2023.2.2

山の土産でもらった、そこらへんに生えていたという野生の梅の枝。蕾はストーブをつけたこの部屋ですぐに開き、はらっと花びらが落ちた。丸干しにしていた大根と同じ台の上に置いたら二つの香りが合わさって、海苔もあれば浦里だな、と思ったのだがすぐに浦里という名が思い出せずに後で思い出した。私が遊女だったらそこに白胡麻もかけたいところ。好きな男に自分が作ったものを食べさせる喜びは女にとっていつの時代も特別なものだよな、とか考えたが瞬時に現代はそんな女は絶滅危惧種だな、と思い直す。

スーパーの一角にある、最終処分品が入ったワゴンを見るのが好き。
なんでか知らないけど、あのワゴンの中に入れられた商品たちには親近感をおぼえてしまう。いいものなのにデザインなんでこれにしたんだ、とか、確かにこの最高級丹波黒豆この量でこの値段はこの立地じゃ売れないよなぁ、とかなんとか色々勝手に思いながら、ついつい何かしらそこから手に取っている。ちょっとお高いものが半額で買えたりするので、一般的に人気のない部類のものばかり好む私に取っては最高。最高のワゴン。今日はそこから298円になっていた抹茶粉末を拾った。帰って、津村記久子の「君はそいつらより永遠に若い」で主人公が作っていたみたいなソイごまラテを作って飲もう、と豆乳を鍋で温めてマグに入れた抹茶粉末を湯で煉り終えたところで、これじゃソイ抹茶ラテじゃん。と気づいた。ごまと抹茶が、なんでよ。

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