月並ハイジ

Guidance llc所属。 Script writer・writer。 物語を創る人。または出る人。 140文字以内の掌編物語と、 朗読音声動画をUPしていきます。

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マガジン

  • 漫画【All I Want...】

    GUIDANCE-TV ショートムービー 『All I Want...』続編を漫画にしちゃいました!

  • 小説【月並な話】

    -本が好きなあなたへ。少し毒のある物語を- 140字以内の掌編作品たち。 『読みたい』はこちらで!

  • 音読女子【月並な話】

    -お耳を1分、貸してください- guidance llcとのコラボ企画。 物語を【声】でもお楽しみください。 『聴きたい』はこちらで!

最近の記事

🌛【漫画】All I Want...第2話(後)

前回のお話を読まれていない方はこちら。 第2話「拳銃を返す(後)」 原案・監修 渡邉直也 原作 月並ハイジ 作画 大木智夏

    • 🌛【漫画】All I Want...第2話(前)

      GUIDANCE-TV製作ショートムービー  All I Want...(第1話はコチラから) 第1話のあらすじ誰にだって返したくても返せないものがある そんなワケ有り品の返品を代行する、 通称 『返し屋』 那奈人(岩岡徹)。 ある日、返し屋の窓口となっている葵(冨手麻妙)のBARに依頼にやってきたのは、大金を持った謎の女子高生、虹花(上田操)だった。 虹花は母親にピアスを返して欲しいと頼むが・・・ ◇CAST・STAFF 脚本 渡邉直也/月並ハイジ 監督 渡邉

      • 🌛月並な話 vol.29【ジャングルジム】

        ジャングルジム 夜の小学校に忍び込んでジャングルジムに登った。 月明かりに照らされる横顔が妙に漫画みたいでおかしい。 話続けるうちに空が淡いオレンジに包まれていく。君の長い髪がふわりと揺れて甘い香りがした。 そろそろ帰ろうか。 そう言いかけて、僕は口をつぐんだ。 無機質なジャングルジムが僕らを支えていた。

        • 🌛月並な話 vol.28 【さよなら花火】

          さよなら花火 さようなら。みなさん。今までありがとう。 最後の線香花火がパチパチと鳴る。 みんなで過ごした思い出が、火薬の匂いと一緒に、弾けて煙になっていく。 「たまには連絡しろよ」 不意にかけられた声に驚き火種が落ちた。 「俺の勝ちー」変わらないみんなの笑顔に、 どこだって頑張っていける気がした。

        マガジン

        • 漫画【All I Want...】
          2本
        • 小説【月並な話】
          29本
        • 音読女子【月並な話】
          9本

        記事

          🌛月並な話 Vol.27 【三番線】

          三番線 同じ時間。いつもの駅。 今日から新学期。この車両に彼は乗ってくるだろうか。 私はブレザーだけど、彼は学ランがとても似合う「ドアが閉まりまーす」 ドンと衝撃でイアフォンが外れた。 「すみません!」 学ランの彼を背中に感じる。鼓動が早くなる。 はめ直したイアフォンからは大好きな曲が流れていた。

          🌛月並な話 Vol.27 【三番線】

          🌛月並みな話 vol.26 【ジェリーフィッシュ】

          ジェリーフィッシュ 目の前には、たくさんのミズクラゲが浮かんでいた。透明なジェリーに鮮やかな照明が反射する。 「綺麗ですね」彼はそう言ったきり。 私たちはずっと水槽を見ている。 突然シャッターをきる音がした。 「やっとこっち向いた」彼は照れくさそうに言う。笑顔を青い光が照らす。 水槽の前、初めて手をつないだ。

          🌛月並みな話 vol.26 【ジェリーフィッシュ】

          🌛月並みな話 vol.25 【ゴリラペンギンとネコキリン】

          ゴリラペンギンとネコキリン 「ゴリペンと呼んでください!見た目はゴリラ。 歩き方はペンギンです!」 第一印象はなんだか怖い。 けど本当は優しくて頼りになって可愛いゴリペン。 林檎を一緒に食べた。 青魚は得意じゃないみたい。 「ネコキリンと呼んでください!目は猫。 体系はキリンです!」 「呼びづら」といってゴリペンは笑った。

          🌛月並みな話 vol.25 【ゴリラペンギンとネコキリン】

          🌛月並みな話 vol.24 【金魚】

          金魚 彼とのベッドから這い出して 金魚に餌をあげるのが日課だった。 パクパクと口を動かす真っ赤な生き物。 彼が引っ越すまであと3日。 彼女との同棲が決まったらしい。 いつものように床をコロコロする。 金魚に会えなくて寂しい?  彼は微笑むだけで何も答えてはくれない。 それでもいいか。彼が餌をくれる間は。

          🌛月並みな話 vol.24 【金魚】

          🌛月並みな話 vol.23 【色を置く】

          色を置く 恐ろしいほどに真っ赤な太陽を2度みたことがある。中国の夕焼けとトルコの朝焼け。 今でもはっきり浮かぶ。 目に飛び込んでくるほどの赤。 炎で覆われた街並みに、一人残されたような赤。 赤は私を捕らえ、私は全てをキャンバスに落とす。 ご飯を食べるように 眠るように 誰かを愛するように。 私は色を置く。

          🌛月並みな話 vol.23 【色を置く】

          🌛月並な話 vol.22 【夕やけ図書館】

          夕やけ図書館 夕やけ図書館で本を読む。 もうどれくらい時が経っただろう。 今日も貴方が本を借りにくる。 忘れていた自分の記憶の物語を借りにくる。 関連本も2つ、3つ。 悲しい話だから、あえて貸し出ししない本もある。私は貴方の為に本を読んでいる。 貴方がいつ来ても良いように、 夕やけ図書館はいつも開いている。

          🌛月並な話 vol.22 【夕やけ図書館】

          🌛月並な話 vol.21 【あじさい】

          あじさい あの人は母親というより一人の女だった。 楽しかった思い出もあまりない。 庭に咲く紫陽花。 あの人が育てていた花。 ずっと好きになれないまま、母は死んだ。 「お母さーん」 庭で娘がカタツムリを手に乗せて笑っている。 自分が親になってみてわかる事もある。 「今行くよ」 紫陽花は今年も綺麗に咲いている。

          🌛月並な話 vol.21 【あじさい】

          🌛月並な話 vol.20 【ニョッキDAY】

          ニョッキDAY 木曜日はニョッキの日。私はそう決めている。 ニョッキを食べると良いことがあるから。 今日は彼に告白をする。 いつもの倍ニョッキを食べた。 ニョッキを食べると良いことがあるから。 タッパにニョッキを詰めて彼に持って行こう。 チーズ味とトマト味。 まるで私たちみたいじゃない? 第一声はこれでいこう♪

          🌛月並な話 vol.20 【ニョッキDAY】

          🌛月並な話 vol.19 【祷り】

          祷り 黄色い絨毯はイチョウの葉だった。 山々が秋で染まる頃、私は踊る。死者の為に。 戦で死んだ者、病に倒れた者、身寄りのない死者の鎮魂の為に、夜通し舞い続ける。 山の神をこの身に宿して。 死者の無念に寄り添うように。 残された者の悲しみを拭うように。 朝焼けが全てを包み込むまで 私は祈り続けるのだ。

          🌛月並な話 vol.19 【祷り】

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          🌜【音読女子】メモ

          読み手 キノリユノ 僕は明日の僕にメモを残した。 赤と黄色のレンガだらけの街で、迷わず君に辿り着けるように。 途中のパン屋でカンパーニュを買い、花屋では春色のチューリップを買おう。 フローテ・ローゼン通りを左。 君は退屈に窓のカーテンを眺めているだろうから。 メモに残した言葉を握りしめ、明日の僕は家を出る。

          🌜【音読女子】メモ

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          🌛月並な話 vol.18 【告白】

          告白 「恭子さん。僕は君のことが・・・」 ・・・何してる。ちゃんと言え。 告白する為だけに俺は、筏で大海原を渡り、素手で3000mの山を登り、鰐のいる川を全裸で泳ぎきり、毒蜘蛛の潜むジャングルを進むこと2週間。 もう小1時間、君を待たせている。 「恭子さん、す・・・す・・・寿司だと何がスキ?」

          🌛月並な話 vol.18 【告白】

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          🌜【音読】ペトリコール

          読み手 小福 差した傘が水滴を弾いて、激しい音を立てた。 こんな天気の時は、母さんはずっと家に居てくれたし、機嫌がいい時には黄色いレインコートを買ってくれた。 僕は毎日逆さまのてるてる坊主を作って吊るす。 優しい母さんが好きだった。どこからか土の匂いがする。服が冷たいけれど僕は外でずっと待っている。

          🌜【音読】ペトリコール

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