夢のかけはし |短編小説(第26回日本動物児童文学賞優秀賞受賞作)雨の帰り道、少女は勇気を出して小さな動物を助けましたが
くれ まさかず
アキコは矢田川の堤防の上から、向こう岸にある、自宅の家の屋根を見ていました。小雨が降っていましたが、よく見えました。今から大急ぎで帰らなければいけませんでした。
「ここに橋があったら早いのにな」
一つため息をついて、アキコは堤防の道を歩きはじめました。目指す下流の宮前橋までは300メートルくらいあります。
「今日は、きっと叱られるわ」
おやつの時間までには帰ってくると、お母さんと約束していましたが、また遅