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あらゆる環境で青単フルパーミッションを回そう!

はじめまして、へぎー(@heggie023)と申します。カウンターバーンや青単フルパーミッションといったカウンターデッキが好きな青使いです。

ここ数年、いろんな構築環境で青単フルパーミッションを回していて、各環境で共通する気付きなどをまとめました。冒頭文で「気付き」と書いていてさもデッキ構築のハウツー記事かのような雰囲気を醸し出しておりますが、正直のところ「など」の部分の回顧ポエムがメインディッシュとなりますのであしからず。


そもそもフルパーミッションとは

カウンター呪文で相手のスペルを延々と打ち消すデッキをパーミッションデッキもしくはカウンターデッキと言いますが、そのなかでもカウンターがデッキの3割以上を占めているものは、フルパーミッションと呼ばれています。一般的な60枚の構成であれば18枚以上が目安ということになります。カウンターがそこまで入ってないパーミッションは青白や青黒、青赤といった多色構成が多いですが、カラーパイ的にカウンターがあるのは青だけなので、デッキの3割もカウンター呪文が占めている≒2色目に割ける比率が少なくなるため、フルパーミッションデッキは青単であることが大半です。フルパーミッション以外にも、メガパーミッション、フルカウンター、ドローゴーとも呼ばれていますが、ほぼ同意義となります。

マジックの歴史でいえば、パーミッションデッキ自体は黎明期から存在(The Deckやカウンターポストトンゴネイションなど)してましたが、最初にフルパーミッションと呼べるデッキが登場したのは私が知るかぎり1998年。それはヨーロッパ選手権で活躍したフルカウンターの青単だったので、ヨーロピアンブルーもしくはユーロブルーという通称がつきました。インターネットで検索するとランディー・ビューラー氏についての記事が上がってきますが、当時発行されたのマジック専門雑誌(RPGマガジンやデュエリスト・ジャパン)を見ると、台湾のデジタル大臣として最近話題のオードリー・タン(唐鳳)氏も、このユーロブルーで台湾選手権98優勝、アジア太平洋選手権98ベスト8と輝かしい成果を出しています。
また、翌年1999年には、ドローゴーの語源となったデッキで、ランディー・ビューラー氏は世界選手権99スタンダード部門で全勝というパーフェクトな結果を残しています。


マジックにおける青の立ち位置とカウンターのゲームバランス

01_青の説明

mtg-jp.com公式サイトより

マジックにおける青の役割はカウンター、バウンス、ドロー強化、コントロール奪取、コピー、対象変更と、他の色に比べれば比較的トリッキーな機能が多いです。これらを好む人は斜に構えたひねくれ者が多いように感じますが、青単フルパーミッションは、マジックにおける青を体現したデッキと言えます。古い言葉で「青使いは友達をなくす」とも言われており、娯楽・コミュニケーションツールである筈のマジックにおいて、これらばかり使って得意な態度を取っていると、周囲から人は離れていくでしょう。

また、こうしたカウンターの「ハメ要素」がそもそもゲームとしてよろしくないと感じたのか、WotCはカウンター呪文の全般的な弱体化などをはかり、青の万能さを失わせました。マジック黎明期のシンボル的なカードであった《対抗呪文/Counterspell》は第7版を最後にスタンダード落ち(2003年8月)し、それから現在に至るまでの17年間で《対抗呪文/Counterspell》は一度もスタンダードに帰ってくることはありませんでした。《対抗呪文/Counterspell》の次に定番ともいえた《魔力消沈/Power Sink》も、第6版を最後にスタンダード落ち(2001年5月)しています。『カウンター呪文』そのものはマジックから消えることはありませんでしたが、第10版(2007年7月)で《取り消し/Cancel》が印刷され、制約・裏目のないCounter target spellのためには1UUというコストが基本となりました。(余談ですが2020年4月現在にスタンダードに《取り消し/Cancel》自体は存在しておらず、その上位互換版がコモン・アンコモンに複数存在しております。また、制約付きですが2マナカウンターもそこそこ充実しており、もしかすると今のWotCは以前よりはカウンターに対する圧を弱めているのかしれません)

02_カウンター2枚

とはいえ、スタックルールがないと成立しないカウンター呪文は、巷にあふれるTCG・DCGの中でマジックの顔のひとつと言え、カウンターデッキに存在感がないのはブランドの大きな損失と言えます。この記事を読んでいる有志の皆様でフルパーミッションを回し、「あのいけ好かない青使い」と陰口を叩かれヒールキャラを気取り、マジックの世界観を盛り上げてやりましょう!


青単フルパーミッションの基本的な動き

青単フルパーミッションの動きはとてもカンタンです。土地だけ置いて何も呪文を唱えずにターンを返し続け、そして相手の呪文をほとんどカウンターで1:1交換し続け、有効な攻め手(以下、有効牌)をすべて封じます。そしてカウンターを握って相手が勝つことができない状態を維持して、最終的にはデッキ内にほんの数枚だけ入っている勝ち筋(以下、フィニッシャー)で勝利します。つまり「負けなかったら僕の勝ち」という発想の長期戦デッキです。

mtg-jp.com公式サイトでも青は「高度な知性」なんて書いてあり、青やコントロールは「知的」「難しい」みたいな印象をお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、こと青単フルパーミッションだけに関していえば選択肢がほぼ一択しかないため、プレイ難易度は実はとても低いデッキだと私は考えております。

官給品のパーミ

K8ファイヤーデュエルメン第24話より(パーミッションは官給品として支給されるぐらい、いかにも正しい選択なんです!)

有効牌をカウンターを打ち漏らしたらそれが敗着となるため、いかにカウンター呪文が尽きない状態にするかが重要です。デッキの3割程度がカウンターで構成されている以上、初手7枚にはカウンターがだいたい2-3枚は引けており、初手にあったカウンターをすべて使い終わっても、毎ターンカードを引いていれば、たまにカウンターが手札に補充されていきます(このあたりの確率の肌感は、低マナ域の多いアグロデッキにおける土地と同じぐらいと思えばイメージしやすいかもしれません)。対戦スタート時点では先手後手、マリガン有無、相棒の有無という多少の差はあるものの、基本的には相手とカード枚数(以下、リソース)差はほぼなく、こちらがクリーチャーを展開してない以上は相手が除去呪文を握っていればそれが無駄牌となるので、序盤の間はこちらがリソース差で若干の優位があり、1:1交換を越えられる可能性は低いことになります。また、引きムラで下振れすることを考慮して、仮にカウンターできるとしても、パワー0のマナクリーチャー、パワー1でいずれは対処しなければならないが当面放置しても問題ないクリーチャーなどにはカウンターは使わず節約します。

対戦相手がどこかで呪文をプレイしないターンができるか、もしくはこちらの土地が伸びてカウンターしながらなおマナが余る状態になったら、安全なタイミングでドロー強化呪文を唱えて手札を増やし、リソース差を広げ1:1交換の状態を盤石にします。


青単フルパーミッションの構成要素

青単フルパーミッションの構成要素は、土地・カウンター・ドロー強化・除去・フィニッシャーの5要素に分かれます。以下の要件を満たす必要があるため、これらの要素は多少ひとつのカードに兼用させる必要があります。

【土地】キャントリップやサイクリングの枚数次第ですが、基本的には素引きで4ターン目ぐらいまでは確実に土地が置きたいので、24枚~26枚あたりになります(※ビッグ・ブルーゼロックスやオプトブルーには当てはまりません)。土地の選定条件は以下2つとなります。
・青マナの出る土地が16-18枚以上(カウンターは色拘束が濃くなりがち)
・マナ以外の機能(クリーチャー除去、土地破壊、ミシュランなど)がある土地を6-8枚積む

また、序盤は素引きで土地が伸びないといけないので充分な枚数を入れる必要がありますが、伸び切った後は引き過ぎたくない、数少ない勝ち筋を占術でボトムに送ってしまったみたいなケースを踏まえ、青単色であるにも関わらず《寓話の小道/Fabled Passage》や《廃墟の地/Field of Ruin》といったフェッチランドを1-2枚積むことをオススメします。

【カウンター呪文-2マナ以上】カウンター呪文選定にあたっては「2マナ以下のカウンター呪文」「3マナ以上のカウンター呪文」の2つに分けて検討します。現代のマジックで制約や裏目のないCounter target spellをするためには3マナ以上が必要ですが、3マナ台のカウンターばかり積んでしまうと先手であれば相手1-2ターン目の行動、後手であれば1-3ターン目の呪文が素通してしまうため、フルカウンターを実現するためには制約や裏目を踏まえてなお2マナ以下で打てるカウンターが一定量入れる必要があります。当然ですがその制約付きの2マナ以下のカウンター呪文は2ターン目に手札になければならず、当たり前に素引きしているためには10-12枚は積む必要があります。裏を返せば、その環境でプレイアブルな青一色の2マナ以下カウンターが3種類以上存在しないなら、青単フルパーミッションを組むのは難しいので諦めたほうが良いと断言できます。

【カウンター呪文-3マナかそれ以上】何かしら制約や裏目のあるカウンター呪文が10-12枚埋まりましたが、それだけでは序盤は凌げても、その制約や裏目のせいでゲーム中盤以降で何かしらの有効牌を通してしまう脆弱性を残してしまいます。そのため、2マナ以下のカウンターではカバーしきれない、オールレンジかつ確定カウンターも一定枚数入っている必要があります。肌感としては6枚以上、欲をいえば8枚は欲しいところです。

これら2マナ以下、3マナ以上のカウンター呪文を合計18枚以上積みます。

【ドロー強化】リソース差をつけるために1枚のカードで2枚分以上のカードに変換できるドロー強化が、デッキの中に一定枚数必要になります。たった1枚のカードで劇的にリソース差をつけるというよりは、中盤ごろにムリなく打てるぐらいの重さのドロー強化を何回か連鎖的に打っていき、最終的に大きなリソース差をつけることが理想です。土地を伸ばしながら1:1交換を繰り返しているうちに最初の1枚目を素引きできるぐらいの枚数は欲しいですが、あんまり枚数を取りすぎても序盤に使えない無駄牌を序盤で抱えることになるため、6-8枚程度積んだうえで、それとは別にキャントリップやサイクリング、フェッチランドでのライブラリ圧縮により引く確率を高めるのが良いです。

また、モダンやパイオニアではカウンターの機能を持ちながらドロー強化もできる《謎めいた命令/Cryptic Command》《タッサの介入/Thassa's Intervention》が存在し、リストの省スペース化および柔軟性を持った動きに貢献しています。

【除去】2ターン目からカウンターを構え、途中でドロー強化するのでそれ以降の対戦相手の呪文は通らない構成になりました。が、こちら先手であれば相手の1ターン目、後手であれば相手1-2ターン目の有効牌は必ず通ってしまいます。それらを後追いで対処するための除去手段が、多少は必要となります。除去方法は以下のようなものがあります。

【除去-①破壊する】青単でも使える破壊手段を取りましょう。性能が悪い、限定的、重いとして、対処したいのは1-2マナの比較的貧弱なクリーチャー1-2体なので、ライフがギリギリ残るまでにそいつらを除去れれば役割としては充分です。冒頭の1998年のヨーロピアンブルーでは《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》《流砂/Quicksand》が、1999年のドローゴーでは《火薬樽/Powder Keg》が採用されています。今のスタンダードでいえば《爆発域/Blast Zone》が《火薬樽/Powder Keg》を彷彿とさせる機能で存在し、1-2マナクリーチャーを一掃したいという要求にもマッチしています。
また、マナベースが許し、適当な除去が他の色にあるのであれば、他色の除去呪文を4枚だけ採用する、みたいなことも考えられます。ただし多色化は青単の部分がちゃんと機能し、なおかつ2色目の除去カードと土地がセットで揃うという条件になるため、デッキ全体の安定感を考えれば半端な多色化はオススメできません。(以前私も赤のX火力4枚だけ積み、除去兼フィニッシャーとした青単タッチ赤のリストを試しましたが、その時は青単の方が強いという結論になりました)

【除去-②バウンスする】青のカラーパイの一つですが、意外とこちらはオススメできません。相手の手札に戻して時間は稼げても、こちらはカードを1枚消費しているのに相手は変わらずでこちら側が1枚分損しています。つまりバウンスで失ったリソースをどこかで取り戻さないといけなくなり、この差が後々のカウンター打ち漏らしの原因になりうります。また、バウンスを入れる枚数も難しく、少ないと肝心なところ(序盤~中盤)で引けず、多いと複数枚引いてリソース損をします。カウンターが間に合わないとても軽い相手や、リアニメイトなど何かしらのリスクを冒して重クリーチャーを素早く出そうというデッキでもないかぎりバウンスという手段は安定感がないため、メインボードでは《謎めいた命令/Cryptic Command》のようなパワーカードでもないかぎりは不採用もしくはピン差しまでが良いでしょう。
ただしとても軽量かつパワーの高いクリーチャーが多いアグロデッキの場合は、前述の破壊手段が間に合わないことも多いので、リソース差のデメリットをカバーできるのであれば、サイドボード要員としてのバウンスはとても優良です。

【除去-③タフネスの高いクリーチャーを壁にする】カウンターが間に合わないということはコストが軽いクリーチャーということになるため、裏を返せばそれらより一回り大きいサイズのクリーチャーを立たせておけば、無力化できます。それらの生物のパワーよりタフネスが高ければ充分ですが、パワー0の壁よりは、軽クリーチャーを屠るだけのパワーがあるクリーチャーの方が制圧力は高まります。

ただしこの方法は2点ほど欠陥があります。
・一定のサイズ感の壁役クリーチャーを出すためにそこそこマナが掛かり、カウンターの構えが弱くなる
・こちらがクリーチャーを展開してなかったがゆえに無駄牌となっていた相手手札の除去の的になる
あくまで他の制止手段のサブ案として考えましょう。

また、せっかく一定サイズのあるクリーチャーを準備するなら、それをそのまま終盤のフィニッシャーに転用すると良いです。というより「小物クリーチャー制止用の壁役がいずれフィニッシャー役を果たす」または「フィニッシャーを早めに設置して盤面を制圧する」という話なので、フィニッシャー選定はこうした盤面制圧に貢献するかも踏まえて選ぶと良いでしょう。

【除去-④コントロールを奪う】青のお家芸の一つである「コンマジ」で、相手クリーチャーのコントロールを奪いましょう。コンマジ系カードは1枚で除去しつつこちら側にクリーチャーがある状態にする1:2交換となるため、だいたい割高であったり、何かしらの制約があります。それらも踏まえて有効なコントロール奪取手段があれば、採用しましょう。
コントロールを奪ったクリーチャーのみを勝ち筋とするのも伊達で良いですが、相手のデッキのクリーチャーの質次第では勝ち手段として成立しないことも多いので、コントロール奪取手段とは別に、フィニッシャーは最低枚数準備した方が良いです。

【除去-⑤コピーする】除去・壁役と同じ発想で、そのクリーチャーをコピーして彼我のリソースを相殺します。コピー系カードはコントロール奪取ほど重くはないものの、コスト的に割に合わないことが多いため、基本的にはオススメしません。私がこの方法を用いたのはかつてイクサランブロックで打ち消されない・呪禁・サイズがでかい《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》が暴れていた頃、迷走の果てに「《多面相の侍臣/Vizier of Many Faces》4枚+不朽/Embalm能力のトークンで、相手がコントロールする《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》と同じ数かそれ以上の数の《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》をこちらがコントロールしている状況を作る」という雑な対処法を取っていました。

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【フィニッシャー】自分がいくつかの環境で回した結論としては、後述のサンプルデッキの通り、大きく分けて「対処されづらいフィニッシャー専用カードを積む」か「ミシュラランドなどフィニッシャー機能付きカードを束で詰む」の2種類が定番でした。前者については初手~中盤で引いても使えないお荷物なので極力引かないよう、1-2枚に抑えて「いつか引く」で良しという考えにしましょう。
いずれの場合もフルパーミッションは「盤面が制圧状態に持っていけるかどうか」が重要なので「制圧したあとすごく強いかどうか」は正直どうでもいいです。除去されない状況が作れるなら、極論すれば更地に1/1クリーチャー1体いれば勝ち筋としては充分です。
そのため、マジック黎明期の名作デッキでは《虹のイフリート/Rainbow Efreet》《変異種/Morphling》《パリンクロン/Palinchron》といった除去体制のある大型クリーチャーを1-3枚だけ積むのが当時のトレンドでしたが、近年でみるパーミッション系デッキにおいては、盤面制圧に役立つ中堅クリーチャーや、マナソースとしてカウントできるミシュラランドを4-8体積んで、それらでスクラム的に殴りきる方が主流になってきていると言えます。


令和でも組める!
青単フルパーミッションのサンプルリスト

以下の3つのリストは、直近で私が回しているリストです。

【スタンダード】フィニッシャーは 《サメ台風/Shark Typhoon》ですが、エンチャントとして設置するよりはサイクリングでのプレイで《総動員地区/Mobilized District》も合わせてスクラムに削りきることが多いです。

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【パイオニア】サブタイプで砂漠を持つ土地が13枚あり、ライブラリを削ることのできる《イプヌの細流/Ipnu Rivulet》を7回ぐらい起動してライブラリアウトさせます。土地を並べ続けカウンターをし続け、時が来たら(相手のライブラリーが20枚台になったら)エンドに《イプヌの細流/Ipnu Rivulet》を起動し続ける、相手からしてみればゲームをしている感が乏しいデッキとなります。こちらのリストは青単と言いつつ、無色ランドが多いことを利点に《次元の歪曲/Spatial Contortion》を採用しているのでタッチカラーありの実質2色デッキと言えます。ちなみに砂漠がスタンダードリーガルだった2018年頃、同じコンセプトでBMOやPPTQなどの競技イベントを回しておりましたが、動きはほとんどかわりません。

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【モダン】トロンの強いモダン環境であるため、土地対策を強めに取っています。トロンや多色が当たり前のモダンにおいて 《疑念の影/Shadow of Doubt》でサーチ不可にした状態での《幽霊街/Ghost Quarter》での一色集中の土地破壊は相手のデッキ機能を大きく抑え、《祖先の幻視/Ancestral Vision》が解けるまでの時間稼ぎになったり、《マナ漏出/Mana Leak》の有効期限を大きく伸ばします。また、トロンは必死に集めたトロンランド3枚で《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》を召喚しますが、同じことを青単フルパーミッションならたったの島6枚で実現することができます。

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一般的なアーキタイプとの相性

彼我のカードプール次第ですが、だいたいの環境で以下のようなマッチアップとなります。
【軽いアグロ】その環境で取れる軽い除去が間に合うかどうか次第。
【ミッドレンジ】有利なことが多い。
【コントロール】有利なことが多い。
【コンボ】有利なことが多い。
【墓地活用系】墓地対策をしてもクソビートで負けるパターンが多く、諦めた方が良い。


青ヘイトへの対処の仕方

【打ち消されないカード】それでも打ち消せるカード("追放"や"戻す"系)か、カウンター以外で無力化する手段を考えましょう(前述のコピーのような)。
【軽いアグロ】軽量生物向けのボードワイプか、壁役クリーチャーの他、上でオススメしないと書いたバウンスをサイドに積みましょう。なお、色気を出して2マナ以上の+α機能付きでなく、《送還/Unsummon》を使おう。軽さは正義。ドロー強化は削っていいケースが多い。
【墓地を使う】《虚空の力線/Leyline of the Void》や《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》といったえげつない墓地対策を入れた上で、クソビートへの対処手段を考える。壁役クリーチャーが間に合えばOKだが、そうでなければ諦めましょう。
【土地】割りましょう。《アーデンベイル城/Castle Ardenvale》を許すな。
【起動型・誘発型能力】《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》や相手が使う《サメ台風/Shark Typhoon》は《もみ消し/Stifle》的なカードがあれば一番ですが、そう都合よくいかないことが多いので「もっとデカいサメを出す」など、食らう前提でそれを上回るIQの低い対策を考えましょう。
【フラッシュ生物】土地を伸ばして後続をカウンターできる状態で除去するしかないです。


対人戦の心がけ

リアルの大会に青単フルパーミッションを持ち込むと、面白がってくれる人も多いですが、ガチで嫌がり露骨に態度に出す人もたまにいます。それはせっかく休日に楽しみで大会に来ているのに、呪文を全部カウンターして気分台無しにしてくるこちらが悪いので、相手の態度は正しいです(ストレスは我慢しすぎない方が良いですもんね)。青単フルパーミッションを大会に持ち込むなら、そのあたり覚悟しましょう。

また、フルパーミッションはゲーム終了までにターン数が多く掛かるデッキではありますが、プレイ自体はドローゴーが基本で「どちらのカウンターを残した方が受けが広いか」「ここでリスクを取ってドロー強化を突っ込ませるか」辺りの検討を1ゲーム中に2,3回する以外は迷う場面がほぼありません。メジャーで使われているアーキタイプでないので、むしろ相手が悩んで時間を取られることが大半です。ですので「相手がフルカウンターで遅いせいで延長入っちゃった」なんて言われないよう、プレイスピードは早めを意識しましょう。(とはいえ、このデッキを使ってて相手がちょっと悩んでいるところでこちらから「早くプレイしてください」と指摘すると"最高にイヤな奴"になれます。他者とのコミュニケーションは本当に難しいですね)

また、対戦時は礼節は欠かさないようにする一方、フレンドリーな態度を取りすぎてもあとで「その態度自体がハナに付く」ことになりかねませんので、心理的距離も適度に保つことをオススメします。

リアルでなくMagic OnlineやARENAなら対戦相手と顔を合わせることがないため、このあたり気がラクです。MOのチャット欄で煽られてもカモメだけ飛ばしてスルーしましょう^^

また、メインボードで相手が青単と認識すると、墓地対策とアーティファクト対策をサイドインされることが多いです。そのため、アグレッシブサイドボーディングを考えるときも、それらは候補から外した方が良いかもしれません。
前述のモダン版青単フルパーミッションであれば、メインボードの《ヴィダルケンの枷/Vedalken Shackles》を相手が見たか見てないか関係なくアーティファクト対策は積まれやすいため、裏をかいて「割られても問題ない《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》を活用する」という動きをしてます。


終わりに

正直、フルパーミッションは招かれざるアーキタイプで、カードプール的にTier1になりづらいと思います。とはいえ、なんとかそんな開発元のゲームデザインに打ち勝ち、昭和のマジックを末永く楽しめれば幸いです。本当にこの記事、誰にあてたものなんだ?




更新内容

2020/4/26午後
①日本語がおかしい箇所を修正しました(清書しろ)
②トンゴネイションを追記しました(名作で、リストを見てるだけで心が洗われます)
③ 《魔力消沈/Power Sink》を追記しました(本当に良いカウンターです。惜しいカードを亡くしました)
④官給品のパーミを使うおじさんが登場する話数が間違っていたので修正しました(K8ファイヤーデュエルメンは名作なので、1話から読みましょう)

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