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企業統治のあり方を動的モデルから考える

ホンダと日産との経営統合の話は二転三転し、結局無くなってしまいましたが、企業の経営革新は常に求められていくべきものであると思います。
今日の日経新聞の経済教室では、「経営革新を阻んだもの」として、京都大学教授の山田仁一郎さんが「統治は生きている」というタイトルで書かれています。

企業で統治と言えば、コーポレートガバナンス(企業統治)ですが、昨今もフジテレビ等の疑惑で騒がれているように、ステークホルダーを守る様々な対応が取られている一方で、そのこと自体が現場での競争力向上に結びついていない現実が述べられています。
そうした制度適応のための形式的な対応が、経営戦略・人材戦略と乖離することにより、企業の持続的成長には繋がっていない、という現状です。

そうした状況において、どのような統治機構が適切なのでしょうか。
山田さんの論考を結論的に言えば、企業が成長・発展していく全ての時期において適切な統治機構という固定したものは無く、企業が参入している市場の中で、企業の発展時期において、その都度適合的に進化し続ける動的な仕組みと捉えた方が良い、ということでした。
そのためのモデルが図示されていますが、興味深い内容だな、と感じました。

企業統治のライフサイクルと基盤となる人材構造の動的モデル(山田)

私自身が所属する企業に当てはめてみると、今は成長期であり、企業内の関係性を志向するスタイルから、企業内の人材戦略や具体的な育成、業務分掌等のガバナンスを効かせる仕組み作り等を含んだ企業戦略を策定し、実行する段階にいるのかな、と思いました。

加えて、持続的な成長を達成するためには、統治形態の進化・変化に伴い、経営者の選任と育成の方法を見直す必要があることも触れられています。

経営って、社内の仕組みも大事ですが、やはりそこで働く人が運命を左右するものなのだと思います。
そこにおいては、どういう人材が育成されるのか、どういうキャリアを積めるのか、といったことも企業が成長する段階では大事になるものでしょう。

自身の成長も大事ですが、一緒に働いてくれている社員の成長もしっかり配慮しないといけない、と思える論考でした。

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