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【アイルランド】旅のしおり

アイルランドに来て約3カ月。到着以来働いていたホテルを辞め、新天地に移ろうと画策したが、なかなか家が見つからず。こういうときは慌ててもしょうがない。ということで、ちょっくら旅に出ることにした。

ずっと住み込みで働いていたので、正直アイルランドに来た実感があまり持てていなかった。アイルランドってどんな国?と聞かれても、まだ自分でもよくわかってない感じ。せっかく興味があってきたのだから、もっとアイルランドを感じたい!ってな感じで、今回はアイルランド南部を巡る旅である。

・・・といって書き出したのがすでに3カ月以上前。旅から戻って引っ越しをし、仕事探しに奮闘しているうちに、すっかり手が止まっていた。そんなわけで記憶が曖昧だが、旅しながら自分の備忘録的にも書いておきたいと思ったので、今回はアイルランドの旅の仕方をざっとまとめてみようと思う。

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交通手段①バス

アイルランドは車社会である。車がないと不便なことこの上ない。とはいえ、もちろん車を持っていない人もたくさんいる。そういう人が一番利用するのが、バスだろう。アイルランドはバスの路線が充実しており、市街地なら頻繁に走っている。

街から街への移動も、バスが一番使いやすい。本数は路線によって様々だが、観光客が行くような場所なら必ず一日何本かは往復している。ちょっとややこしいのが、バス会社がやたらあるということ。日本もそうだが、地域によって運営会社が違ったりする。それの何がダメなのかというと、チケットの購入方法などが会社によって違うのだ。

今回の旅で一番多く利用したのがBus Eireann。アイルランド語で「アイルランドのバス」という意味で、一番大きなバス会社だ。Bus Eireannは、ネット予約、リープカード(アイルランドの交通系プリペイドカード)、現金に対応している。ネットでアイルランドのバスの乗り方を調べると、大抵「お釣りはもらえない」と書いてあるが、Bus Eireannは現金で払ってもその場でお釣りがもらえる。ただしカード払いはできない。路線によってはできる場合もあるようだが、2023年時点では基本的に対応していない。


長距離タイプのBus Eireann 

一方、Dublin Coachに乗ったときは、ネット予約かカード払いのみで現金は対応していなかった。City Linkというローカル線は現金のみ。Dublin Busはリープカードか現金で、現金だとお釣りはレシートを受け取って、自分で事務所かなんかに行って交換してもらうらしい。とにかくどのバスに乗るかによって様々でややこしい。

基本的にTFI(Tranport for Ireland)という緑のマークがついているバスではリープカードが使える。ダブリンなどの都市部以外の場所でも使えるうえ、路線によっては現金より安いので、リープカードは持っておいた方が良い。

ちなみにリープカードは、街のコンビニなどで買える。スマホのアプリでトップアップができるので、いつでもお金をチャージできる仕組みだ。上手く読み取れないことがあったり、カードをいちいち読み込まないと残高が見れないなど多少難点もあるが、いつでもチャージできるので便利だ。

長距離移動のバスなら大抵ネットで事前購入できる。不安な時は前もって買っておくと安心だが、時間が決まってしまうのでやや不便だ。もちろんコーチ(長距離バス)でも乗車する時に支払いができるが、カードしか使えないこともあるので、カードは持っておいた方がいい。田舎に行けば現金払いのみの場合もあるので、現金も必須だ。うん、備えあれば憂いなし。

バスの乗り方だが、これはどのバスだろうが同じ。前のドアから乗って、運転手に行き先を告げ、支払いをする。リープカードなら専用の台にカードを置いて、ピピッと音がすればOK。現金なら支払いをしてレシートをもらう。ネット予約なら予約確認のメールか、QRコードがあればそれを見せてスキャンしてもらう。

降りる時はSTOPのボタンを押す。車内アナウンスがある場合もあるが、ちゃんと作動していないことが多いので、Googleマップで位置情報を確認しながら乗ると確実だ。Googleマップは何でも教えてくれる。ただし、コーチの場合はボタンがない。乗車時に行き先を告げるので、到着したら止まってくれるはずだ。これも案内がないことが多いので、Googleマップで確認する。

バス停でバスを待つ時だが、乗りたいバスが来たら手をあげて乗りたいアピールをする。バス停もバス会社によって違ったりするので注意。Googleマップ上ではここなんだけど何にもないな…。ということが何度かあり、周りを見渡してみると、道の反対側で人が列を作っていたことが2,3度あったので、アイルランドではGoogleマップに頼りすぎるのはたまに危険なようだ。

もう一つ気をつけたいのが、アイルランドのバスは遅れることが多いということである。市街地にはバスレーンがあるので、多少渋滞は避けられるが、それでも混雑時は遅くなる。個人的に一番問題だと思うのは、乗車に時間がかかること。運転手が一人で順々に対応していくので、支払いに時間がかかる。とくに本数の少ない路線や観光地になると、一回の利用客が多くなり、それだけ時間がかかる。しょうがないことだけど。

たまに運転手交代にあたることがある。バス停にバスを止め、その場で運転手が交代するのだ。乗車していれば座って待っていればいいが、これから乗車する場合は運転手の準備が整うまで待たないといけない。雨が降っていようが、寒さに凍えていようが、こちらのことはお構いなしにおしゃべりしながらゆっくり交代する運転手たち。これがアイルランドのサービス精神である。

交通手段②電車

都市間の移動には電車も使える。ただし、駅がある街は限られており、しかも本数はかなり少ない。丁度よいものがあれば便利だが、日本の電車事情と比べるとなかなか使いどころが難しい。

ただ、運賃はバスとほとんど変わらない。場合によってはバスよりも安いこともある。これは結構驚きだった。運賃を高いと思うか安いと思うかは人それぞれだろうが、バスより快適なので私は電車が好きだ。

ただし、時間もバスとほとんど変わらないことが多い。電車の一番の魅力である、速さという恩恵がないのだ。だから値段もバスと変わらないのだろう。新幹線のような特急もなく、のんびり進む電車は、アイルランドらしいといえばアイルランドらしい。

電車のチケットはネットで事前購入することができる。ネットで購入すると自動的に指定席になり、席に名前が表示される。指定料などはなく、むしろネットで購入した方が安い場合もある。

ここに名前が表示されていると予約済みの席になる

もちろん切符は駅でも購入できる。機械の操作も簡単で分かりやすい。ネットで購入した場合もこの機械で発券する必要がある。あまりたくさんは設置されていないので、ダブリンでは行列ができており、電車に間に合わないのではないかとハラハラした。

切符購入用の機械

改札は大きな駅にしかない。だいたいプラットホームの入口に駅員さんが立っていて、切符を見せて入場する。イギリスのように電車内での検札はなく、降りるときはそのまま外に出る。改めて、日本の電車システムは発達しているなあと思う。ネットやアプリで気軽に切符が買えないのが面倒だけど。

交通手段③タクシー

アイルランドの街にはタクシーがたくさん走っている。それだけ需要があるのだろう。田舎の方でも、電話で予約すれば利用できる。

私はタクシーがあまり好きではないのでまだ利用したことはないが、基本的に電話で予約するか、FREENOW というアプリを使って利用することが多い。バスは時間通りに来なかったり、時間がかかったりするので、急ぎの場合はタクシーが便利だろう。

宿泊施設①ホステル

私は最近、もっぱらホステルに泊まる。大部屋も二段ベッドも慣れてしまえばそれほど気にならない。他人が近くにいても、気にせず自分だけの空間を生み出せるようになってきた。もちろん、ホステルの醍醐味といえば、いろんな旅人に出会えるところだが、私は話しかけられない限り話しかけない。もちろん愛想は大事だ。挨拶もする。でも人とたくさん関わらないで済む方がリラックスできる自分は、できる限り周りをシャットアウトする。そういうバックパッカーがいてもいいだろう。

さて、アイルランドのホステル事情だが、あんまりない、という印象だ。首都ダブリンは多く、10軒くらいはある。だが、第二の都市コークには2,3軒しかなく、観光地であるゴールウェイなら7,8軒あるという感じ。他にも観光地なら数軒はあるが、選択肢は多くない。

今回は、ダブリン、コーク、キラーニー、ゴールウェイでホステルに泊まった。ダブリンではすでにいくつかホステルを利用しているが、今回のところが一番良かった。センターから少し離れた住宅街で、静かだしベッドもしっかりしていてカーテンがついている。

ダブリンの Garden Lane Backpackers

ちなみに、私がホステルを選ぶときに見るポイントは、女性専用ドミトリーがあるか、ベッドにカーテンがついているか、バスルームが使いやすそうか、の三点。

女性専用のドミトリーはあるところが多いが、ない場合もある。料金的には男女混合で大人数のドミトリーが一番安い。女性専用になると数ユーロ高くなるが、やはりそこは安心感を買う。

ドミトリーは基本的に二段ベッドで、上か下かは宿によっては選べるが、勝手に割り当てられることが多い。予約するときに確認する点は、何製のベッドか、カーテンがついているかどうか。スチール系で線の細いタイプはギシギシうるさい場合がある。大部屋でも、カーテンを閉めるだけで自分だけのプライベート空間をゲットできるので、カーテンは欲しいところだ。

トイレとシャワーは部屋についている場合と、部屋の外に共有のものがある場合がある。部屋付きのエンスイートだと夜など気を遣うし、個人的にはエンスイートじゃない方がいいのだが、まあどちらでも問題はない。部屋付きの場合でたまにめちゃくちゃ狭いことがあるので、そこは事前に写真で確認しておきたい。

アイルランドのホステルは無料の朝食がついているところが多かった。パンとシリアルがちょっと用意してある程度なので期待してはいけないが、毎朝トーストとコーヒーだけの私には十分だ。ただ、例えば9時までといわれて、8時45分くらいに行くともうなくなっている、という場合もあるので注意。基本的にある分だけという感じで、なくなったら終了なのだ。

ホステルの朝食にあったソーダブレッド

コークで泊まったホステルは一階部分がバーになっていて、夜は音楽の生演奏をしていた。パブというのは昔、旅人の宿兼食事処として生まれたものなので、昔ながらのスタイルだ。アイルランドにはそういう場所も多い。

今回の旅で一番のお気に入りはキラーニーで泊まったホステルだ。オーナーさんがとても気さくで、チェックインのときもキッチンの使い方から部屋まで細かく案内してくれた。ここは日程的に女性専用部屋が空いていなかったので混合部屋だったが、大きな木製のベッドにカーテンがついていて、特に問題なく泊まれた。

宿泊施設②AirB&B

いわゆるエアビ、民泊である。私はここ数年で知ったのだが、世界的に人気のある有名なサービスである。簡単に言うと、人ん家の空いてる部屋に泊めてもらう、という感じ。家の空き部屋を貸してる人がいたり、一棟貸しもよくあるので、友達同士や家族など数人で泊まる場合に利用する人も多い。一時的な滞在先として、長期滞在する人もいる。割高だが、要は部屋を借りるのとそんなに変わらない。

私は一度だけ友達と旅行したときに使ったことがあるが、個人で使うのは初めてだった。泊まりたい街にホステルがない場合、エアビで探すのが一番安い。ただ値段設定はオーナー次第で、何部屋もあるようなホテルとは違うため、早めに予約しないと安くて良いところはすぐに埋まってしまう。今回はオフシーズンだったため、そこまで苦労せずに予約できた。

キルケニーとトラリーでエアビを利用したが、対照的でなかなか面白かった。キルケニーの宿は、代々受け継いできたという昔ながらの家で、アンティーク好きのオーナーのこだわりが随所につまっていて最高だった。到着して、お茶をいただきながら世間話をしつつ、軽く観光案内をしてくれた。日本人が来たのははじめてだという。光栄だ。手作りのソーダブレッドを朝食に食べていいと言ってくれたので、ありがたくいただいた。飲み物も自由に飲んでいいと言ってくれたが、電気ケトルはなく、古い薪のオーブンを使って、やかんでお湯を沸かす。『魔女の宅急便』でキキの部屋にあるような、常にあったかいやつ。あれはアイルランドでもなかなかないだろうな。

キルケニーで泊まった部屋

一方トラリーでは、到着時に軽く挨拶しただけで、あとは完全ノータッチだった。部屋は広くホテルのようにきれいで、しかもエンスイートだったので、自分専用のバスルームがあった。キッチンは使えなかったので食事は自分で用意する必要があるが、とても快適だった。

エアビは見ず知らずの他人の家に泊まるので、予約するときのレビューチェックは重要だ。中には変な人もいるみたいなので、気をつけないといけない。

ちなみに、普通のB&Bもアイルランドではたくさん見かける。B&Bも基本的には人の家に泊まる、というコンセプトだが、食事がついていたり、部屋数が多かったり、エアビよりもちゃんとビジネスとしてやっている。その分値段も高くなるので、今回の旅では利用しなかった。

宿泊施設③ホテル

もちろん、ホテルもたくさんある。ただ安くても一泊€70くらいする。普段€30とか€40でホステルに泊まる私には少々贅沢だが、たまになら良いかな。今回はリムリックでどうしても安い宿が見つからなかったので、ホテルに一泊した。日本のビジネスホテルとほとんど変わらないが、なぜかシングルルームはあまりないので、ツインやダブルの部屋に泊まることになる。

常に人が近くにいるドミトリーでも気にならなくなってきてはいるが、完全に一人きりになれる空間はやはりホっとする。長旅の場合は、たまにこういうホテルに泊まるのも大事だ。

レストラン事情

旅からすでに数カ月が経過し、正直各地で何を食べたかはあまり覚えていない。食事にめっぽう興味のない私は、旅費をケチるため、ホステルに泊まるときはスーパーで適当に買ってきたものを、自分であっためたりして食べることが多い。

アイルランドは、どこにでもカフェとパブがある。特にパブはマジでどこにでもある。軽食だけでなくちゃんとした夕食も食べられるところが多いので、困ったらパブに行く。まさしくアイルランドの生活に欠かせないのだ。

一方、カフェも割とどこにでもあり、お腹が空いたら適当にカフェに入る。店によって様々だが、ランチタイムだとデリをやっていて、ショーケースに並んだものから好きなものを選んでサンドイッチやサラダを頼むこともできる。

大きな町に行けば、イタリアンやインド料理など、各国料理のレストランがある。キルケニーではエアビのオーナーさんに勧められたアジア料理店に行ってみた。リムリックでも日本食レストランに入ってみたが、味はまずまずといった感じだった。

リムリックの日本食レストランで食べた天丼

今回は以上である。実際に旅した場所についてはまた次書くつもりだ(たぶん)。

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