西安-悠久の歴史-、そして心地よい汗
「なあ、今日のお昼はあの中華の店に行かへんか」
「どこや」
「高田馬場から小滝橋の方に向かって歩いて5分くらいのところや。看板にえろう難しい字が書いてあってとても読まれへん」
「おお、妙に気になっていたところやな」
「早速行こうや」
「ここやここや、表通りにあってわかりやすいな」
「しかし字、すごいな。学校では絶対に習わへんで」
「とにかく入ろうや」
「すんません、お薦めは何ですか?」
「一番注文が多いのはビャンビャン麺です」
「ほな、それ二つください」
「いやあ、ビャンビャン麺って読むんやな。店の壁に説明が貼られていてわかりやすいわ」
「この店、キレイなんだけれど、ええなあ、中国に来たような気にさせられるわ」
「お客さんが中国の方が多いからとちゃうんか」
「でも、そうでもないで、あっちのテーブルは日本人のグループや。みんなおいしそうに麺を食べてはるわ」
「汗がしたたって流れているのが見えるな」
「おっ、来た来た」
「麺は太いなあ」
「牛肉の塊がすっごゴツイな」
「でもスープ真っ赤やね」
「そやけど、そこまで辛くはないで。注文の時に見得張って『辛さ大』ってゆうてしまったけどな」
「私は中にしたわ」
「あっ、ちょっと辛さが来たわ。汗出てきた・・」
「でも、適度な辛さ、ってゆうんかな。麺にも野菜にもお肉にもうまさが絡み合って纏まっているわ」
「牛肉の塊も柔らかいな」
「麺も手作りなんやな。『ビャンビャン!』ってしなる音を立てながら作っているんやな」
「今度見せてもらおうや」
「えっもう食べたの?スープもほとんど残っていないし」
「追加頼んでええか、じゃがいもピリ辛和えと餃子」
「ウチが好きなやつやな」
「そもそも西安ってどの辺やろ。世界史に出てきたがよう覚えてないわ」
「ここや。緯度でいったら大阪とかその辺やな」
「四川の北側なんやな。だから料理にも四川との共通点が多いんやな」
「四川料理よりは辛さ抑えめ、って感じがしたわ。うちにはちょうどいい」
「まあその辺は人それぞれやな」
「西安はどうやって行くんや」
「飛行機やったら乗り換えも入れてそれでも10時間はかかるな」
「それを、ここに来れば『その気』になれる!、ってことやな!!」
「まあそうやけど、西安は歴史で勉強した通り、兵馬俑とか見どころは仰山あって、さすがにそれらは見た気にはならんわ。一回行ってみようや」
「うん、まあ、それはそれとして、この店にというか西安料理はもっともっとたくさんあるやん。今度はもっと別のものを頼んでみようや!」
「それはええな!」
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