編入数学 要点まとめ
こんにちは。hechiMaです。
編入数学に取り組んでいる高専生に向けて、というのは建前で、勉強中の自分へ向けて、数学の要点や公式、解き方などについてザックリまとめていきます。間違い等多々あると思いますので、コメントにてご指摘お願いします。
随時追加していきますのでそれではどうぞ。
極限
基本のキ
無理式(√の中に多項式がある式)を含んだ$${\infty-\infty}$$の不定形⇒共役な数を掛けて有理化する。
$${\frac{\infty}{\infty}}$$の不定形⇒分母と分子を、分子の最も次数が大きい文字で割る。
三角関数の極限
ネイピア数eの定義より
ロピタルの定理
使うための条件は
$${\lim\limits_{x \to a} \frac{g(x)}{f(x)}}$$が$${\frac{0}{0}}$$か$${\frac{\infty}{\infty}}$$の不定形
$${\lim\limits_{x \to a} f'(a) \neq 0}$$
なお、この定理は複数回行うことが可能なため、1回で極限が求まらない場合は複数回定理を適用する。
はさみうちの定理
周期関数は取る値域が限定されている(例:$${-1 \leqq \sin x \leqq1 }$$)ことを用いる方法。
$${\lim f(x)}$$において$${f(x)}$$を定数ではさみ、その極限値を求める。
KYOKUGEN WAZA
$${\lim\limits_{x \to a} f(x)}$$が$${0^0}$$や$${\infty^0}$$の不定形の場合は以下のように解く。
$${f(x)=y}$$とおく。
$${\lim\limits_{x \to a} f(x) = \lim\limits_{x \to a} e^{\ln y}}$$となる。
$${\lim\limits_{x \to a} \ln y}$$を求め、$${\lim\limits_{x \to a} f(x)}$$の値を求める。
※途中で$${0 \times \infty}$$の形が出てきた場合、$${\frac{\infty}{\infty}}$$の形に変形し、ロピタルの定理を適用する。
極限値の例を示す。
$${\lim\limits_{x \to -\infty} e^x = 0}$$
微分
微分の定義
微分公式
ライプニッツの公式
n次導関数を求めるとき、以下の公式を用いる。
※rはg(x)の最高次数である。
r+1回微分すると0になるためこのような公式となる。
微分可能性を調べるには
$${f(x)}$$が$${x=a}$$で微分可能であることを示すには
$${f'(a)=\lim\limits_{h \to 0} \frac{f(a+h)-f(a)}{h}}$$
を用いる。
f(x)がx=aで連続か調べるには
$${\lim\limits_{x \to a}f(x) = f(a)}$$を示す。
$${x=\pm a}$$で関数が異なる場合、$${\lim\limits_{x \to +a} f(x)}$$と$${\lim\limits_{x \to -a} f(x)}$$の両方を求める。
対数微分法
指数に関数がかかっているときに用いる
(例:$${y=(\cos x)^x}$$において、$${y'}$$を求めよ。)
両辺の対数を取る($${\ln y = \ln \{(\cos x)^x\} = x \ln (\cos x)}$$)
両辺をxで微分する($${\frac{1}{y} \cdot y' = \ln (\cos x) + \frac{x}{\cos x} \cdot (-\sin x)}$$
y'を求める。
($${y' = y \left\{ \ln(\cos x) - x \frac{\sin x}{\cos x} \right\} = (\cos x)^x \left\{\ln(\cos x) - x \tan x \right\}}$$)
※二重で指数がかかっているときは、指数部を文字でおいて、二回対数微分法を用いる。
増減表
関数の概形や極値、最大・最小値を調べるとき、増減表を作る。以下の手順に従う。
$${f'(x)}$$及び$${f''(x)}$$を求める。
$${f'(x)=0}$$、$${f''(x)=0}$$となる点を求める。
$${f'(x)<0}$$のときf(x)は減少、$${f'(x)>0}$$のときf(x)は増加
$${f''(x)<0}$$のときf(x)は上に凸、$${f''(x)>0}$$のときf(x)は下に凸
ここから増減表を完成させる。
グラフの書き方
$${y=f(x)}$$を満たすxの範囲を調べる。
その範囲を用いて増減表を作る。
$${\lim\limits_{x \to \pm\infty} f(x)}$$を求める。
これらを基に、グラフを描く。
接線の方程式
$${y=f(x)}$$において、接点$${(a,b)}$$における接線の方程式は
$${y-b=f'(a)(x-a)}$$
で求められる。
接点ではなく接線が通る点が分かっている場合、接点をtなどの文字でおいて表し、上の式に代入してtの値を求め、接線の方程式を立てる。
|g(x)|≦h(x)を示すには
$${|g(x)| \leqq h(x) \ \Leftrightarrow -h(x)\leqq g(x) \leqq h(x)}$$より、
①$${0 \leqq f_1(x) = g(x) + h(x)}$$
②$${0 \leqq f_2(x) = -g(x) + h(x)}$$
の二つを示す。
つまり、$${f_1(x)}$$、$${f_2(x)}$$のそれぞれの最小値が0以上であることを示す。
BIBUN WAZA
$${f'(x)=0}$$のとき、f(x)は定数関数であるから、f(x)の値を求めたいとき、xにはどんな数を入れてもよい。
$${y=f(x)}$$と$${y=g(x)}$$が$${x=t}$$で接するとき、
・$${f(t)=g(t)}$$
・$${f'(t)=g'(t)}$$
の二つが成り立つ。
$${ax^3+bx^2+cx+d=0}$$が相異なる3つの実数解を持つということは
$${y=ax^3+bx^2+cx}$$と$${y=-d}$$の交点の数が3つということ。
接線がn本書けるということは接線の方程式がn個存在するということ。
二つの関数の出発点が同じなら、微分係数の大きい方が上側に来る。
積分
積分の定義
積分公式
置換のコツ
$${\int (a^2-x^2)^{\frac{b}{2}} dx}$$(a,b:実数)の形の場合、
$${x=a \sin \theta}$$と置換する。
$${t=\tan\frac{x}{2}}$$と置換したとき
$${\sin x = \frac{2t}{1+t^2}}$$
$${cos x = \frac{1-t^2}{1+t^2}}$$
$${tan x = \frac{2t}{1-t^2}}$$
$${dx = \frac{2}{1+t^2}dt}$$
となる。
面積
$${a \leqq x \leqq b}$$において$${g(x) \leqq f(x)}$$のとき、面積は
$${\int_a^b \{f(x)-g(x)\} dx}$$
で表される。
$${\alpha \leqq \theta \leqq \beta}$$において$${r=f(\theta)}$$の面積は
$${\frac{1}{2} \int_{\alpha}^{\beta} \{r(\theta)\}^2 d\theta}$$
で表される。
曲線の長さ
$${a \leqq x \leqq b}$$における$${y=f(x)}$$の長さは
$${\int_a^b \sqrt{1+(y')^2} dx}$$
で表される。
$${\alpha \leqq \theta \leqq \beta}$$において$${r=f(\theta)}$$の長さは
$${\int_{\alpha}^{\beta} \sqrt{r^2 + (\frac{dr}{d\theta})^2} d\theta}$$
で表される。
回転体の体積(x軸まわり)
$${y=f(x)}$$の回転体の体積は
$${\int_{a}^{b} \pi \{f(x)\}^2 dx}$$
で求められる。
$${a\leqq x \leqq b}$$において、$${f(x) \geqq g(x)}$$のとき、回転体の体積は
$${\int_a^b \{ \pi (f(x))^2 - \pi (g(x))^2 \} dx}$$
で求められる。
広義積分
$${f(x)}$$が$${x\to\infty}$$で未定義の時、
$${\int_0^{\infty} f(x) dx = \lim\limits_{a \to \infty} \int_0^a f(x) dx}$$
で求められる。
微分積分学の基本定理より
$$
F(x)= \int_{g(x)}^{h(x)} s(t) dt のとき、\\
F'(x)=s(h(x))\cdot h'(x) - s(g(x))\cdot g'(x)
$$
媒介変数表示の積分
$${x=f(\theta), y=g(\theta)}$$で表されるとき、$${\alpha \leqq \theta \leqq \beta}$$における$${y}$$の$${x}$$による積分は
$${\int_{\alpha}^{\beta} y \frac{dx}{d\theta} d\theta}$$ で表される。
SEKIBUN WAZA
部分積分の公式は積の微分公式から導出する。
線形代数
内積・外積
$$
\vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}| |\vec{b}| \cos{\theta} \\
\vec{a} \times \vec{b} = |\vec{a}| |\vec{b}| \sin{\theta}
$$
球の方程式
$${(a, b, c)}$$を中心とする半径rの球の方程式は
$${(x-a)^2+(y-b)^2+(z-c)^2=r^2}$$ で表される。
平面の方程式
$${x_0, y_0, z_0}$$を通り、法線ベクトル$${\vec{n}=(a, b, c)}$$をもつ平面の方程式は
$${a(x-x_0)+b(y-y_0)+c(z-z_0)=0}$$ で表される。
⇒平面上の座標、法線ベクトルの二つが分かれば求まる。
直線の方程式
$${x_0, y_0, z_0}$$を通り、方向ベクトル$${\vec{u}=(a, b, c)}$$をもつ平面の方程式は
$${\frac{x-x_0}{a}=\frac{y-y_0}{b}=\frac{z-z_0}{c}}$$ 及び
$${x=x_0+at, y=y_0+bt, z=z_0+ct}$$ で表される。
⇒直線上の座標、方向ベクトルの二つが分かれば求まる。
直線と点との距離
直線$${ax+by+cz+d=0}$$と点$${x_0, y_0, z_0}$$との距離は
$${\frac{|ax_0+by_0+cz_0+d|}{\sqrt{a^2+b^2+c^2}}}$$ で表される。
内分点
点A$${(a_x, a_y, a_z)}$$と点B$${(b_x, b_y, b_z)}$$において、線分ABを$${i:j}$$に分ける点は
$${\frac{j(a_x, a_y, a_z)+i(b_x, b_y, b_z)}{i+j}}$$ で求められる。
線形部分空間
ベクトル$${\vec{v_1}, \vec{v_2}}$$が張る線形部分空間とは、
$${U=\{s\vec{v_1} +t \vec{v_2} | s,t \in \mathbb{R}}$$ で表される平面をさす。
正射影ベクトル
正射影とは、ベクトルに光を当てた時の影のベクトルである。
ベクトル$${\vec{a}}$$のベクトル$${\vec{b}}$$への正射影ベクトル$${\vec{s}}$$は
$${ \vec{s} = (\vec{a} \cdot \vec{b}) \frac{\vec{b}}{|\vec{b}|} }$$ で表される。
一次独立・一次従属
$${c_1 \vec{v}_1 + c_2 \vec{v}_2 + \cdots + c_n \vec{v}_n = \vec{0}}$$と置いた時の解が
⇒$${c_1=c_2=\cdots =c_n=0}$$ なら一次(線形)独立
⇒それ以外の解があれば一次(線形)従属
なお、$${c_1 \vec{v}_1 + c_2 \vec{v}_2 + \cdots + c_n \vec{v}_n}$$の形を一次(線形)結合という。
線形独立なベクトルによる線形結合の係数の組はただ一つである。
線形写像
ベクトル$${\vec{x}, \vec{y}}$$、及び$${a}$$について、線形写像$${f}$$に関して以下の式が成り立つ。
$${f(\vec{x} +\vec{y}) = f(\vec{x}) + f(\vec{y})}$$
$${f(a\vec{x})=a f(\vec{x})}$$
なお、以下の式が成り立つとき、$${\vec{s}}$$を固有ベクトル、$${\lambda}$$を固有値という。
$${f(\vec{s}) = \lambda \vec{s}}$$
固有ベクトルは線形写像$${f}$$によって向きの変わらない特別なベクトルで、固有値はその拡大率をさす。
グラム・シュミットの正規直交化法
$${\mathbb{R} ^3}$$のベクトル$${\{\vec{a_1}, \vec{a_2}, \vec{a_3} \}}$$から、$${\mathbb{R} ^3}$$のの正規直交系$${\{\vec{u_1}, \vec{u_2}, \vec{u_3} \}}$$を構成する。
余因子行列を用いた逆行列の求め方
$${\widetilde{A}}$$を余因子行列とするとき、逆行列$${A^{-1}}$$は以下の式で表される。なお、$${|A|}$$は行列$${A}$$の行列式の値である。
正方行列について
正方行列$${B, C}$$に対し、$${E}$$を単位行列とするとき、
$${BC=E}$$が成り立つなら$${B}$$は正則、$${B^{-1} =C}$$である。
転置行列について
添え字$${{}^t}$$を転置行列を示す記号とするとき、以下の定理が成り立つ。
対称行列と交代行列について
$${{}^t X}$$を行列$${X}$$の転置行列とすると、
$${X=-{}^t X}$$を満たす$${X}$$を交代行列、$${X={}^t X}$$を満たす$${X}$$を対称行列という。
ここで、行列$${A}$$について、対称行列を$${S}$$・交代行列を$${T}$$とすると、交代行列と対称行列の和で次のように表すことができる。
※n次の交代行列について、
nが奇数⇒行列式の値は0 / nが偶数⇒行列式の値は0でない
トレース
$${X}$$を正方行列とするとき、$${tr(X)}$$を$${X}$$のトレースと言い、対角成分の和を示す。
$${A, B}$$を任意の正方行列とするとき、以下の定理が成り立つ。
行列式の基本性質
行(列)ベクトルが和の形 ⇒ 行列式を分けて足す
同じ行(列)ベクトルがある ⇒ 行列式の値は0となる
行(列)を入れ替える ⇒ $${-1}$$倍する
ある行(列)が$${c}$$(定数)倍されている ⇒ $${c}$$をくくりだせる
ある行(列)に別の行(列)の定数倍を加える ⇒ 行列式の値は変わらない
※各行(各列)の和が等しい場合、一つの行(列)に全ての行(列)を足すとその行(列)の値が等しくなるため、共通因数をくくりだせる。
行列式に関する定理
$${A, B, C}$$を正方行列、$${O}$$を零行列とする。
このとき、以下の定理が成り立つ。
スカラー三重積
三つのベクトル$${\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}}$$が張る平行六面体の体積は、以下のスカラー三重積で表される。また、この値は$${\vec{a}, \vec{b}, \vec{c}}$$を列ベクトルとする行列の行列式の値と等しい。
クラメルの公式
連立方程式の解の判別
連立方程式を拡大係数行列を用いて表したとき、以下のように解を判別できる。なお、$${\mathrm{rank}A}$$とは行列$${A}$$の階数を表す。
SENDAI WAZA
その他
関数の概形
$${y= \log x}$$、$${y=e^x}$$のグラフは以下の形になる。
極座標$${(r, \theta)}$$において$${r=a(1+\cos \theta)}$$(aは定数)で表される曲線をカージオイドという。そのグラフは下のような形になる。
$${x=a(t-\sin t), y=a(1-\cos t)}$$(aは定数)で表される曲線をサイクロイドという。そのグラフは下のような形になる。
逆関数
存在条件は次のいずれかを満たすこと。
・$${f'(x)<0}$$:f(x)が単調減少
・$${f'(x)>0}$$:f(x)が単調増加
次のような手順で求める。
$${y=f(x)}$$とおく。
二次方程式に持ってくるなどの方法を用いてxについて解く。
xとyを入れ替え、f(x)で表す。
極座標
$${(x,y)=(r \cos \theta, r \sin \theta)}$$とおいて直交座標に変換する。
展開公式
三角関数に関する公式
等比数列
初項a、公比rのとき、
一般項:$${a_n=ar^{n-1}}$$
和:$${S_n=\frac{a(1-r^n)}{1-r} (r \neq 1) =an (r=1)}$$
二次方程式
$${ax^2+bx+c=0}$$が虚数解をもつとき、
$${ax^2+bx+c>0}$$である。
定数の値
π=3.141592…
e=2.171812…
WAZA CRAFT
相似比が$${m:n}$$のとき、面積比は$${m^2:n^2}$$である。
$${a\leqq0}$$なら、$${a=-\sqrt{a^2}}$$である。
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