【センサ②】各種センサについて解説!
力センサ
抵抗変換形のセンサです。基本原理を以下に示します。
「力の測定」≒「微小変位の測定」となります。
ひずみセンサ
抵抗変換形のセンサです。基本原理を以下に示します。
ρ:金属の抵抗率、l:線の長さ、S:線の断面積
としたとき、金属線の抵抗Rの値は
で表されます。
上図のように、「ひずみ(物理量)」を「lとSの変化」を介して「Rの変化(電気量)」に変換しています。
・構造図は以下のようになります。
・ストレインゲージを利用した他の測定は以下のように行われます。
変位センサ(キャパシタンス変換形)
変位センサにはキャパシタンス変換形とインダクタンス変換形の2種類が存在する。まずキャパシタンス変換形の原理について解説する。
ε:誘電体の誘電率、S:電極の面積、d:電極間の距離とすると、
コンデンサのキャパシタンスCは、
と表されます。
下図のように、「変位(物理量)」を「Sとdの変化」を介して「Rの変化(電気量)」に変換しています。
変位センサ(インダクタンス変換形)
仕組みを以下に示します。
温度センサ
ここでは2種類紹介します。
電圧変換型のセンサです。
・熱電対
ゼーベック効果を利用した温度センサです。
詳しい説明は省きますが、T1を基準温度とした際、発生した熱起電力の大きさから、T2の温度が測定できます。
・赤外線センサ
焦電(パイロ)効果を利用した温度センサです。
焦電効果とは、温度変化によって強誘電体に電荷が発生する現象です。
その他
その他のセンサについて解説します。どちらも抵抗変換形です。
・金属抵抗
T:温度、 T0:0℃あるいは室温、 R0:T0での抵抗、 β:抵抗温度係数
としたとき、金属抵抗Rの値は
で表されます。抵抗値は温度とともに増加することが分かります。
ここでは「温度(物理量)」を「Rの変化(電気量)」に変換しています。
・半導体抵抗
T:温度、 T0:0℃あるいは室温、 R0:T0での抵抗、B:B定数
としたとき、半導体抵抗Rの値は
で表されます。抵抗値は温度とともに減少することが分かります。
この部品は別名「NTCサーミスタ」とも呼ばれます。
ここでは「温度(物理量)」を「Rの変化(電気量)」に変換しています。
光センサ
半導体の電気伝導の原理を以下に示します。
つまり、光というエネルギーを印可されたことによって半導体の抵抗値が変化します。「光(物理量)」を「Rの変化(電気量)」に変換しているとも言えるのです。
・半導体への光の照射(エネルギーの印可)
↳伝導率の増加(光伝導効果)
↳起電力の発生(光起電力効果)
・光伝導セル
光伝導効果を利用した光センサ
・フォトダイオード
光起電力効果を利用した光センサ
磁気センサ
さぐりコイルを用いた磁束測定の図を以下に示します。
図の解説をします。
まず、さぐりコイルを磁束φがかかっている磁場に置いておきます。そこから時間Tをかけてさぐりコイルを磁束0の磁場に移動させます。すると誘導電圧vが発生するので、それをt=0~Tで積分するのです。
コイルの巻き数をnとすると、以下の式により、磁束ε0が測定できます。
ホール素子
ホール効果を利用した磁気センサ。
ホール効果とは、電流の流れているものに対し、電流に垂直に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象のことです。
BとIによって、Vnが発生する ⇒ VnとIから、Bが測定できる
という仕組みです。
センサ編 最後に
非常にたくさんの種類があり混乱すること間違いなしですね。それでも本質は「物理量を電気量に変換する」ということなので、そこを意識して覚えていくといいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?