「青いごはん」の魅力とイポー家庭料理を余すことなく伝える ー馬来風光美食ー
前から気になっていた荻窪の「馬来風光美食」。
諸事情なのでしょうが、今は金・土・日、週3回、17:30-21:30の営業。
2000年開店の、歴史を積み重ねてきた人気店なので、予約をしたほうがいいのでしょうが、金曜日の18:00頃に予約なしで行きました。19:00から予約が一杯のところを、それまでという条件で潜り込ませてもらいました。
「ありがとうございます!」
JR荻窪駅から徒歩5分。入り口が少々わかり辛いところを、丁寧に年代物の風情漂う看板を探して、地下に下りていきます。突き当りを右に、さあお目当ての店です。すでにマレーシア中華のにおいがプンプン。
「ワンプレートで¥1,500ならお出しできます」
「大丈夫です」
店はテーブル2卓(各4人)とカウンター5席。カウンターの中のキッチンからは、店主エレンさんが明朗に出迎えてくれます。そしてホールでは細かくご主人がサポート。
カウンターに落ち着き、寒空の中自転車を走らせて来た身をしばらく落ち着かせていると、来ました!おまかせのプレート。
えっ、ご飯がほのかに青い!
ホールのご主人が丁寧に説明してくれます。
「青い色は、バタフライピーという花からの自然な着色で、エレンが故郷のイポーから持ってきたんです」
色はそんなに強くはさせていないので、心理的な悪影響もありません。特別に味が加わるものでもなく、興味をひかせる目的のようです。一発で虜になるのは間違いありません。ご飯は「ナシクラブ」というそうです。
ココナッツミルクとジャスミンライスのほのかな甘みと特徴的な香り。そして適度な刺激のサンバルソース、ほろりと崩れそうに柔らかく煮込んだカレー風味のチキンルンダン。一口ずつ交互に食べ進めると、それらが口の中で絶妙に融合され、マレーシア料理の世界に引きずりこまれていきます。
「そうか、これがマレーシアの国民食と言われるナシレマの魅力なんだ!」
改めて確信されます。
店主エレンさんのご出身はペラ州の州都、イポー。
幼少から、料理人であるお母さんの料理を見ながら家庭で料理に励み、日本に来られ、「イポーの家庭料理を伝える」ために広範囲に活躍されています。お客さん一人ひとりに丁寧に接し、イポーの家庭料理の魅力は一歩一歩着実に伝わってきているように思います。
その日の訪問はこちらの事情で予約なしでの「おまかせ」でしたが、次は予約の上、様々なイポー家庭の味を広げていきたいと思います。やはりエレンさんおまかせのコースセット¥3,500も魅力的ですね。
予約電話番号: 03-5938-8633
そんな熱い気持ちにとどめを刺すような更なる気配りが到着!
エレンさん特性の、かぼちゃとココナッツの2層のクエ。甘すぎることなく、程よく深い食感で、先ほどのナシレマの余韻はしっかり残しながら、気持ちよく〆とさせられます。
「ごちそうさまでした。Terima Kasih!」