「親になった後悔」についての本
「母親になって後悔してる」を読んでみました。以前、少子化について調べていたときに見つけて、気になっていた本です。
この本を読みながら、別の小説をひとつ思い出したので一緒に紹介します(映画「レボリューショナリー・ロード」の原作/ネタバレあり)
「母親になって後悔してる」 オルナ・ドーナト
まず「母親になって〜」のほうから。
本書は23人の女性のインタビューを集めたもので、テーマごとに発言を抜粋してあります。
それぞれのストーリーを追いかける構成ではないため、彼女たちのパートナー、不妊治療、実家や仕事についてはほとんど描写されません。
匿名性に強く配慮してあり、当人の年齢も記載なし。子供は5歳区切りの年齢と人数のみ記載され、性別も当人が言及しない限り不明です(「息子たち」「娘」「あの子たち」など)
インタビューの項目はどれも興味深かったのですが、内容が濃くてまとめきれず、、今回は第2子以降について語られている箇所だけ記事にしました。
第4章でテーマとして挙げられた疑問点
彼女たちの答えは様々で、
・一人っ子は良くないと思った
・周囲からの強い期待
・2人目は1人目とは違うかもしれない、と再試行した
あるいは、
・一度母になったらもう同じことなので、大家族を作ります
という人も居ました。
これらのインタビューを読みながら
『1人目が間違いではなかったと証明するために、2人目を作った』という言葉を思い出しました。次に紹介する「家族の終わりに」に登場するフレーズです。
「家族の終わりに」 リチャード・イエーツ
小説では夫側からの視点で描写されていますが、映画化された「レボリューショナリー・ロード」では妻のセリフとして登場します。
字幕で「二人目を産んだ」になっていましたが、実際は「we had」と言うてたので「私たちは持った」が近そう("Then we had another child to prove that the first one wasn't a mistake.")
この作品は親になったことの後悔がストーリーの中心というわけではありませんが、非常に近いところにテーマがあると感じます。たとえば、子どもたちに対する父親からの視線の描写。
あるいは妻に中絶を思いとどまらせたときの回想
父親からの視点は描かれているのですが、母親(エイプリルやミリー)が子供たちをどう思っているのかは描写がありません。「愛していると伝えて」とか、セリフは登場するし、苛立ちながら〜などの描写が出てくるけど、実際に何を考えているかの説明はなし。
あまりうまく書けないのですが、とても魅力的で面白い本です。アメリカ小説っぽい小説。
映画は監督サム・メンデス。タイタニックの二人が主演
youtubeで有料、U-NEXTだと見放題でありました。
おすすめのポイントは、トーマス・ニューマンの音楽と、ジョン役の俳優さん(マイケル・シャノン)、ハマり役のキャシー・ベイツも最高です。なんて素晴らしいの!!
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