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小説書く君、ちょっとおいで。お題小説の話しよ?

小説書きはなぜお題小説に集い、書くのか。
いろんな動機はあると思う。



お題小説の意義

コミュニティへの帰属意識を高めるため
宣伝広報活動の一環で
仲間探しに

このあたりが分かりやすい表の動機かも。

裏の動機としてはこんなのがあると思う。
本人が明確に自覚しているかどうかは別として。

技術研鑽
技術テスト
市場調査

自分はずっとこの裏の目的が大きかったと思う。
お題小説って、数をこなすと飛躍的に技術レベルが上がるから。

思考の導線が可視化される

お題と字数のしばりのなかで、我がこととして一度真剣に考えて小説を書く。その感覚がホットなうちに全く同じ規定で書かれた他の方のものを読むと、組み立てや要点の違いが明確に見える。そこから学ぶことが多い。この差異がはっきり分かる、ってのがすごくいい経験値になる。

違いであって、必ずしも優劣じゃないんだけど、それでも発想と構成と表現がきれいに調和して仕上がっている方のを見ると、やっぱり打ちのめされることはある。くそ、うまいな!! こういう人には勝てねぇわ。って。
二十代後半くらいまではやっぱり人と比べて落ち込んだりもした。
自分はなんて下手なんだ、ボウフラになりたい……と。今はもう開きなおって解脱した。

ひとしきり落ち込んで回復したあと、自分の弱点やうまい人の優れた点を分析しておく。すると、次作以降で煮詰まったときに天の啓示のようにその視点が下りてくることがある。「あの人がやってた、あれをやるんだったらこんな感じかな?」みたいな。新たな手法や発想がそこで自分のものになる。


しばりの強いコンテストの練習になる

がちがちの文学賞になればなるほど、規定がゆるい。
残念ながら小説家志望ではなかったということに気づいた賞金稼ぎの私は、そんながちがちの賞には出さない。
さっといってもらえそうなところに出かける。
近ごろのそういうタイプのコンテストは「こういうの書いてくれ!」が明確だ。規模の大きいお題小説である。
お題で書きなれていないと、運営さんのニーズに添った作品は書けない。

弊社既作の『イケメン特殊部隊「112th CSF」活動記』は、ある恐ろしい難易度のコンペに出した話だ。


6人のイケメンのイラスト、6種の武器、武器にはまった謎の玉──。
お題要素はざっと思い返しても19もあった。恐ろしすぎる。

難易度エクストリームで参加者が少なかった。
武器にイケメン、ほんのりBL風と得意な要素が詰まっていた私は意気揚々と参加したが、想像以上の難易度にはじめて追い詰められた。
この話はまた後日したい。

現実に、こんな頭のおかしい難易度のコンテストは存在していたということを、世の小説書きに知って欲しい。
お題小説の経験値がなければ、到底書き切れなかった。


そして今月またお題小説に参加させてもらうよ!


艶事が下手くそすぎるので私的には全くBLは書かないんだけど、シナリオや脚本含め、なぜか仕事で何度も書かせてもらっていた。

自分の世に出した小説の一作目がすごい仕事引っ張ってきてくれたんだけど、それにBLっぽい、もしくは界隈受けするっぽいシーンがあったからかもしれない。

たぶん、昔はファンタジーの世界観でBL書ける人が少なかったんじゃないかと思われる。同じような立ち位置の人のところにも、めちゃくちゃ仕事来ていたからね。今じゃ別に珍しくないのに、時代だね。

ボーイズラブは本当に難しいので、学ぶことが多い。

しかもこちらのお題は、ウェルカムな雰囲気に反して難易度高め。

今回のお題は
いい夫婦の日
ポエム
右ストレート

4回目の開催にして、これでお題は簡単な方なんですって!
クレイジー(誉め言葉)ですよね。
皆さん、「右ストレート」は平気で「ポエム」に苦戦されているご様子。

しかし、右ストレートって現代恋愛やBLにそんな普通に組み込めるもん?
ポエムの方が扱いやすくないの……?
と驚きつつ、楽しみにしているところ。感性だよね。

私は一作現代で無難に書き終え、右ストレートとポエムの使い方がもの足りなかったので件の『イケメン特殊部隊「112th CSF」活動記』の世界観でもう一本書き、計二本出させてもらう予定です。

イケメンの方はめいっぱいふざけ散らかして書いたので、タイトルは「愛のこもったプレゼントは 右ストレートでぶっこんで爆破する」にしようかと。

なんだかんだ言ってもお題小説は祭り。
企画準備、開催してくださっている楓莉さんとなみさんに感謝。
読ませていただくのが楽しみだなあ。







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