星バグ

言ってなかったことを
書き記したような手紙たちを
集めて束ねた世界に
あなたと住めたら、少しずつ
わかり得ない嘘たちを
微塵切りでわかりづらくしながら
浴衣姿で見上げる夜
花火は中止になりそう
まだ歩いたことのないルートで
帰り道はもう真っ暗
忘れないように言葉をあなたの
瞳をめがけて放つ
ファールフライ、取り逃がしたくらい
しょうがないよとか言われても
慰められやしない
いつか来た道をひとり帰る
違う未来のパラレルワールド
解説席から見下ろしていた
小さくなった2人の影
緩く伸びた自動販売機の脇で
描かないように想いを
流星に消して
タバコに火を灯した
久しぶりね、と



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