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トンデモ生徒とトンデモ日本語講師

アンディ(仮名)「こんにちは!仕事で日本人との会話が必要です。Keigoを勉強したいです。(英語)」

いらっしゃいませ~。ビジネス敬語がお望みですね。あら、Preplyのチャットに続きがあります。

ア「Keigoを話すことだけを勉強したいです。読み書きは必要ありません。ひらがなを勉強するつもりはありません。(英語)」

うん、実はいるよね。最初の関門ひらがな、それを何年もパスしてる人います。そういう生徒さんは「げんき」の第3課に進めないのでトライアルクラスで使った  NHK Easy Japanese にもどることにしています。

ア「Keigoが目標です。日本語を勉強したことはないけれど、日本語の文法のレッスンは不要です。(英語)」

ぉぉぉお~?もしかして敬語と日本語は似てるけど別の言語とか思っている? Cantonese と Mandarinの関係みたいな? いやいやいや、敬語を知らずに日本語を話すのはできるけど、日本語を知らずに敬語を話すことはできないんだぞ。

それでは、Google翻訳と生成AIを駆使して、いい感じのお返事を書くとしますか。

アンディさん、メッセージをありがとうございます。敬語を学びたいお気持ちはよくわかりました。それで、ええと、敬語というのは日本語をベースに積みあげるポライトバージョンで、、、、えと、うーんと、なんと説明すればいいかな・・

いや、まてよ。

この生徒さんのご希望は敬語の勉強なのですが、あとから追加したように「ひらがなは要りません」とか「日本語文法は不要です」とかが続いています。はは~ん、この生徒さんが声をかけた日本語講師は私が最初ではなく、ほかのまともな先生がたに「日本語初心者ならひらがなからはじめましょう」とか「敬語を勉強する前に日本語の基礎文法を」とか正論を言われてきたのでは?うむ、間違いない。

さすれば、ここは、躊躇せず、はっきりとお返事をしましょう。

へび「はい、よろこんで!」

ちょっと前まで居酒屋さんで響いていたような元気いっぱいさにご満足いただいたアンディさんは、トライアルクラスをご予約になりました。

さあ、いきますよ。日本語すっとばして敬語レッスンを!よいこのみなさんは決して真似してはいけません。

きくと、アンディさんの会社で、日本のメーカーから商品を輸入することになったそうで、日本人担当者とやりとりするために敬語を学びたいとのことでした。円が安くなっていることですし、日本からの輸入開始はいい経営判断だろうと思いますよ。しかし、アンディさんに敬語なるものの必要を吹き込んでこの展開に持っていったのは誰か知りませんがあなたの失策です。

さて、レッスンといえば、挨拶と、ひたすら「名詞/形容詞+です」の繰り返しでした。

へ「デス・マスは敬語の基本の丁寧語なんですよ~」(うそは言ってない)
へ「デスからはじめましょう~」
Repeat after me.
kawaii des.
oishii des.
America des.
Nihon des.
hon des.
pen des.
neko des.
watashi des.
anata des.

へ「いい発音~(゚∇゚ノノ"☆パチパチパチ!」

Watashi wa Anna des

へ「このページは全部敬語ですよ~」(うそは言ってない)

無事、トライアルレッスンを終了しご満足をいただいた、と思ったのですが、サブスク登録はありませんでした。残念(笑)

あのとき言いませんでしたが、アンディさん、大丈夫ですよ。アンディさんが日本語できなくても、取引先の日本人が英語を話しますから。

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