【S&P500】と【オールカントリー】どちらを選ぶべき?半分ずつ買う戦略はどう?
資産運用を考える際、多くの投資家が検討するのが【S&P500】と【オールカントリー(全世界株式)】だろう。
この2つのインデックスファンドはどちらも優れた選択肢であり、特に長期投資に適しているが「どちらを選ぶべきか?」という疑問を持つ人も多い。
さらに「S&P500とオールカントリーを半分ずつ買う戦略」についてもよく議論されてる。
この戦略が本当に合理的なのか?
そして、どちらが自分に合った投資先なのかを検証してみたいと思う。
まず【S&P500】について解説しよう
S&P500は、アメリカ市場に上場している代表的な500社の企業で構成される株価指数である。
アメリカ経済の強さを反映しているため、特にアメリカ市場の成長を信じる投資家にとっては非常に魅力的な投資先となるだろう。
S&P500には
Google
Amazon
Facebook
Apple
Microsoft
といった世界をリードする企業が含まれており、これらの企業の技術革新や成長をダイレクトに享受できるのだ。
S&P500の過去30年のパフォーマンスは以下の通り
年間平均リターン:【約10.5%】
最大下落率:2008年のリーマンショック時に【-37%】
ボラティリティ(価格変動):標準偏差で【約15%】
このようにS&P500は非常に高いリターンを誇り、特にテクノロジーセクターの成長が大きなドライバーとなっている。
リスクを伴いながらもアメリカの技術革新や経済成長を信じる投資家にとって、S&P500は一貫して魅力的な選択肢と言えるだろう。
では、S&P500のメリット・デメリットについて解説しよう
S&P500のメリットは、まず高いリターンである。
過去30年間の年間平均リターンが【約10%以上】という非常に優れた成績を誇っており、長期的な投資において高いリターンが期待できるからだ。
また、アメリカの大企業への投資ができる点も魅力。
先ほど解説したGAFAM以外にもテスラなどの世界をリードする企業が多数含まれており、これらの企業の成長を享受できるのが強みだろう。
特に【テクノロジーセクターの強さ】は顕著であり、ITやテクノロジー分野での成長を先取りすることが可能である。
一方で、当然S&P500にもデメリットもある…。
まず地域分散がないことがその1つであり、アメリカ市場に集中しているため他国の成長機会を逃すリスクがある。
さらにアメリカ経済が不調に陥った場合、下落リスクも高くポートフォリオ全体が大きな影響を受けることになるだろう。
次に【オールカントリー】について解説しよう
オールカントリー(全世界株式)は【MSCIオールカントリー・ワールド・インデックス】という指数に連動する商品で、世界中の株式市場に投資することができる。
具体的には
アメリカ
日本
ヨーロッパ
新興国など
さまざまな地域の約3000銘柄に投資できるため、地域分散を図りながら成長の機会を捉えることができる。
オールカントリーの過去30年のパフォーマンスは以下の通り
年間平均リターン【約8.7%】
最大下落率:2008年のリーマンショック時に【-41%】
ボラティリティ:標準偏差で【約13%】
オールカントリーはアメリカ市場が約60%を占めるが、それ以外の国への投資が含まれている。
このため、アメリカ市場のリスクを分散しつつ世界全体の成長に乗ることができるオールマイティーな投資なのだ。
また【新興国の成長ポテンシャル】を享受することができ、長期的には安定したリターンを期待できるだろう。
では、オールカントリーのメリット・デメリットについて解説しよう
オールカントリーのメリットは、まず地域分散によるリスク軽減だ。
世界中の株式市場に分散投資できるため、一国の経済不調に左右されにくいという利点がある。
また【新興国】の成長ポテンシャルも魅力的であり【中国】や【インド】といった新興国にも投資しているため、今後の成長を取り込むことができる。
さらに、長期的な安定性が期待できる点も見逃せない。
アメリカ市場に依存しつつも他の地域でリスク分散が図れるため、安定した成長が見込まれるからだ。
一方で、オールカントリーにはデメリットもある。
まず、リターンが若干低いことだ。
S&P500に比べて成長の遅い国や地域も含まれているため、リターンが抑えられる可能性が高い。
また、新興国がリスクに変化する可能性もある…。
政治的な不安定や経済リスクが高い国も含まれるため、短期的なボラティリティをリスクとして考慮する必要がある。
直近10年のリターンを見てみよう
S&P500とオールカントリーのリターンを比較すると、以下のような結果が得られる。
【S&P500のリターン(2013-2023年)】
年間平均リターン:【約12.3%】
コロナショック時:2020年は一時的な下落にもかかわらず、年間リターンで約【18%】の上昇。
【オールカントリーのリターン(2013-2023年)】
年間平均リターン:【約9.4%】
コロナショック時:アメリカ市場ほどのリバウンドはないが、安定した回復を見せた。
このデータから
リターン重視ならS&P500
リスク分散と安定性重視ならオールカントリー
という結論が導かれるだろう。
では、それぞれを半分ずつ投資する戦略の合理性は?
「S&P500とオールカントリーを半分ずつ買う」という戦略を検討する際に注意すべきポイントがある。
それは【オールカントリーの60%がすでにアメリカ株式で構成されている】ということだ。
つまり半分ずつ投資すると、結果的にアメリカ市場に対して【80%程度】の投資割合になってしまうのだ。
これでは地域分散の効果が十分に発揮されないため、リスク分散を図るという目的が失われてしまう…。
分かりやすい金額で半分ずつ投資してみよう
100万円をそれぞれ半分ずつ投資した場合、以下のようになる。
S&P500:50万円
オールカントリー:50万円(そのうち30万円がアメリカ株式、20万円がその他の地域)
結果としてアメリカ市場に【80万円(全体の80%)】が投資されており、残りの20万円しか他の地域に分散されていないのだ。
これでは重複投資が発生し、分散効果が薄れてしまうだろう…。
両方の良い所を取るというよりは、何とも中途半端なポートフォリオになってはいないだろうか?
自分に合った選択をするためには?
最終的に、どちらを選ぶべきかは投資家自身のリスク許容度や投資方針によって異なるだろう。
アメリカ市場の成長を信じるならS&P500が最適だ。
特に過去30年間のデータを見ても、年間平均リターンは10%以上と非常に魅力的なパフォーマンスを示している。
一方で、世界全体に分散してリスクを抑えつつ
安定したリターンを狙いたいならオールカントリーが適している。
アメリカ市場が約60%を占めつつも、日本・ヨーロッパ・新興国などにも投資され地域分散が効いているため、一国のリスクに左右されにくい。
投資は長期的な視点を持ち、リスクとリターンのバランスをしっかりと考えた上で選択することが大切だ。
また【S&P500とオールカントリーを半分ずつ買う戦略】は一見合理的に見えるが、実際にはアメリカ市場への依存度が高くなりすぎる。
このため、分散投資の効果が薄れてしまう。
したがって、どちらか一方に集中した方が効率的なのは間違いない!
私自身、積み立てnisaはオールカントリーにフルベット(年120万円)している!
S&P500はアメリカ市場の成長を享受できる一方、オールカントリーはアメリカ以外にも
日本
ヨーロッパ
新興国など
多様な地域の経済成長を取り込めるだろう。
これにより、特定の国や地域の不調による影響を抑えつつ世界全体の成長に期待できる。
また、積み立てNISAを活用することで非課税で長期の資産運用が可能になるのだ。
結論として、長期的な資産形成では
オールカントリーは、最高の投資先と言えるのではないだろうか?
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