「マンガ・ゲーム・アニメ」は海外産でも「Vtuber」の起源は日本な件。
いきなりですが、大リーグで活躍している大谷選手と同じ地元だったら何だか嬉しくないですか?自分が好きだったり、関心があるものの起源と自分が関係を持っていたとき何故か嬉しくないですか?
こんにちは。2020年に大手証券会社からドロップアウトして、エンタメスタートアップで働いているアラサー、ひでふくです。
今回は世界でも流行っている日本のエンタメコンテンツの中でVtuberだけが日本起源のコンテンツっぽいという話をします。
はじめに
結論を先に言うと、エンタメコンテンツは基本的に海外発祥のものばかりですが、Vtubeは日本発祥です。
少しでもエンタメコンテンツの歴史を調べたことがある方にとっては知っている情報ばかりかもしれませんが、自分はこの既存の事実に気づいたとき嬉しかったのであえて記事にしたいと思いました。
日本が誇るエンタメコンテンツと言っても人によって思い浮かべるものが違うかもしれませんが、クールジャパン戦略でも注目されている「ゲーム・マンガ・アニメ」の起源をお伝えし、最後にVtuberの話をします。
マンガの起源
まず初めにマンガの起源についてみていきます。
皆さんがご存じの通り、日本のマンガコンテンツは世界中で人気があります。中でも最近第100巻の刊行を迎えた大人気作品「ONE PIECE」についてはこれまで累計で9000万部も海外で発行されています。
しかし、マンガが”日本で生まれた"コンテンツではないことはご存じでしょうか?
所説ありますが、世界で一番最初に連載されたマンガは1867年にイギリスの『Ally Sloper』と言われています。
以下、『Ally Sloper』のWikipediaの文章をGoogle翻訳したものになります。
「アレクサンダーアリースローパー」は、英国の漫画「アリースローパー」の名を冠した架空の人物です。 彼は最も初期の漫画のキャラクターの1人であり、漫画の最初の繰り返しキャラクターと見なされています。
翻訳前の文章に、「He is one of the earliest comic strip characters」という言葉がある通り、最も初期のマンガキャラクターであったという形で確認できています。
日本のマンガは新聞の創刊と合わせた明治以降と言われている一方、
『Ally Sloper』の連載が始まった1867年の日本はまだ江戸時代です。
また、スーパーマンなどのアメリカンコミックも1800年代には創刊されており、当時の日本のマンガ家も影響を受けていたと言われています。
平安時代に描かれたといわれる「鳥獣戯画」をマンガの起源と考える見方もあるみたいですが、いわゆるキャラクターがいて、ストーリーがあって、連載が継続するような現代のマンガの形ではないため、マンガの起源は海外であるという考え方が妥当かなと思います。
ゲームの起源
次にゲームの起源についてみていきます。
1983年に登場した任天堂の「ファミリーコンピュータ」が世界で初めての家庭用ゲームだと思っている方もいるのではないでしょうか?
調べてみるとファミリーコンピューター以前にもゲームの歴史が結構あって意外でした。
ゲームの起源としてはアメリカでゲームセンターなどに設置する「アーケードゲーム」が先に生まれ、そのあとに今主流となっている「家庭用ゲーム機」が誕生したとされています。
世界初の「アーケードゲーム」はアメリカのアタリ社が1971年に販売をした『コンピュータースペース』、
初代「家庭用ゲーム機」はマグナボックス社が72年に商品化した『ODYSSEY』と言われています。
アタリ社もマグナボックス社どちらもアメリカの会社になります。
1972年の『ODYSSEY』を初代のゲーム機とすると来年2022年は「家庭用ゲーム機50周年」になりますので、なんだか感慨深いですね。
ちなみに、アーケードゲーム初代のアタリ社の「アタリ」という名前の由来は日本の囲碁からきているらしく、これもまた少し感慨深いです。
アニメの起源
「アニメ」と言っても定義は一つではありませんが、実写部分を含まない世界最初の純粋な短編「アニメーション」の初代は1908年フランスの『ファンタスマゴリ』と言われております。その後アメリカや、中国でも何作品かのアニメ映画が上映されています。(情報源:wikipedia)
そして日本で制作された最初のアニメは1917年の『凸坊新畫帖 芋助猪狩の巻』とされています。
語弊がないように言っておくと、
日本で一般的になっている作画枚数を抑えた「リミテッドアニメーション」という手法を用いた「テレビアニメ」については、1963年の手塚治虫の「鉄腕アトム」が元祖です。※原作マンガは1952年
「リミテッドアニメーション」についてはVtuberのLive2D配信とよく似ている部分があり面白いので、また別の記事で語りたいと思います。
一般的に日本アニメの礎を作ったのは手塚治虫と思われていますが、
手塚治虫自身がディズニーなどの海外の作品に影響を受けていたという話が有名であるように、アニメの元祖についても日本ではありません。
Vtuberの起源
それでは最後にVtuberの起源についてみていきたいと思います。
これは起源というよりも語源に近いかもしれませんが、
2016年12月に活動を開始した『キズナアイ』が「Vrtual YouTuber」の元祖とされています。
(日本のwikipediaも海外のwikipediaもキズナアイが元祖とされているため、有力だと思う)
厳密に言うと、キズナアイはインターネットのVirtual空間の住人であるため、「国籍のないワールドワイドウェブ」が起源という言い方ができるかもしれませんが、都合の良い解釈として日本を起源とします。
キズナアイ以前にも、3DCGとモーションキャプチャー技術を使用してニコニコ動画でVtuberのように振る舞うニトロプラスの『すーぱーそに子』やウェザーニュースの『Airi』は存在していたので、Vtuberの定義を変えると、もしかしたら彼女らが元祖になってくるかもしれません。ただ、いずれにせよVtuberの起源は日本という形で変わりません。
なぜ日本でVtuberが誕生したのかはまた別の機会に考えたいと思いますが、「マンガ、ゲーム、アニメ」と同じく、世界に通用しそうな日本のポップカルチャーであるVtuberが日本発祥であるということは嬉しいことだと思います。
2016年にVtuber「キズナアイ」が誕生してから今年で5年目になるわけですが、すでに「ホロライブ」のように日本だけでなく、海外でも人気を獲得しているVtuberがいて嬉しく思います。今後も日本初のポップカルチャーの世界進出に心から期待したいです。
最後に
今回は「マンガ、ゲーム、アニメ」の起源は日本ではなく、海外であり、
Vtuberは日本が起源ということをお伝えいたしました。
今回の話をまとめた画像は下記の通りです。
「マンガ、ゲーム、アニメ」の起源と今の状況をみて感じることは、
日本はゼロから文化を創る国ではなく、海外の文化を受け入れ独自に進化させ新しい価値を生み出してきたのかなと感じました。
そして2016年に誕生した「Vtuber」については珍しく日本がゼロから創った全く新しい文化ということで、「Vtuber」という文化の今後のますますの発展を応援していきたいと思います。